「世界旅行者・海外説教旅」(上海〜バンコク)
「世界旅行者・海外説教旅」・第一章:旅に出る前に
世界旅行者は2002年夏、大阪から新鑑真号に乗って上海へ、二泊三日の旅に出ました。
彼は、旅行予定を決めません。
なぜなら、彼の旅は、神によって定められるからです。
世界旅行者は、船の中で出会った旅人たちとの会話から、雲南省へ向かうことを選択します。
もちろんそれは、神によって雲南省へ導かれていると、悟ったからです。
二泊三日の鉄道で、1人、雲南省の昆明へ、そこからさらに、ペー族の町・大理古城へ、そして世界遺産・麗江へ。
大理での様々な人との素晴らしい出会いを振り捨てて、昆明からバスで開遠へ、さらに中越国境の町河口へ、国境にかかる橋を渡ってベトナムのラオカイへ。
その国境で出会った旅人といっしょに、サパという少数民族の町へ。
さらに、夜行寝台で、ハノイへ。
ベトナムの町を次々に訪れながら、ついに1994年以来の二度目のサイゴンへ…。
そして、東南アジア観光の目玉、アンコールワットへ。
旅はどこまで続くのか、いつ終わりが来るのか。
世界旅行者の繊細な心の動きと、旅での出会い、愛そして別れ…
さらに、現地の詳細な状況、旅行情報もテンコ盛りの、「世界旅行者・海外説教旅」です。
ただ、注意してほしいのは、芸術性を高めるために、旅先で出会った人は、すべて本人とはわからないように、別の名前、別のキャラクターにしてあります。
「これは僕のことだと思うけど、こんなこと言ってないよー!」などと、怒らないようにお願いします。
旅の話というものは、そもそも、嘘だらけなんですからね(笑)。
001 《世界旅行者は人生に悩み、神の声を聞く。 「上海へ行け!」》
2002年の夏前、世界旅行者は、トレーニングをして身体を鍛え、お酒を控え、早起きになり、鏡に向かって百面相をして、いろんな表情を試していた。
また、会う友達からみんな、「なんか急に、話がつまんなくなったよー、どうしたの?」と言われていた。
それもそのはず、世界旅行者は、実は、テレビのワイドショーのコメンテーターになるつもりで、その準備をしていたのだ。
2002年の春、世界旅行者は、彼の第三作「大人の海外個人旅行」を出版した。
この本は、「これからは中高年海外旅行の時代が来る!」というタイムリーな、時代の潮流にぴったり合ったテーマで、ついでに若者の海外個人旅行をぼろくそにけなして、めった切りにした、若者以外の誰が読んでもスカッとする本だった。
おまけに世界中の情報もテンコ盛り、海外旅行の荷物リストもコンドームからバイアグラ、エロ本までリストアップした詳細なもので、さらには、世界旅行者の2001年春の西アフリカ旅行記まである。
まさしく、信じられないほど中身ぎっしりで、たった720円の、「持ってけドロボー!」というすごい本だった。
当然、ベストセラーになるはずだった。
また、例えベストセラーにならなくても、いままでの「間違いだらけの海外個人旅行」「これが正しい海外個人旅行」と併せて、三冊も旅行本を立て続けに出版しているわけだから、絶対にテレビ局からの出演依頼が来るはずだ(と、誰でも思うよねー)。
さて、はっきり言って、本を少々書いたところで金にはならない。
金にするためには、大ベストセラーを書くか、本をネタにしたテレビのコメンテーターになって名前を売って、地方の講演で稼ぐしかないわけだ。
大ベストセラーとしては、もちろん「間違いだらけの海外個人旅行」が予定されていた。
僕はこれまでの人生経験、恋愛経験、旅行経験のすべてをこの「間違いだらけの海外個人旅行」につぎ込んでいたので、これ一冊の一発屋で終わるつもりだったのだ。
もちろん、最低100万部売って、現金を手に入れて、それでロスへ行って、のんびりと老後を過ごすつもりだった。
ところが「間違いだらけの海外個人旅行」が100万部行かなかった。
これが大きな見込み違いだったんだよ(涙)。
ただ、いろんな人からの意見を聞くのだが、「間違いだらけの海外個人旅行」は旅行本としてはあまりにレベルが高すぎた、というのが最近は定説になっている。
「間違いだらけの海外個人旅行」は、最初から知的なユーモアがドカンとあって、途中では人生経験にあふれたペーソスたっぷりの話、痛烈な皮肉もあり、ブラックユーモアもあり、最後はシモネタでオチをつけてある。
笑いのすべてのパターンをぶち込んであるのだから、海外旅行本としても読めるし、人生論としても読めるのはもちろんだが、笑いの教科書としても十分に成立しているという、とんでもない本なのだ。
ただ、あまりにすごすぎて、まあ、よほど頭がよくないと、「間違いだらけの海外個人旅行」の本当の意味は理解できないらしい。
そう指摘されて、次の「これが正しい海外個人旅行」は、一般向きとはいってもなかなか深いが、誰にも理解できるまじめな旅行本を書いた。
ビザの取り方や、旅行情報の集め方などの、旅行のすべての基本的な問題点を解明し、また、自分自身でラオスへ旅行した経験を元に、列車や飛行機の切符の買い方や、機内の過ごし方、海外で出会った人との付き合い方、ホテルの選び方など、誰でも知りたがる海外旅行の基本を、実例をあげてクリアに解説したわけだ。
もちろん、これもまた、今まで誰も書けなかった「マイレージは金持ちだけのもの」や「貧乏旅行上手では女にモテない」、「日本人は人種差別されていない、馬鹿にされている」など、鋭い指摘が満載で、当然売れに売れていいはずのものだった。
ところが、この第二弾も100万部行かなかった…。
そこで僕が思ったのは、日本人はとにかくセックスが大好きな民族だから、本の最初から最後までセックスネタでまぶせば、絶対に100万部売れる、ということだ。
「大人の海外個人旅行」が「大人」というタイトルがついている理由は、もちろん中身が「オトナのお話」でぎっしりだったからだよ。
ところが、この第三弾も100万部行かないわけだ(涙)。
本屋に行けば、ちょっと東南アジアを旅行しただけの三流ライター諸君が書いた、頭の悪い、社会のオチコボレ連中の、馬鹿馬鹿しい、反吐の出るような、建前だけの、勘違いした本が並んで売られている。
もちろんいくら本を書いても、著者がもともと馬鹿なのだから、彼らの本は馬鹿にしか売れない、つまり、著者も読者も馬鹿で、馬鹿話を喜び合っているわけだけどね。
僕のような本物の世界旅行者の本が、100万部売れないのは、絶対におかしいわけだ。
そこで、100万部の本を売るのは止めて、テレビのコメンテーターになって名前を売って、講演活動で金を稼ごうと考えて、テレビ局からの連絡を待っていたわけだ。
もちろん、ただぼーっと待っていてはダメだ。
コメンテーターの練習をしていた。
どんな話題に対しても、「アメリカでは、○○ですからね。日本でも、もっと考える必要があるでしょうね」とか「みんなで、もっと話し合うことが大切でしょうね」とか、当たり障りのない、全く中身のないことを言うような練習もしていたのだ。
僕が友人から、「話がつまんなくなった」と言われたのは、もちろん、テレビのコメンテーターの練習をしていたからだったんだよ。
しかしなぜか、テレビ局からも話が来ないんだ。
本を三冊も出して、テレビ局からも話がなければ、このまま本を何冊も書いて、書き続けて、最後は「ただの作家」になってしまう。
それではだめだ。
だって僕は、なににもなりたくなかったんだから。
僕は自由でいたかったんだから…。
世界旅行者は悩む。
すると、神は、行く道を指し示してくれる。
つまり、テレビを見ていると、2002年の春のテレビコマーシャルに、いやに上海の映像が多かったんだよ(覚えているかな)。
テレビのコマーシャルに上海をテーマにしたものが多い。
それは、当然、神が世界旅行者に、啓示を与えているわけだね。
「世界旅行者よ、上海へ行け!」ってね。
そうして、世界旅行者は、上海へ行かなければならないと、決意を定めた。
しかし、普通に行っては世界旅行者の旅ではない。
もちろんその前に、神は様々な障害をおき、世界旅行者を試されたわけだ。
世界旅行者は、神によって選ばれ、神によって定められた人生を生きる。
だから、もちろん、そのすべての試練を受けなければならないのだ。
(「世界旅行者・海外説教旅」001)
《上海へ行くには、どうしても船でなければならない。それも新鑑真号で》
読者はとても信じられなくて、驚いて腰抜かしたり、おしっこちびったりすると思うけど、告白すると、僕は上海に行ったことがなかった。
世界旅行者といえば、世界のすべての地域に足跡を残した、そのすべての町で、何か一つはオモシロ話を作ってきた、旅行の天才だ。
その世界旅行者先生様が、近場の上海に行ってないなんて、それはおかしい。
みんながそう思うだろう。
また、その理由を知りたがるはずだ。
お答えしておきます。
僕の気持ちの中に、「上海にはカップルで行かなければならない」という強迫観念があったんだよ。
上海といえば、共産中国が成立する前まで、東洋のパリと呼ばれた、文化、ファッション、流行の中心地だった。
ずいぶん前にちょっと流行した、吉田日出子の「上海バンスキング」という舞台劇があったっけ、上海を舞台にした悲しい恋物語だ。
それをテレビで見ていたころ、僕の隣には、そのころ結婚していた、非常に魅力的な美女の姿があった。
そのとき、「上海へ行って、天井の高いダンスホールで、ジャズを聞きながら、女の子とダンスを踊る。これが上海の楽しみ方だよねー♪」とのイメージがインプットされてしまったんだね。
その女性とは別れてしまって、それ以来、一緒に上海へ行く女性が見つかってなかった。
ちょっと注意しておくが、僕のまわりに女の子がいなかったわけでは決してないよ。
これを読んで、「私が世界旅行者さんと一緒に上海に行くー(もちろん、世界旅行者さんのオゴリで)!」と思う女の子がたくさんいると思うからさ。
はっきり書いておくけどね、僕が女の子と海外旅行に出るときは、必ず、ワリカンなんだ。
