《老人問題を真剣に考える》ニューヨークの売春婦
ニューヨークに住んでいる老夫婦は、身寄りもなく、お金も年金もなく、もう食べる物もなく、飢え死にする寸前だった。
質屋に持っていく物も、とっくに無くなってしまった。「もう食べる物も、売る物もなくなってしまった」と、お爺さんが言った。
「お爺さん、どうしたらいいんでしょう」と、お婆さん。
「あとは飢え死にするだけか」おばあさんはしばらく考えていたが、何か決心したように、立ち上がった。
「お爺さん、任しといて下さいよ。女にはいざとなったら、最後には売る物があるんですから」
「でもお前、お前はもう70を越えているんだよ。誰も買ってくれないよ」
「スカーフをかぶって顔を見せないようにしてすれば、私がいくつだか解りませんよ」
おばあさんは張り切って町へ出て行った。
しかし、出て行ったままいつまでも帰ってこない。お爺さんはまんじりともせず待ち続けたが、やっと明け方にお婆さんがふらふらしながら戻ってきた。
「あー疲れた。ハイ、100ドル10セント」
お爺さんは不思議そうに言った。
「一晩で、100ドルか…。よく稼いだねー。ところで、その10セントって何なんだ。10セントなんて、いったい誰がくれたんだ」
「みんなよ!」
(老売春婦は回数で稼ぐ)