《LA名物カーチェイスをテレビで見る》2000

 

ホテルの部屋でボーッとしていて、そろそろ外出しようかと立ち上がりかけたとき、突然、テレビの画面がハイウェーに変わった。

午前11時、LAのNBCニュースでは殺人犯人がフリーウェイを逃走中で、それをパトカーが3台で追いかけているシーンを流し始めた。

またか!

でも、これは、見逃せないね。

だって、これこそ、LAの名物「ハイウェイカーチェイス」なんだからさ。

 

LAにやってきた夜は、これは夜中のカーチェイスをやっていた。
高級住宅街を車が逃げるのを、LAPDのパトロールカーが追跡して、最後には逮捕するまでをゴールデンアワーに長々と放送していたのだ。

考えてみれば、ただ車が走っているだけの画像をだらだらと流しても、どこからも文句が出ないということで、すなわち視聴率が取れるわけだ。
つまり、LAの人たちは、「カーチェイスが大好きっ!」てわけね。

 

 

 

このカーチェイスシーンはLAの名物のようだね。

つまり、LAへ来たら、テレビで名物のカーチェイスを見ないと話にならない。
LAへ来てるのに、アウトレットやテーマパークの話しかできないようでは、LAを知っ
たとは言えないってことね。

ところで昨夜は、ハリウッドでギャング(若者)が車からメチャ発砲して、6歳の子供が
流れ弾にあったって死んだ。

LAは車社会なんだけれど、それは危ない人たちも車に乗ってるっていみだ。
つまり、バスやメトロには危ない人は多くないってわけね。

さて僕は、これからバスでビバリーセンターに行ってこよう!
その目的は???
昼の12時半、カーチェイスがやっと終わった。
犯人はI-5(インターステイトフリーウェイ5号線)からI-99に入り、スピードをほとん
ど歩くくらいのスピードまで緩め、その後をLAPDのパトロールカーが6台追う状況が
続いた。
たった今、犯人の車は停止し、警官の呼びかけに応じて、投降した。

逮捕者は今朝9時45分、コンプトン地区のパン屋に入り、女性と口論したが、それを止
めに入った男性をセミオートマチックガンで撃った。
男性は病院に運ばれ死亡。
女性は無事。

犯行後、I-5を北へ逃走したが、それでも車は90マイル程度で速くはなかった。
パトカーがずっと追走していたが、容疑者の車は急激にスピードを落とし、I-99に入り、
最後には停止したがそのまま動きを見せなかった。
スワットオフィサーがライフルを構えて狙ったまま、しばらく動きがなかったが、容疑者
が出てきて、そして逮捕。
これを2時間半に渡ってTVで放送していた。
LAのVHS局は2(KCBS)、4(KNBC)、5(KTLA)、7(KABC)、9(KCAL)、11(KTTV)、1
3(KCOP)の7つなんだけど、2チャンネルと13チャンネルを除いた全部の局がチョッパ
ー(ヘリコプターのことね)を飛ばして生中継。
LAPDのチョッパーも2機飛んでいたそうだ。

途中ではスパイクストリップ(車のタイヤをパンクさせるトゲの出た板)を置いたのに、
避けられたり、謎の白いバンに衝突したり(このバンはカメラマンが乗っていたという未
確認情報アリ)と、飽きさせなかったね。

最後はチョッパーレポーターが解説していた通りの逮捕になった。
これは将来アメリカで逮捕されるみなさんのために、書いて置くね。

銃器を持っている場合はスワットオフィサーがライフルで狙いを付けたまま、スピーカー
で投降を呼びかける。
ここで英語がわからないからと、指示に従わないと、アッと言う間に、天国行きだ。
1)車のドアを開けて、後ろを向いたまま両手を挙げる。
2)警官に背を向けたまま後ずさりをして、近ずく。
3)そのままの状態で、前へうつ伏せに倒れる。
4)両手を後ろに回し、手錠がかかるのを待つ。

中継の途中で何度も「これはテレビドラマではありません!」と言ってたのが面白かった
な。
「こういう場合、容疑者は自殺することが多いですね」なんて、期待をさせたりして。

アメリカのTVは突然に別番組が割り込んだりするのに慣れているんだよね。
東欧が民主化の嵐に見舞われていたころは、CBSスペシャルレポートが、ドラマやクイ
ズショーの途中で、突然割り込んできたものだ。
それで、時間をずらしたり、再放送なんかしないんだ。

日本の場合は企業の力が強すぎるのかもしれないね。
つまり、テレビ局の編集権が弱すぎるってことだろうか?

世界旅行者みどりのくつした