女の子に金を払うなんて死んでも嫌な、それが僕、男の中の男、世界旅行者なんだからさ。
だいたい、僕のエッセイにも、20歳ちょっとの有名SMモデルと一緒にハワイに行った話があるくらいで、その時だって、きっちりワリカンだったんだ。→《亜美ちゃんロープに文句をつけるの巻》
つまり、厳密に言うと「僕と一緒にワリカンで上海へ行ってくれるきれいな(かわいい)女性」が身辺にいなかった、というわけなんだ。
僕のまわりには、たくさんの女性がいる(というか男性の友達はほとんどいない)が、ほとんどは貧乏だ。
金持ちの女性も、僕と付き合っていると、なぜか貧乏になる。
貧乏というものは、伝染するのかもしれないね。
まあ、これは、将来の研究課題としておこう。
というわけで、上海は、ワリカンで行く女性が見つかるまで、わざわざ取っておいた特別な町だったんだね。
しかし、僕もだんだん歳を取り、若い女の子とワリカンで海外旅行に出る可能性は、非常に少なくなった(でも、大金持ちの芦屋のお嬢様が高級高額ツアーに飽きて、バックパック旅行をしてみたいというご希望の場合など、一日5万円+経費で一緒に旅に出ることも可能です。是非、ご連絡ください)。
そこへ日本のテレビのコマーシャルで、連日上海の風景を流されると、これはもう上海から逃げてばかりもいられないさ。
だって、人間は、いつか死んでしまうんだから。
ま、何かの事故であっさりと死んでしまうこともある。
その前に、運がいいのか悪いのか、歳を取ると、身体が動かなくなっていって、海外旅行なんかとてもとても無理になる場合もある。
いつまでも過去のイメージ、思い込みにとらわれていてはダメだ。
なんでも、思い切って、やった方が勝ちだ。
と、僕は上海へ行くことを決める。
さて、上海には、もちろん成田から飛行機が出ている。
しかし、上海へ飛行機で行くようでは、とてもまともな旅行者とは言えないね。
上海は国際港なのだし、昔は上海は日本と船で結ばれていた。
上海航路は日中のメインルートだったのだから、ここはどうしても船で上海に入らなければならない。
船は上海の中心地、町のど真ん中、長江(揚子江)からちょっと入った黄浦江沿いの上海国際フェリーターミナルに到着する。
船で揚子江を通って、上海の中心地へゆっくりと進んでいって、その川岸の風景を見る。
これは、絶対に感動的だよね。
こうでなくては、上海へ行く意味がない。
また船で町のど真ん中へ入れば、中国入国の最大の問題点、つまり空港から町の中心へ行くときにタクシーでぼられる、ということもないわけだ。
さらに、二泊三日の船旅の中で、旅行者と知り合えるだろうし、彼らから中国の旅行情報は嫌になるほど入手できるだろうしさ。
そこで船を調べると、これはとても簡単に見つかる。
日本から上海への船は、新鑑真号と蘇州号の二つのフェリーがあるうえに、インターネットにはウェブサイトもあって、設備や料金、出港日などが簡単に調べられる。
新鑑真号→ http://www.fune.co.jp/chinjif/
蘇州号→ http://www.shanghai-ferry.co.jp/
新鑑真号は、毎週火曜日に出港、一週おきに大阪と神戸から出で、木曜日の昼に上海着。
蘇州号は、大阪を金曜日の昼に出て、日曜日の昼に上海着。
船の大きさも、設備も、運賃もたいした違いはない(片道2万円程度、往復割引アリ)が、ここは、新鑑真号を選んだ方がいい。
というのは、新鑑真号の前の鑑真号という船は、以前、日本から中国への航空運賃がまだ高かったころ、バックパッカー御用達の伝説の船で、やはりここは「鑑真」の名前のついた船に乗っておかないと、話のネタにならないからなんだね。
(「世界旅行者・海外説教旅」002)
《人生も、海外個人旅行も、セックスも無理をしてはいけない》
さて、海外個人旅行に出ようと考えただけで、海外個人旅行に出られるわけではない。
海外個人旅行に出るためには、神からの「よし、海外個人旅行に行け!」というゴーサインが必要だ。
これを間違えると、海外個人旅行には出られないし、出たとしても大失敗になってしまうよ。
僕が以前から、「世界旅行主義」を唱えていることを知っている人も多いだろう。
それがウザッタイと考えている人もいるだろうが、そんなことを考えているからキミは、旅行の神からの罰によって本格的な海外個人旅行に出られないんだよ。
ここで初めての人に簡単に説明しておくが、「世界旅行主義」の基本は「三位一体理論」で、それは「人生=旅行=セックス」という奥深いものだ。
一番わかりやすいセックスを例に取ると、自分でいくらセックスをしようと決心したとしても、それだけでセックスができるわけではない。
やはり、セックスさせてくれる相手が必要なのだ。
セックスさせてくれる相手がいないのに無理やりセックスしようとすると、「強姦」と呼ばれて刑務所行きになる。
海外旅行の場合は、無理矢理に強引に旅行に出ても、普通は刑務所行きにはならない。
ただ海外旅行自体が大失敗に終わって、金も時間も使ったのにちっとも面白くなかった、わざわざ行っただけ大損だったという話になるわけだ。
例えば、1998年の冬、僕がLAにいて、それを利用してベネズエラに行った場合のようなものだね。
この時はLAからベネズエラの首都カラカスへの航空運賃がいやに高く、また出発時間は深夜で、さらにカラカスへ到着するのに、コスタリカのサンホセで乗り換えがあったりして、ものすごく時間がかかった。
しかも、LAの空港のチェックインカウンターで、「あなたはベネズエラのビザがないので乗れません!」と搭乗拒否に遭ってしまった。
そこで、ガイドブックを見せたり、規則ではツーリストカードがあればビザなしで入国できることを(もちろん英語で)説明して、なんとかクリアする。
航空運賃が高く、フライト時間が長く、出発時間が深夜で、搭乗拒否にあう。
あとで考えると、これだけ悪い条件なのに、無理やりベネズエラへ行くことはなかったね。
強引に旅に出た結果、カラカス空港の観光案内所で嘘を教えられ、カラカスへのタクシーにはボラれ、予定していたホテル料金が高く、別のホテルには宿泊拒否された上に、やっと見つけたホテルは無愛想そのもので、町へ食事に出れば人種差別されるという、まあ最低の旅行になってしまった。
このように、無理に旅に出ると大失敗に終わる。
旅に出ていいときは神によって決められていて、そのときは出発前から、旅に出やすいように自然と物事が流れていくことになっている。
例えば、僕が1999年にアジアを横断したときだ。
この時は、アジア横断をしようなどとは全く考えていなかったのだが、たまたま個人ではイランビザが取れないという噂を聞いて、「そんなことはないだろう!」と、自分でイランビザを取りに行ったのがきっかけだった。
ちょっとイラン大使館に行って話を聞いたら、大金を出して旅行代理店に頼まなければ無理、個人では絶対に不可能と言われていた30日滞在の観光ビザが簡単に取れてしまったのだ。
このとき、イランへ陸路入国のビザを取ろうという理由で、その前にパキスタンのビザを申請すると、普通は一週間かかるはずのパキスタンビザが僕だけ特別に翌日発給さる。
ついでに、中国のビザを取りに行ったら、中国大使館そばの旅行代理店で、僕に対してだけ特別に安くしてくれて、しかも早く簡単に取れてしまい、おまけにレバノンのビザ、調子に乗ってシリアのビザまで取ってしまった。
アジア横断なんかしたくなかったにもかかわらず、これだけビザを取ってしまったら、これはアジア横断しないわけにはいかないよね。
だって、神様が「世界旅行者よ、アジア横断をしろ!」と言っているんだから。
だから流れるままに、ちょこっとアジア横断をしてしまったが、その旅の中で、いろいろと興味深い話のネタがたくさんできて、それによって僕の最初の本「間違いだらけの海外個人旅行」の内容が、ぐっと厚みを増したわけだ。
2000年夏のラオス旅行、これも、バンコクへのエアーインディアの航空券が安かったから、ただそれだけでバンコクへ行った。
すると、泊まったホテルのすぐ近くのバンコク中央駅で、なんと翌日のラオス国境の町ノンカーイへの夜行寝台列車の席があっさりと見つかる。
ラオスの首都ビエンチャンでは、なかなか取れないという噂のビエンチャンからルアンプラバンへの航空便が、フライト前日の午後に最後の一席にすんなりと予約が入ってしまう。
さらに、その飛行機でシニアボランティアの人と知り合って、家に泊めてもらったり仕事を手伝うなどして面白い話ができた。
安い切符で旅に出たら、予約も何にもしないのに自然と旅ができて、面白いネタができる。
これが神に祝福された、神に導かれた旅の典型だよ。
これは、また当然のように、「旅は(そして人生も)無理をしないでキモチよければそれでいい」という哲学的なテーマの、僕の第二弾「これが正しい海外個人旅行」として結実した。
2001年春に西アフリカ旅行へ出たときも、成田からモスクワを経由して西アフリカの中心都市ダカール(セネガル)へのアエロフロートの往復航空券がたった9万円と安くて、それが西アフリカ旅行へ出た理由だった。
だいたい切符が安いということは、神が「世界旅行者よ、西アフリカへ旅に出なさい」と命じているのだからね。
この西アフリカ旅行でも、とんでもないことが次々と起きて、僕の第三弾「大人の海外個人旅行」の冒険旅行記として、まとまった。
普通の人は、旅を一生懸命調べて、本を読んで、予約をしまくって、無理に旅をするのだが、世界旅行者は、何も考えず、何も予約せず、ただ、旅の流れにうまく乗っているだけなのだ。
ところで、2002年の海外旅行の状況を、ちょっと考えてみよう。
2001年9月11日の米国同時多発テロ以来、アフガニスタンで戦争が起こり、また、パキスタンとインドの紛争も拡大したままだ。
また、2002年はじめには、米国によるイラクへの攻撃が開始される可能性が非常に高い。
こういうときは、旅行の神が「アジア横断なんて、してはいけない!」と言ってるのだから、もちろんアジア横断は止めるべきだ。
