《LAでパスを買う》1997/12/19

さて、僕は熱いシャワーを浴びて、濡れたままの長く伸びた髪を、きりっと後ろで結わえて、4番街東460番地の「ホテル加宝」を出ると、カキーンと晴れ渡った、南カリフォルニア、LAの空の下、とっとと西へ、ダウンタウンの高層ビル群へ向かって歩き始めた。
4番街をロサンジェルスストリートまで歩き、そこを南へ。
おもちゃ問屋街(TOY DISTRICTと名づけられている)のクリスマスのショッピングで賑わう群衆をかき分けかき分けて進み、6番街で右折してまた西方向へ、歩き続けて40分。

これを書いただけで、世の中には「LAのダウンタウンのような危ないところを歩いてはいけません」なんて言い出す連中が必ずいるが、そういう連中は、まず「自分で歩いてない」んだから話にならないよね。

フラワーストリートの角で、アルコプラザの地下へ入る。
ここにはMTA(Metro Transit Authorityだっけ?まあ、ロサンジェルス交通局だ)の案内所がある。
LAのバスには異常に詳しい僕が、今回わざわざ来た理由は「LAでは何でもすぐに変化する」から。
つまり、バスのルートもバスのシステムも、突然ころっと変わってしまう。
だから、常に新しい情報を入手しなければならない。

ここが何十年も前の旅行のいい加減な自慢話で現代の旅行を論じる時代遅れな連中と「世界旅行者」とが大きく違っているところなんだよ。

うっとりしちゃうねー。

MTAの案内所の壁面には時刻表をさしたラックがあって、MTAバスと地下鉄の、一応すべての時刻表が揃っている。
それが建前だが、時刻表がところどころ欠けていたりするのが普通で、それがすぐに補充されないことも多い。
日本だと、揃っているべき所には揃っているものだが、案外と外国ではこういうことがあるんだよね。
だから、欲しいのがあったときは、チャンスなので、絶対に逃さないように。

その横に新しいトークン(コインみたいなもの)の自動販売機をみつける。
10ドル入れると10個のトークンと、おつりが返る。
このトークン一個が1ドル35セントとして使えるのだから、かなりオトクだよ。

乗り放題のパスも売ってある。
時刻表の棚の端にあった「PASSES」と書かれた案内書では次のようになっていいた。

REGULAR MONTHLY PASSES ($42) 月始めから終わりまで
SEMI-MONTHLY PASSES ($21) 月の前半と後半の2種類
WEEKLY PASSES ($11) 日曜から土曜まで

現在のバス料金は$1.35なので、往復では$2.70。
バス料金をいちいち用意する面倒さ(バスではお釣をくれない)がないのと、バスをどんどん使うなら、かなり便利でオトクになる。
以前ホテルで会ったイタリア人のロベルト君は、わざわざこのパスの有効期間に合わせてイタリアからLAへやってきて(!)、それを自慢していたのを思い出す。

今回のLA滞在ではレンタカーを使う予定がないことでもあるし、ロベルト君にあやかって、一度はパスを使ってみるのもいいかもね。

昨日つまり12月16日から31日まで有効なSEMI-MONTHLY PASSを21ドルで購入する。
このパスはLAの地下鉄にも有効なので、僕は今年いっぱいはLA中のバスや地下鉄を乗り放題になる。

ここで秘密を明かして置くが、実は、LAはバスで観光するのが一番便利なんだよね。

 

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