さらに、どうやら現在アエロフロートのダカール便が運行を止めているという噂がある。
まあ、アエロフロートという会社自体が、世界各地へのフライト計画をしょっちゅう変える面白いところなので、たまたまある時期に日本から西アフリカの中心都市への安い航空便がなくなったという意味は、「今は、西アフリカへ行くな!」ということだよ。
それなのに、わざわざヨーロッパ経由などにして、高い金を払って、無理に西アフリカへ行ったとしたら、絶対に旅は失敗することになる。
それは、自然の流れに逆らっているからだ。
また、僕の伝説の世界一周旅行の場合、日本のバブルの最盛期の1987年秋、ちょうど「おにゃんこクラブ」が解散コンサートをしたときに、日本を出発したわけだ。
このころは、まだ世界中にそれほど日本人旅行者も多くなくて、世界各地での旅行社や現地の人との出会いも、なかなか興味深いものだった。
だから、日本がバブルの時期に世界一周していれば、それはそれだけで、ある程度、意味のあることだったんじゃないかな。
でも、今現在は、日本から、リストラされた会社員や、就職先のない大学卒業者が、うじゃうじゃ世界一周をしていて、世界一周自体がちっとも珍しいことではなくなった。
また、旅行者自体も、くだらない馬鹿旅行本を読みまくって、中途半端な間違った旅行情報を詰め込んだ、個性のない、話の面白くない、人間としてもレベルの低い人たちばかりなので、話のネタにならない。
さらには、世界中の人たちが日本人旅行者に慣れて(飽きて)しまって、現在では、日本人男性旅行者はいいカモ、女性旅行者はセックス相手、としか見てくれないので、人との出会いも疲れるだけだ。
つまり、旅行の神は、「もう世界一周は時代遅れだ。そんな馬鹿なことは止めなさい!」とおっしゃってるのだ。
だから、そこを自分の気持ちだけで強引に世界一周に出ても、ちっとも面白くないし、帰ってきても誰も評価してくれない。
まあ、みんなが世界一周をやり終えてから、いまごろ世界一周に出るようでは、基本的に時代感覚がズレてるわけだ。
そういうことを考えること自体、感性がダメなので、何をやっても、もちろん世界一周をやったところで、全く意味がない
とこのように、僕が上海へ行くと決めても、それだけでは、上海へは行けない。
だから僕は、神の指し示す方向を考えていた。
すると、神からの「上海へ行け!」とお告げが下る。
それが、中国のビザの問題だったんだね。
(「世界旅行者・海外説教旅」003)

《ビザが安く簡単に取れるなら、それは、旅に出ろという定めでしょう》
さて、中国へ行くには、中国のビザを取らなければならない。
とすると、中国に行くのが僕の運命(さだめ)ならば、中国ビザが簡単に取れるはずだ。
一般に中国ビザは中国大使館で個人申請ができず、旅行代理店に依頼しなければならないと聞いている。
しかし、そういう情報を信じてはダメだね。
情報というものは、常に変化する。
その変化を常に敏感に意識していなければ、本物の旅行者ではない。
だから、本に書いてあるビザ情報を頭から信じたり、インターネットにある情報を頼るようでは、旅行者とは呼べないわけだ。
インターネットの海外旅行掲示板などで、他人の書き込んだ情報を仕入れるような人は、もともと海外個人旅行に出てはいけない人だ。
というのは、僕がいつも言うように、旅行の状況は、昨日と今日は違うし、一分前と今も違う。
また、人間と人間がやることだから、人によって全く違うんだ。
世界のあちこちでトラブルを起こして、あれが難しい、これが不可能だ、それは大変だ、と大声を上げる人たちは、自分自身の性格が悪くて(たいていは顔も悪いが)、世界各地で嫌われているという事実に気がついていないだけだ。
だから、一般的に言われていることはもちろん疑って、自分自身で確認しなければならない。
1999年に中国へ行ったときも、中国ビザは個人申請ができないという話が流れていた。
しかし僕は、それを確かめるために、自分自身で、港区元麻布にある中国大使館近くの中国大使館領事部へ行って、そこでビザの個人取得ができないことを確かめて、その足で、近くの中国旅行専門の旅行代理店へ行ったら、特別にビザを安く早く取れたわけだ。
その後、大阪の中国大使館では個人申請ができたという報告も、僕のほうへファンから個人的に入っている。
インターネットの掲示板では、誰も東京で中国ビザの個人申請ができるという話はしてないが、それは、誰もやろうとしなかっただけの可能性もある。
また中国大使館領事部へ足を運んでもいいが、現在はインターネット時代で、中国大使館も当然ウェブサイトを持ち、そこにビザ情報が書いてあるはずだ。
中国大使館のHP(日本語)→ http://www.china-embassy.or.jp/jap/index.html
するとそこには、一般の日本人の観光査証(Lビザ)は個人申請ができないから旅行代理店を経由した代理申請をするように、と明確に書いてある。
大使館のホームページに、これだけはっきりと書いてあるのだから、たぶん観光ビザの個人申請は無理だろうね。
すると、どの旅行代理店で中国ビザの申請をするかという問題になる。
1999年にビザを取った旅行代理店に行ってもいいが、しかし同じことをやっていては話のネタにならないよ。
それにもし2002年に僕が中国へ行く運命なら、なにか新しいことが起きるはずだ。
そう思って、インターネットの中国関係情報をネットサーフィンしていると、「中国国際旅行社(CITS)」のサイトにぶつかる。
中国国際旅行社といえば、中国の観光の手配を一手に引き受ける有名な旅行社だ。
中国国際旅行社(CITS)→ http://www.citsjapan.co.jp/
その中国査証取得案内のページを見ると、中国ビザの手配料金表があって、シングルエントリービザばかりか、ダブルエントリービザ(中国へ二回入国できるビザ)も、半年マルチエントリービザ(半年何回でも入国できるビザ)も一年マルチエントリービザも簡単に取れるらしい。
前回はシングルエントリービザを取ったのだが、中国に行ってどこか国外へ出てまた中国へ戻ってくる可能性もある(だって、旅に出たらどう動くかわからないしね)ので、今回はちょっと贅沢にダブルエントリービザをとってもいいなと思う。
料金表によると、ダブルエントリービザが、普通申請(4日でビザが取れる)で12000円だ。
しかし、そのときは、特別料金として、e-mailでビザを申し込むと、2000円引きの1万円になる。
そういえば、前回は、シングルエントリービザを緊急(3日後)が1万円のところを8千円にしてもらった。
今回は、e-mailで申し込めば、ダブルエントリービザが普通(4日後)で1万2千円が1万円になる。
ビザが早く安く取得できるということは、神様が僕に「ほら、中国へ行ってもいいよ。とっとと行っちゃった方がいいかも」とのお告げなわけだよ。
これで中国へ行くことが決定したわけだ。
また、中国へ行く目的はとりあえず上海だけだが、そこからベトナムへも行きたくなるかもしれない。
で、ベトナム大使館でベトナムのビザを取ろうと考える。
以前は、ベトナムのビザを日本で申請するのが非常に面倒で、時間もお金もかかったものだ。
招請状を用意したり、代理店に高い金を払って頼んだりしなければならず、それで個人旅行者は一度インドシナへ入ってバンコクやプノンペンでベトナムのビザを取るのが、一般的だった。
僕自身も1994年にカンボジアのプノンペンでベトナムのビザを取って、ホーチミンシティへ入ったことがある。
しかしもちろん、何度も言うが、ビザの取得条件と言うのは常に変化するものだ。
そこで、ベトナム大使館のサイトをチェックしてみる。
ベトナム大使館のHP(日本語)→ http://www.vietnamembassy.jp/index_j.html
ベトナム大使館の入国査証(ビザ)申請の項目を見ると、なんとビザは個人申請できるとはっきり書いてある。
ということは、以前よりもベトナムビザは取りやすくなったわけだね。
中国ビザは安く早く取れるところを見つけたし、ベトナムビザは個人で簡単に取れるようだ。
ということは、今回の旅は、中国からベトナムへ向かうことが、僕の運命なのだ。
ところが、そうすんなりと、簡単にはすまない。
そんなにうまく物事が進むようでは、世界旅行者の旅はありふれたものになってしまうからね。
突然、世界旅行者が、中国へ行く前に米国へ行かなければならない情況ができてしまったのだ。
しかし、それもまた、もちろん、神の定めだった。
(「世界旅行者・海外説教旅」004)

《2002年の夏に世界旅行者が海外旅行に出た、これが本当の理由》
世界旅行者は、上海へ行けという神の啓示に従うことに決めたが、その他にも、この時期ちょっと日本を離れたい理由があった。
それが女性問題だ。
世界旅行者は、基本的に女の子を口説いたことがない。
というのは、彼が普通に生活していると、世界旅行者の話があまりに面白く、また頭の回転が速いので、学校でも、仕事でも、旅先でも、どんな状況でも、女の子に大人気で、女の子たちが世界旅行者のまわりに集まってくる。
そこで、自然にシモネタを飛ばしていると、女の子の方から「是非お付き合いしたいです」と、言い寄られることになっている。
世界旅行者は、彼に興味を持った女性に誘われて、お酒を飲んで話をすることも多い。
ただ、世界旅行者の欠点は、なにしろ人生で一度も女性を口説いたことがないので、夜遅くまで女性と二人でいても、女性が「セックスしましょう!」と言わないと、何もせずにそのまま帰ってきてしまうのだ。
僕自身も、「この女性は、気合を入れて化粧して、着飾ってるし、いい雰囲気のお店でおごってくれているのだから、誘われたらセックスしないわけには行かないな、ま、僕も子供じゃないんだしさ…」と、思って、お酒を遅くまで飲んでいる。
もちろん、世界旅行者が女の子と二人で飲むというからには、彼のバッグにはコンドームもバイブレーターも、そしてロープもちゃんと用意してあるんだ(全部使うわけではなくて、希望する女の子へのサービスのためです♪)。
ところが、特に、今までいろんな男性に口説かれ慣れている魅力的な女性の場合、変な自尊心があって、なかなか自分から「セックスして」と言えないらしいんだ。
もちろん世界旅行者は、「セックスしようよ」なんてそんな露骨な言葉を女性の前で言うなんて、そんな下品な恥ずかしいことはできない。
でもお互いいい大人なのだから、世界旅行者は誘われれば断らないと理解して、女性の方から「セックスしましょう」とやさしく声をかけてくれればそれで済む、簡単な話なんだよ。
実際こうした中途半端な形で、セックスもしないままでだらだらと付き合っている女性が、僕のまわりには多い。
僕は気に入らない、興味のない女性とお酒を飲むことはないのだから、僕と何回もお酒を飲める立場の女性が僕を誘えば、僕は必ずセックスするのが基本だ。
だから、セックスしたいのなら、僕をはっきりと誘ってくれればいいんだよ。
ところが、二人で会って話をしていても、女性の方は「なぜこんなに何回も会っていて、私の方がおごって上げてて、セックスの話もたくさんしているのに、世界旅行者さんは私を口説かないの?馬鹿にしてるんじゃないの!」と、怒ってしまうことになる。
でもね、怒る必要はないんだ。
それはただの誤解なんだよ。
世界旅行者は女性を面と向かって誘えない気弱な性格なだけで、はっきり誘われればいくらでもセックスしてあげるんだから。
ただ友達関係の女性から、「セックスして」と誘われて、その場で断ることもないわけではない。
というのは、僕とセックスすると女性は必ずしつこくなって、人間関係が面倒になり最終的には友人関係が終わってしまうことがあるからだ。
以前ちょっと知り合ったかなり知的な女の子に、人間のセックスとはどうあるべきかという非常に哲学的な話をしていたら、「いっしょに温泉に行かない?」と誘われた。
彼女はお金のある人だったので、僕はおごってもらってもちっともかまわなかったのだが、それは20歳以上も歳の離れた年下の女性には、さすがの世界旅行者も言い出せず、ワリカンで温泉に行く。
そうすると、大人の男女が温泉ホテルに泊まっているわけだから、することは一つしかないので、ほとんど寝ないでアレに励んでしまう。
お酒を飲んで、温泉につかって、暇さえあればセックス、というのはとてもキモチイイよね。
しかし、これでお互いに幸せになるかというと、そうはいかないんだ。
こういう関係になると、その後で、女性からどんどん電話がかかってくるようになる。
会うと、必ずセックスをせがまれる。
面倒なので電話に出ないでいると、「なぜ居留守を使うの?」と問い詰められる。
ますます放っておくと、e-mailや手紙がたくさん届くようになる。
面倒なので読まないまま放っておくと、読まなかった言い訳をしなければならず、言い訳をするくらいなら付き合わないほうがいいと、連絡を全くしなくなる。
僕は彼女のことが決して嫌いだったわけではなくて、ただしつこくされるのがイヤだっただけなんだよ。
でもそれは説明するのも面倒だったので、結局言えないままに放っておいたら、いつの間にか向うからも連絡がなくなった。
結局、誘われるままセックスしたことが理由で、知的で魅力的な女性の友人を一人失ってしまうことになったわけだ。
せっかくだから、この文章をここまで飽きずに読んでいる女性に、特別に、男性の秘密を教えておいてあげるね。
それは、男性というものは、基本的に、セコくて、未練がましい。
男らしくないのが男というものなんだよ。
それは、女らしくないのが女みたいなものだけどね(うーん、深い分析だよね、さすが世界旅行者!)。
だから男性というものは、例え自分から女性がイヤになって別れても、しばらくたつと必ずまたお付き合いしたいな、と思うものなんだ。
特に精液がたまったときなんかね。
この一緒に温泉に行った女性に対しても、3年後に急に会いたく(セックスしたく)なって、海外から「また温泉に行きたいですね」と書いた絵葉書を出してしまった(けれど、なぜか返事がなかった。郵便が着かなかったのかな?)。
世界旅行者はこういう風にだらだらと生きてきたわけだ。
ところが、世界旅行者も歳を取れば、安達祐美も歳を取る。
安達祐美も、20歳を越えてしまったら、いくら若く見えても、いつまでも子供っぽい役ばかりしてもいられない。
世界旅行者なんかになると、もう50歳を越えているのだから、いつまでも子供ではいられない(あたりまえだよ!)。
というか、ポコチンが元気なままではいられないってことね。
2001年には男性の更年期障害が起きて、体調が非常に悪くなって何もやる気がなくなってしまった。
2002年にはかなり元気になったけれど、病院にいくと高血圧気味ですと診断される。
これからどんどん歳を取っていくのだから、元気な時代ももう長くはないさ。
すると急に、「まわりの女性の友達とセックスしないと損だ!」と、セコい考えが湧いてきてしまった。
そこで友人の女の子に、「僕も高血圧だし、お酒ばかり飲んでるし、いつまでも元気ではいられないよ。せっかくだから、死ぬまでに一度くらいセックスしてもいいんじゃないかなー」と、お酒の席で誘う。
すると、女の子がその気になってしまったんだ。
ところが、世界旅行者というのは、海外旅行ではその場のアドリブが効くんだけれど、日本国内にいるときは、予定通り計画通りに生活している。
つまり、女の子と会うとき、「今日はセックスする」「今日は飲むだけ」「飲んだ後で誘われたらセックスも可」とあらかじめ計画を立てていくんだ。
で、セックスすると決めていない場合、相手が急にその気になられても困るんだよ。
だから、その場はなんとか誤魔化して、何もせずに帰ってきてしまった。
また相手から連絡があって、「よーし、今度はきっちりセックスしよう!」と覚悟して会うと、いつもの友達話になってしまって、セックスの話を持ち出すのが面倒になって、お酒を飲んでしまう。
お酒を飲むと、セックスよりもお酒の方が後腐れないので、どんどん飲んでしまう。
結局、女の子をその気にさせたのに、その責任を取らないまま日常を過ごしていた。
女の子に対して、非常に失礼なことをしていると思う。
でも、女の子の方から「しつこくしないからさ、イッパツやろうよ♪」と声をかけられないと、気軽にセックスはできないよ。
僕の第三弾「大人の海外個人旅行」にも書いてあるが、日本社会で一番面倒なのは人間関係という魔物なんだからね。
この歳になっていまさら女性のことで定番のトラブルが起きて、疲れてしまうのが見えているのに簡単に足は踏み出せない。
これは、とても精神的に悪い。
それではどうしたらいいかというと、結局、日本にいて女の子と会える状況なのに会わない、これがよくないわけだ。
解決法は簡単で、日本から逃げ出せばいいわけだよ。
日本にいるから、女の子のことが気になる。
日本にいなければ、会うことができないのだから、女の子のことは考えなくてもいいんだ。
まあ、僕が上海に行こうと決めたのは、この旅行の間だけは、日本にいて「女の子は僕に腹を立ててるだろうなー」と、考えたくなかったからなんだよ。
それに、旅から戻ってくれば、そのときはそのときだしね。
旅に出れば無事に帰ってこれるかどうか、わからないんだしさ。
これが、実は、僕が上海旅行に出る本当の理由だった。
「旅行の神が世界旅行者を旅に出す」なんて、そんな馬鹿な話、誰も信じちゃいないと思うけどさ、結局世の中は、やっぱしすべてセックスで動いていたってことね(笑)。
(「世界旅行者・海外説教旅」005)
《世界旅行者協会長老の旅行が、中国の前に、ロサンジェルスへと世界旅行者を導く》
世界旅行者は、こうして、上海に行く計画を立て、中国国際旅行社にe-mailを送り、特別料金でダブルエントリービザを取得した。
中国のダブルエントリービザは、発行日から3ヶ月有効で、その間に2回入国ができて、各回1ヶ月の滞在が許される。
ただ、旅行社の話によると、有効期限の3ヶ月ぎりぎりで入国する場合は、すんなり1ヶ月の滞在が許されるかどうか、それはわからないという。
中国の滞在許可は、現在は一般の観光ビザ(Lビザ)で1ヶ月だが、昔は3ヶ月だった。
本格的に中国を見て回ろうとすれば3ヶ月でも不足していて、そのころでも滞在許可の延長を繰り返して長期滞在をしていた人たちがいたものだ。
まあだから、1ヶ月滞在のビザでも、中国国内で滞在期間の延長をすればいいだけだが、延長を繰り返すと問題が起きる(一回目は大丈夫だが、二回目の延長が認められにくいとか)。
その場合、ダブルエントリービザを持っていれば、ちょっと国外へ出てまた中国へ戻って、長く滞在することもできるわけだ。
ビザというのは、日本より海外の方が簡単に取れたりすることが多いが、その逆に、日本でしか取れない場合もあり、海外ではビザを取るのに時間がかかったり、手続きが面倒なところもある。
海外でビザを取るのは誰でもやっている当たり前のことだと知れ渡ってしまったので、今では、海外でのビザ取得というネタ自体も、そんなに面白いことではなくなった。
現在では「日本でビザが取れるなら日本で取っておく(できるなら、マルチエントリービザを取る)」というのが、海外個人旅行の基本だ。
念のために書いておくが、僕はインターネットで中国国際旅行社という名前を見て、きちんとしたウェブサイトを確認して、その程度で、あっさりと信じたりしないよ。
インターネットにあることは、基本的に信用できないのだからね。
つまり僕は、インターネットでビザを申し込んだが、この中国国際旅行社の渋谷のオフィスへ直接足を運んで、オフィスを見て、写真と話をして、ちゃんとしたところであることを自分で納得して、パスポートを手渡したんだ。
こうして無事、普通申請で、4日後には中国のビザを入手した。
さて次は、ベトナムのビザを取りに行こうかしらん、と考えていたとき、電話が鳴る。
世界旅行者協会の長老K氏の奥さんからだ。
「家族でアメリカに行くのに、インターネットで安い切符を見つけて申し込んだんだけれど、大丈夫かしら?」という。
まあ、インターネットといっても、出会い系サイト、ネットオークション、アダルトサイト以外で、そんなに騙されたという話は聞いたことがないので、僕は「大丈夫じゃないですかー!」と、軽く返事をした。
だって、どうせ他人の話なんだからさ(笑)。
しかし、そこで僕は考えた。
なにか変だぞ…。
電話によると、長老夫妻がLAへ飛ぶ安い切符を見つけたという。
僕のまわりに起きることがすべて、神の啓示ならば、この電話にもなにか意味があるだろう。
この電話の内容は、「いまインターネットで、LAへの安い切符が出回っている」それと「長老夫妻はLAへ行く」という二つのことを示している。
うーん、ひょっとして「LAへ行け!」ということなのかな?
こう考えるのは、普通の人だよ。
世界旅行者はさらに進んで、「長老夫妻とLAへ行け!」ということではないかと、直感したわけだ。
そこで、インターネットでLA行きの切符の値段を調べてみる。
インターネットのサイトには、いろいろあるが、現在、一番使えるのはヤフートラベルだ。
ヤフートラベル→ http://travel.yahoo.co.jp/
ここで格安航空券からロサンジェルスを選択すると、2002年の6月時点で、成田からLA往復で28000円があった。
今まで一番安かった切符は、2001年12月25日出発の25000円というのでマスコミで話題になったものだが、28000円もかなり安い。
念のために書いておきますが、航空券が28000円だからといって、28000円払えば切符が手に入るわけではないですよ。
そのほかに、日本の空港使用料や海外での税金、保険料などいろいろかかってきます。
この切符の場合も、国内空港使用料2040円(これは成田空港の使用料で、昔は出発時に個人で払ってたよね)、それから海外空港諸税という項目で、航空保険料+出入国税6280円がさらにかかる。
つまり、28000円と思っていたら、プラス8320円、実際は36320円かかるわけだ。
初めての人は、びっくりしてしまうけれど、これは普通のことなので、詐欺ではありませんよ。
最初から、「そのほかの税金など、いくらかかるんですか?早い話全部でいくらなの??」と、聞いた方がスッキリします♪
さて、海外旅行者の自慢というのは、いろんなものがあるが、一番くだらないのが「航空券の安さ自慢、安い航空券情報」というものだ。
安い航空券の話というのは嘘だらけで、いい加減な旅行者の間を伝えられていくうちに、話がどんどん大きく(値段はどんどん安く)なるものだから、もともと信用できない。
切符の値段というのは、常に変化しているものだから、どこどこは安いという話は、山ほどある。
僕も、自分自身の経験からも、直接出会った人からまた友人を通してたくさんの話を聞いて知っている。
しかし、その安い切符の情報が正しいとしても、今も正しいとは限らない。
実際は、噂に聞いた安い切符を買うために、交通費をかけ、宿泊費をかけ、たいして見るところもないつまらない町へ行って、結局ちょっとも安くなかった(結構高かった)という話のほうが、ありふれているんだね。
だから、安い切符の話をするなら、最低でも自分でその飛行機に乗ってないと、話にならないんだよ。
「自分で乗ったときは安かった」という話なら、切符の値段が変化しても話のネタとして一応成立する。
「安い切符があったのを聞いたことがある」、というだけでは、「それでどうしたの?自分で乗ったの?シロウトのくせに知ったかぶりをして、面白くない話をするんじゃないよ!」と、突っ込まれて、何も言えずトイレで泣いてしまうことになるわけだ。
しかし世界旅行者になると、どんなくだらない話でも対応できていないと話にならない。
僕はLAへ覚えていないくらい数多く往復していて、日本での安い切符も買ったことがあり、LAで日本往復の安い切符も買っている。
また、他人の切符を安く買って日本に戻ってきたこともある(これは「間違いだらけの海外個人旅行」に書いてある)。
しかし28000円ならば、そのときのレートで往復で200ドルちょっとなのだから、LAで買うよりも絶対に安い。
これは、話のネタに、一度は乗っておかなければならない。
しかも、販売元がJTBの格安センター(JTB格安専門電話販売センター)というのだ。
JTBと言えば、誰もが知っている大手の旅行代理店だ。
しかしJTBと書いてあるからといって、それが有名なJTBと一緒だと考えているようでは、東大生と聞いて東京大学の学生だと早合点するようなものだ。
実際は、「東京大森生活共同組合」つまり「東大生」の組合員かもしれないんだからね。
そこで、これが本当にあのJTBなのかどうか、逆にJTBのサイトのほうからたどって、確かにJTBのものだと確認してインターネットで切符を申し込んだ。
出発日は、長老夫妻が出発する日を指定し、しかも予想通り同じ航空会社の同じ便になった。
というのは、安い切符があるときは、ある特定の航空会社が安売りしているわけで、だいたい同じものになるわけなんだよね(笑)。
長老夫妻と一緒にLAに着くには、もう一つ理由があった。
それは、長老夫妻は空港でレンタカーを借りるので、それに乗せてもらって、僕のLAの定宿「ホテル加宝」へたどりつこうという考えだったんだ。
日本の成田空港がアクセスが悪いと言われているが、僕はそうは思わない。
京成スカイライナーに乗れば、安く、居心地よく、ゆったりと、上野から成田空港へと行ける。
日本に帰ってきたときなど、一時間もせずに上野に着くのはあまりに早すぎて、もっともっと乗っていたいと感じるほどだ(京成電鉄さん、世界旅行者がテレビコマーシャルに出てもいいですよ)。
ところが、このロサンジェルス国際空港(LAX)というのは、車が無いとダウンタウンへのアクセスがとても悪いんだよ。
昔は市バスを乗り継いでいったもので、これだとダウンタウンまで最低2時間はかかった。
最近は地下鉄も走っているが、これも乗換えがいくつもあって1時間半はかかる。
シャトルというホテルまで直行してくれるバンもあって、うまく行けば30分で行くが、これも他の客がいないと客待ちに時間を取られるし、しかもダウンタウンに入った後であちこちのホテルに客を降ろしてまわるので、だらだら町を回られると非常に精神的に悪い。
というわけで、車に乗るのが楽でいいんだよね。
しかし、自分で車を借りるのは、お金の無駄だ。
なにしろLAの市内は、バスや地下鉄で動くのが一番安くて便利なので、車を持っていても案外と使いにくい。
ところが、長老は必ず大型の車を借りるので、一緒についていけば楽にダウンタウンの定宿へ着ける訳だね。
しかも自分で金を払う必要がないんだしね。
成田空港の売店で、長老の前に突然出現してびっくりさせた世界旅行者は、LAXに到着すると、当然のこととして長老と一緒にハーツ(Hertz)のオフィスに行く。
ここで、長老と僕は、日本での予約に対して、さらにディスカウントと車種のアップグレートの交渉をする。
実は、米国のレンタカー会社では、カウンターの人が決定権を持っているので、普通の車種でも普通にアップグレード、ディスカウントしてくれるのが普通なんだ。
これを知らないで、日本での規則通りの予約だけを考えているようでは、海外旅行のことは何もわかってないってことだけどさ。
というわけで、世界旅行者協会員の交渉力はものすごくて(笑)、いつの間にか我々は、ゆったりしたミニバンに乗って、LAの町へと乗り出したってわけだ。
僕の今回のLA滞在の第一の目的は、ユニバーサルスタジオの年間パスを使うことだった。
これは、2001年の年末に、一日分の料金(そのとき42ドルぽっきり)で年間パスをもらえるというキャンペーンで入手した、自分の顔写真入りのプラスチック製のカードをどうしても使いたかった、ということだ。
だって、年間パスを持っているのに、使わないんじゃ大損だからさ。
こう書くと、「ユニバーサルスタジオの年間パスを使うためにわざわざLAへ行くのでは、航空運賃が損じゃないのかな?バッカじゃないの!」と考える人がいると思うが、そんな表面的なことばかり考えているようでは、世の中が全くわかっていない。
だって、大阪のUSJに行くためには、東京から大阪への新幹線の往復運賃だけだって3万円以上、食費、ビール代、宿泊費まで考えたら、LAへいったほうがずっとオトクなんだから。
正直、世界旅行者の女性ファンというのは、名古屋以西の関西地区に多いんだけれど、気軽に会えない理由は、基本的には交通費が高すぎるってことなんだよ。
名古屋まで往復するだけだって、なんと2万円かかるよ…。
しかも、女の子と会うとなると、ホテル代も食事代もかかる。
逆に言うと、日本で経済活性化をするためには、日本国内の運賃を半額にして、ラブホテルに補助金を出せばいいんだよね。
男と女が出会えば、プレゼントも買うだろうし、お酒も飲めば食事もする。
コンドームの売り上げも、バイブの売り上げも、バイブが売れれば乾電池の消費量も、確実に上昇するだろう。
コンドームの一定の割合に穴を開けておいて、妊娠中絶を難しくして、避妊に失敗してできた子供に補助金を出せば、日本の人口減少も簡単に解決する。
たったこれだけで、日本経済は活性化し、人口減少も防ぎとめられるんだよ。
日本という国はこんな単純な明白な事実に目を閉じて昔ながらの固定観念にとらわれて、ああでもないこうでもないと口先だけで時間を過ごしているから、ダメになっていくんだよ。
まあ、日本がダメになっても、僕はもう先が長くないから、どーでもいいけどね。
いつものようにLAのホテルの部屋でコンピューターをいじっていると、日本の誰でも知っている一流経済雑誌から「世界旅行者さんのお話を聞きたい」というe-mailが入っていた。
これは、中高年の海外個人旅行を提唱した僕の「大人の海外個人旅行」が、やっと日本でブレイクしたのかな!
しかし世界旅行者は、急いで日本へは帰らなかった。
なぜって、LAではユニバーサルスタジオへ行くだけではなくて、ジーンズを買う予定があったからだ。
(「世界旅行者・海外説教旅」006)
《世界旅行者へのインタビュー依頼が一つあれば、インタビュー検討中が300あるという理論》
有名雑誌からインタビューの申し込みが一つあったからって、それで喜ぶようでは世界旅行者ではない。
もともと、世界旅行者がまだ一般雑誌に大きく紹介されていないこと自体が、本来的に異常で変な状況なんだからね。
だって、もうずいぶん昔に世界旅行者の名前は、「週刊文春」や「朝日ジャーナル」に紹介されていたんだよ(週刊文春では、世界旅行者の写真も付いていた)
また、カルト的な人気があった時期の昔の「GON!」では、海外旅行コラムを一年も連載して大人気だった。
誰でも知っている「宝島」や「日刊ゲンダイ」には世界旅行者としてのインタビューも紹介された。
もちろん、本も三冊出して、その書評は週刊朝日を始めとしていろいろ書かれているんだからさ。
つまり、僕はすでに、はっきりとした有名人なんだよ(笑)。
しかしもちろん、まだまだ世界旅行者として誰でもが僕の名前を知っている、顔を知っている、町を歩けばキャンギャルがサインをねだりに走ってくる、電車では女子高生に取り囲まれる、六本木のディスコに行けばフリーパスでVIPルームに案内される、というところまでは行ってないんだ。
世界旅行者の有名なウェブサイト「世界旅行者の部屋」にしたって、1998年の6月のスタートから、2002年11月までで50万を超えるアクセスがあったんだ。
しかもこのアクセスを数えるニフティのアクセスカウンターというのが、(やってみればわかるが)自分でリロード(再読み込み)してもカウンターが動かない、なかなかアクセス数の増えにくいものなんだ。
ところが、「世界旅行者の部屋」からリンクしてある「世界旅行者協会」にあるジオシティズのカウンターは、自分でリロードすれば、どんどん数が増える。
つまり一人の人がHPを読み続けて何回もトップページに見たらどんどんカウンターが上がっていくんだ。
いわゆる人気サイトといわれているものは、こういったカウンターで幻想を膨らましているでっちあげがほとんどなんだよね。
ところが僕の「世界旅行者の部屋」では、自分で何度読んでもカウンターは上がらず、他の人が読んで始めてカウンターが動くというまじめなカウンターなんだよ。
だから僕のHPにジオシティズのカウンターをつけていたら、とっくに100万はおろか200万アクセスも簡単に超えているような、超人気サイトなんだね。
「世界旅行者の部屋」→ http://member.nifty.ne.jp/worldtraveller/ http://www.midokutsu.com/
「世界旅行者協会」→ http://www.geocities.co.jp/SilkRoad-Forest/4242/
いまどき日本語のHPで、ヌード写真もないほとんどが文章だけのただの海外旅行サイトが4年以上も続いていて、アクセス数は一日千を越えることも珍しくない、実質アクセスが数十万あるというだけで大変なニュースだ。
ということは、常識的にはインターネット雑誌はすっ飛んできて僕や僕のHPを紹介するのが当然だよ。
もちろん、海外旅行雑誌では世界旅行者先生の特集をやったり、一般雑誌からは知的で皮肉の聞いたコラム連載の以来が殺到するのが世の中の当然のあり方なんだよ。
でも実際は、現在そうなっていない。
が、それは僕が悪いんじゃなくて、日本のマスコミがダメなんだよ。
しかも、この世界旅行者というのは、よくいる「東南アジア通の頭の悪い安旅行ライター(爆笑)」とは大違いで、ものすごく頭がいい。
東南アジア大好きの旅行ライターというのは、はっきり言えば何の能力もない旅行しかテーマがない社会のオチコボレだ。
ライターなんて、一番楽なのが、海外旅行ネタなんだからさ。
だって旅行の話なんて、行けばなにかネタは拾えるのだから、それを適当に膨らませて、馬鹿な若者を騙して、旅行通を気取るのは簡単なんだもの。
僕が西アフリカに行ったときも、ある一部だけには知られている、ハッタリだらけで生きてきた、某中年ライターが、オートバイでサハラを縦断するという「冒険」をNHKのチームと一緒にやっていた。
だが、彼らと一緒にサハラを渡ってきた日本人旅行者の話では、そのオートバイで世界中をまわるのがウリのライターは、自分ではオートバイに乗らず、サポート車に乗って、オートバイは他人が乗っていたという。
しかも、この中南米をオートバイで旅行して、スペイン語ペラペラというので名前を売った嘘つきライターは、実際は英語も満足にしゃべれないのだとか。
2001年春の西アフリカでは、日本人旅行者が集まると、このライターの悪口で酒の席が盛り上がったものだ。
実は、1989年に中南米旅行をしていたときも、そのころ、このライターがサポート隊を付けて「オートバイ南米冒険旅行」をしていたというので、たった一人で中南米をオートバイ旅行して苦労していた旅行者諸君からは、ブーイングがあがっていたんだよ。
まあ、僕のような本物の世界旅行者を旅行マスコミが紹介しないのは、ちゃんとした理由がある。
といのは、旅行マスコミ自体が、嘘とでっちあげを売って金儲けをしていたところだから、常に真実を語り続ける世界旅行者を受け入れたくない、というのは、理解できないわけではないさ。
でも、一般マスコミが大々的に紹介しないというのは、ちょっと不思議だった。
だから、一流有名経済雑誌からインタビューの申し込みがあったというのは当然の話で、僕は別に不思議には思わなかった。
それに、申し込みがあったときにLAにいたというのは、「このインタビューはあわてて受けなくていい」と、神が指し示しているのだから。
まあ、ゴキブリは一匹目に付けば、そのほかに300匹はいるという。
有名雑誌一つからインタビューの申し込みがあるということは、他の一流雑誌300程度が、世界旅行者とのインタビューを真剣に考えていることを意味しているわけだ(そうであって欲しいよね…)。
そこで、そのエリートサラリーマン向けの有名雑誌には「いまLAにいるのでインタビューは受けられないが、興味があれば、中高年向けにバイアグラネタを提供しますよ♪」と、中高年向けの返事をしておいた。
さて、僕がLAに来たときは、必ず行くところがある。
それが、ビバリーセンターという大きなショッピングモールだ。
僕はここで、Tシャツやジーンズを購入することにしている。
というのは、日本のジーンズやTシャツは僕の身体にフィットしないんだよ。
中国へ行こうと思って、僕は「大人の海外個人旅行」という本を読んだ。
この本には、「海外旅行の持ち物リスト」があって、それが非常に役に立つんだ。
というのは、これは、世界旅行者が2001年に西アフリカ旅行に出て、ついでにフランスから南米のギアナ三国、さらにミクロネシアアイランドホップという三回目の世界一周旅行を考えていたときに、用意した荷物リストなんだ。
まあ、自分で作った持ち物リストなんだからさ、僕としては、このリスト通りに準備をすれば、僕にピッタリの海外旅行の準備はできるわけだ。
そころがその「海外旅行の持ち物リスト」には、その「(D)衣服など」の二番目にジーンズの解説があって「(ジーンズは)ゆったりした細すぎないもの。長期のときは、2本あるといい」と書いてあったのだ。
ところで、僕は大学時代に重量挙げをやっていて、それから、途切れ途切れではあれ、継続的にトレーニングをしていて、いまもトレーニングに通っている。
すると、太腿はかなり太い。
当然、ジーンズは太腿の内側がこすれて、破れてくることになる。
また(女性ファンには興味があると思うので、敢えて書いておきますが)ポコチンも大きいので、ジーンズのポコチン部分が、こすれて破れてくる。
で、日本で愛用していたジーンズが全部、股間の部分が、破れてしまっていた。
旅に出るのに、ちゃんとしたジーンズがなくなってしまってたんだよ。
だから、LAへ来た第二の理由は(第一の理由はユニバーサルスタジオの年間パスを使うことだったの、覚えてるよね♪)、ビバリーセンターでジーンズを購入することだったのだ。
(「世界旅行者・海外説教旅」007)
《人は説教する動物である・『説教論その1ー説教権の成立』》
さて、海外旅行に出ると、どんな人でも、少しでも脳味噌のある人ならば、自分の人生を考え、自分の生きてきた国のことを考え、自分のこれからの生き方を考えるだろう。
バリ島なんかで、何も考えず、現地の男性ときゃっきゃ、きゃっきゃ遊びまわっている日本女性などは、だから旅行をしているとは言えない。
彼女らは、ただセックスしているだけだ。
それがたまたま海外だったというだけなんだ。
だから、日本女性のバリ島旅行イスタンブール旅行などは海外旅行とは言わず、専門家の間では「海外セックス滞在」と呼ぶことになっている。
日本で出版されている普通の旅行記、旅行本には、世界旅行者の三部作「間違いだらけの海外個人旅行」「これが正しい海外個人旅行」「大人の海外個人旅行」を除いて、人はなぜ旅をするのか、旅は人生の中でどう位置づけられるのか、そもそも旅行とはなんなのか、そういった深い哲学的な話は全くない。
あるのは、「僕はこんなすごいところへ旅をした」「私は外国人とこんなに親しくなりました」「僕は普通の日本人とは全く違った旅をしました」「俺は誰も考えられないようなことをした」「あたいは現地人にモテモテでだったよー」等々、こういう自慢話だけだ。
で、こう並べてみると簡単に、誰でもわかるのだが、つまり、旅行記、旅行本を書いている人の真の目的はただ単に「俺はてめーらみたいなありふれた人間とは違って、特別なんだ。だから、俺の方がずーっと偉いんだよ!」と、こう言いたいだけなんだ。
これは、「世界旅行主義」の定理一つ「人は他人より自分が偉いと思いたいだけのお猿さんの進化したもの」という言葉にすべて集約されている。
「世界旅行主義」は一般論なのだから、人間というものはすべて、「自分は他人より偉いんだ」と、考えている(考えたい)わけだ。
しかし、ちょこっと旅に出たくらいで、それをネタにして、「俺はてめーらより偉いんだ!」と、わざわざ本まで出して主張するというのは、単なる世間知らずで、たいして偉くない。
偉くないどころか、単純に、馬鹿っぽいよね。
海外旅行なんて、誰が旅に出ても、、日本と違った環境に身をおくのだから、少しは面白いことはあるわけだ。
だからといって、それをなにか自分だけ特別な経験をしたかのように思い込んで、本まで出そうというのは、やりすぎだよ。
旅に出ただけで、自分が偉いと思えるその頭の単純な構造時代が、ものすごくレベルが低く、他人よりも完全に劣っている。
旅行者が嫌われる理由は、たいしたこともない海外旅行で、根拠のない間違った自信をつけて、人にアドバイスをしたがるところだろうか。
もちろん正しいアドバイスならば、人の役にも立つし、当然感謝される。
頭が単純な旅行者は、今までの人生で一度も人から感心されたこともなく、人に教えることはなかった。
すると、感謝されたことがうれしくて、さらにアドバイスを続けようとする。
でも、たいした旅行経験はないので、自分の旅行経験からの正しいアドバイスのネタがすぐに尽きてしまう。
すると、旅行本を読んだり、今ではインターネットで調べたり、同じような低レベルの旅行者同士で情報を交換しあったりして、海外旅行を「勉強」して、アドバイスを続け、「旅行通」「旅行ベテラン」との地位を獲得し、他の旅行者の上に立ちたいと考える。
でもね、海外旅行というのは勉強するものではないし、勉強できるものでもない。
海外旅行というのは、本を読んだりしても絶対にわからない、ただ「悟る」しかないことなんだよ。
だいたい、日本で海外旅行通と呼ばれている(ま、誰も呼んでないんだけれど、自分で思い込んでるってことね)連中の旅行経験といったら、ものすごく少ない。
せいぜい「東南アジアに何回か行った」程度だ。
それで、インドへでも行って、カルカッタの安宿街に泊まって、北部インドをデリーまでちょっと横断すれば、ありふれた旅行通の出来上がりだ。
でもね、世界旅行者の僕は、もう25年くらい前に、自分で安い切符を買って、ホテルを自分で見つけて、シンガポール、タイ、香港を、新婚旅行で回ったんだよ。
20年前には、ネパールからインド、スリランカ、タイ、と個人長期旅行もやっている。
その前には、台湾、タイ、ビルマ、マレーシアと、個人旅行もした。
世界旅行者は、今の旅行通諸君がガイドブックを読み漁り、インターネットで調べまくり、旅の噂をかき集めて、日本人だらけのアジア旅行をする20年以上前に、もうすでに、とっくに、そんな程度の旅行は終えてしまっているんだ(やーい♪)。
しかも、2年8ヶ月かけて、たった一人で世界5大陸を連続して回る、本物の世界一周旅行をしている。
さらに、世界一周旅行の後、LAに半年もぼーっとしていて、その旅行を反芻し、考えてきたわけだ。
それだけでもゲップが出るほどの旅行歴だけど、そんなに旅行していてもまだ旅行国数が100カ国を越していなかった(だから、簡単に旅行国数が100カ国を越えていると主張する連中が完全な嘘つきだということはわかるよね)。
そこで敢えて、アフリカ縦断、東欧縦断、キューバ、へと足を伸ばして、二回目の世界一周旅行をして、旅行国数がはっきりと100カ国を越した。
さらに、アジア横断旅行、西アフリカ旅行と旅を続け、さらに、今回の東京からバンコクまで、陸路、海路の旅行をしてしまった。
これだけの旅行経験があれば、それは、海外旅行に関して、たいていのアドバイスはできるよ。
ここまで行ってるから、だからこそ、僕は世界旅行者なんだよ。
普通の、アジア大好きの馬鹿「旅行通」なんかとは、完全にレベルが違うのが明白だ。
その上、英語は英検一級(1976年に取ってる)どころか、日本人はほとんど取得不可能といわれるケンブリッジ英語検定試験の特級、CPE(Certificate of Profeciency in English)を持ち、ついでに唯一の国家資格、通訳案内業試験にも合格している。
フランス語も、スペイン語も話せるから、西アフリカ旅行も、中南米旅行も、何の不自由もなく旅行できる。
海外旅行というからには、やはり、現地の人や、外国人旅行者諸君と、思ったことを自由に話ができないと、知的刺激がないわけだから、深くは考えられないわけだ。
その点で、英語もまともに話せないようでは旅行者としてはレベルが低すぎるんだね。
だから、海外旅行本が本物かどうか、読む価値があるかどうか、それは、著者紹介を読めばすぐわかる。
世界旅行者の場合は、「京都大学工学部卒業で、世界百カ国以上を個人旅行して、しかも、英語、仏語、西語に堪能」とはっきり書いてある。
これなら、読む価値があるわけだ。
安っぽいでっち上げ旅行本の著者紹介を読むと、出身大学が記載されてない場合が多い。
これは、単純に、「一流大学出身ではない。おそらくは高卒か三流馬鹿私立大学卒」と読まなければならない。
まあ、なんと言おうと、日本は学歴社会だよ。
まともな人間なら、一応受験戦争に参加する。
で、普通のレベルの頭の人間なら、一流国立大学を目指し、失敗しても滑り止めとして、早稲田か慶応程度には合格するだろう。
誰が考えても、三流大学を出て就職もせずただ東南アジアを旅行していただけの完全な馬鹿の書いた本なんか、読んでも役に立つはずがないのだから読むだけ金と時間の無駄だよね。
でも、早稲田や慶応程度を卒業していても、入学金も授業料も高い私立大学に通って、その後旅行の本しか書けないようでは、そんな人間の書くことなんか読む価値がないよ。
また、旅行本を書いていながら、著者紹介に旅行経験がはっきり書いてない場合、これは、旅行経験はほとんどないと読まなければならない。
旅行本を書く人間は旅行自慢のはずなのだから、一番大切な旅行経験を発表できないという意味は「旅行経験を公表したらあまりに少なすぎて馬鹿にされる」ということなんだからさ。
そこをじっくりと考えると、旅行について本を書ける資格があるのは、世界旅行者先生しかいないのだと、ちょっとでも正常な理性を持つ人間ならば誰でも理解できるだろう。
すなわち、海外旅行の本を書けるのは世界旅行者だけで、さらに、海外旅行について人に説教できるのは世界旅行者だけだ、と正しく理解できる。
もちろん、このことも事実として証明されなければだめだ。
理論だけならば誰でもいえるのだからね。
実際に世界旅行者は、海外のありとあらゆる場所で、いろんな状況で、様々な旅行者と出会い、出会えば必ず話かけて、酒を飲み、一緒に旅をして、さらに深い話をし続けてきた。
その結果、世界旅行者と五分に対話ができるほどレベルの高い人はほとんど存在しないのに気がつく。
しかし、世界旅行者はものすごくおしゃべりなので、対話を諦めても、黙っていることができない。
世界旅行者の対話は、自然と、説教に転化することになる。
もちろん、世界旅行者が説教するのは、説教する価値のある人間に対してだけだ。
ほとんどは説教しても仕方のないレベルの人間ばかりなので、だいたいは無視するか、ちょっとからかったりするだけなのだから。
だから、世界旅行者に説教されたら、それは、説教する価値のある人間だと認められているのだから、大喜びして、お礼を10万円ほど包んでほしいものだね。
さて、世界旅行者が説教を始めたのは、いつからだったろう。
そう、思い出すのが、LAのリトル東京、三番街と四番街のあいだにあるヤオハンプラザ、そこの旭屋書店で、まだ漫画本がいくらでも立ち読みできたのどかな時代。
その時代から語り始めなければならないだろう。
2年8ヶ月の世界一周旅行を終えて、日本に戻ったときは、まだバブルの絶頂期で、僕はその軽薄な社会の風潮に耐え切れず、LAへ逃げ戻って、米国の滞在期限ぎりぎりまで、6ヶ月ほど滞在していた。
このLAに長期滞在したとき、このときが、本格的に、僕を作ったのだと思う。
なぜなら、僕はLAで何もせず、多くの人と出会い、人生を考えていたからだ。
その日常の中で、旭屋書店に行って、漫画を立ち読みするというのも、一日の過ごし方だった。
そこで、僕は、「厳格に訊け!」という漫画を読んだ。
著者は、ゴーマニズム宣言、おぼっちゃま君、東大一直線、最近は、戦争論、台湾論などで有名な、小林よしのり。
小林よしのりの書くものは、説教そのものだが、それは、実家がお寺なのだから仕方がない。
さて、一般にこういわれている。
坊主だから説教するのではない。
説教が好きな人が坊主になるのだ。
AV嬢だから、セックスするのではない。
セックスの好きな女の子がAV嬢になるのだ。
しかし、こういう耳障りのいい、気の利いた風な、わかりやすい言葉に、簡単に納得してはダメだ。
人は誰でも自分が他人より優れていると思い込みたいものだ。
他人より自分が優れていると思う人は、他人に説教をする。
ということは、人はみんな、説教をしたいものなのだね(坊主になるかどうかはわからないが)。
また、人はみんなセックスが大好きだ。
人はただ、セックスをするためにだけ生きているのだから。
ということは、日本女性は誰でも、AV嬢になりたいものだ。
AV嬢にならない人は、ただ、AVのスカウトに声をかけられないだけだ。
ここまで述べたように、人はみな他人より自分が偉いと思っているので、他人に説教をしたいものだが、そのほとんどは勝手な思い込みなので、説教する資格がない。
説教されても、何の役にも立たず、迷惑なだけだ。
ところで、誰が見ても他人よりも優れている人は、神から他人に説教する権利を与えられる。
これを説教権と呼ぶ。
ここに説教権が成立したわけだね。
説教権は、神から与えられた、特別に選ばれた人間だけが行使できる権利だ。
上述したように、神に選ばれ、神によって正しく世界中を旅行した世界旅行者には、説教権が授与された(説教権神授説)。
しかし、すべての権利は、ただ保持しているだけでは意味がない。
権利の上に眠るものの権利は、保護されない。
つまり、説教権を持つ世界旅行者は、説教をし続ける義務があるということになる。
その説教の場所として、世界旅行者は、上海からバンコクへの陸路旅行を選んだ。
それは、この行程が、日本人旅行者がウジャウジャいる東南アジアへ入るメインルートで、現在の日本人旅行者の状況をはっきりと観察できるという理由もあったわけだ。
というのは、説教するためには、説教する対象をちゃんと理解する必要があるからだね。
(「世界旅行者・海外説教旅」008)
《旅に出る前は、旅に出たくない気持ちが盛り上がる。それが本当の旅人》
ロサンジェルスで、またいろいろな人と出会い、世界旅行者でなければ得られない、様々な貴重な情報を入手して、僕は東京へと戻ってきた。
東京へ戻ってすぐにベトナム大使館へ行ったら、たった15分でベトナムの一ヶ月有効マルチエントリービザが取れてしまう(料金6000円)。
ちなみに、この時期、シングルエントリービザなら5000円でした。
中国のビザ、ベトナムのビザを取ってしまったのだから、次は上海へ旅に出る持ち物を揃える。
海外旅行用のジーンズとしては、僕の本「大人の海外個人旅行」を読むと、「海外旅行の持ち物リスト」に「ゆったりした細すぎないもの。長期のときは、2本あるといい」と書いてあるので、自分では考えずに、本に書いてあるとおりに用意すればいい。
というのは、僕はこの本で、読者のためではなくて自分が旅に出るために便利なように持ち物リストをまとめたからだ(もちろん、読者にもとても参考になると思いますよ。建前ではなくて、本当のリストなんだからね)。
LAのベバリーセンターにあるTimberlandで、Loose-fitという腰から下がかなりゆったりとした形のジーンズ、ウエストが30インチのものを購入したので、これを今度の海外旅行用に使うことにした。
ジーンズの長さは34インチあるが、これではもちろん中年日本人体型の僕には長すぎる。
そこで、裾を何重にも折り返して短くする。
こうすると、折り返しの部分になにかを隠せる場所ができるわけだ。
アジアを横断したときは、この折り返しの部分に、いざというときのために、円やドルの現金を隠しておいた。
僕の本「間違いだらけの海外個人旅行」には、「靴に金を隠してはいけない」と書いてあるので、書いた本人としては靴に金を隠すわけにはいかず、その代わり折り返したジーンズの裾に金を隠したわけだね。
女の子の場合は、海外で襲われてジーンズを脱がされるときのために、このジーンズの折り返しの部分にコンドームを隠しておいてもいいだろう。
強姦されたことも旅の出来事ならいい想い出に変わるかもしれない(強姦犯と結婚するのもよくある話)が、性病にかかったことなんか絶対に思い出したくないんだからさ。
覚悟して、「やらせてあげるから、コンドームを使って…(うるうる)」と頼めば、強姦犯もやさしくしてくれるかもしれないよ。
長期の旅行のときはジーンズ2本必要と自分で書いているが、今回は夏の暑い時期なので、GAPで見つけたショートパンツを一つ入れて、ジーンズは着たきり雀の1本だけにした。
海外旅行では、とにかく歩き回るのが基本なので、靴が一番大切だ。
「大人の海外個人旅行」の付録「旅の持ち物リスト」でも、僕自身「スニーカー1足 履きなれたもの」と書いているが、いつも旅へ出る直前になって靴のことを考える。
僕は幅広甲高の日本人足なので、LAではなかなかピタッとした靴が入手できない。
しかも、旅に出る直前になって靴を買っても、履き慣れる時間がないので、旅にもって出るには靴を買うのが遅すぎるのだ。
旅好きの人なら、旅行用に適当に履き慣らしたスニーカーを、常に用意しておいた方がいいだろう。
僕は旅先で靴を履き潰したことが何回もあるが、靴がダメになって焦ってて買いに行くと、必ず変な靴を入手してしまう。
ヨルダンで靴底が剥がれてしまった時は、あわててナイキエアを買ったが、どうやら贋物だったらしく、100mも歩くとすぐに靴紐がすぐにゆるんでしまう、非常に扱いにくいものだった。
ギリシアで靴底が割れてエアークッションがむき出しになったとき、この時は、イタリアに着いてすぐに靴を買いに行ったら、まるっきりサイズの合わない靴を、イタリア女店員の口車に見事に乗せられて買わされてしまった。
バンコクで靴がダメになったときは、サンダルを購入したが、これも、踵のクッションが自分の足に合わず、捨てることになった…。
結局、今回の旅行では、東京の日常生活でいつも履いている、かなりくたびれた靴を使うことになったが、ひょっとしたら旅の途中で壊れるかもしれない。
と、まあ、旅の服や靴について、書いてきたが、正直こんなものはどうでもいいわけだ。
中国や東南アジアに行けば、ジーンズや靴は、いくらでも安く売っているさ。
実際に旅に出てしまえば、服装なんか、そんなに気をつかうものではないんだ。
ところが、旅行者がこういう風に、旅行に出る前に、ああでもないこうでもない、これを用意しないといけない、あれも持っていったほうがいい、と考えて時間つぶしをしているのは、実は「本当は、旅に出たくないから」なんだよ。
旅に出るのを引き伸ばしているんだ。
ざっくばらんな話、旅なんて、たいして面白くもおかしくもない。
つらいこと、苦しいことばっかりだよ。
しかも、本当に危険だらけだ。
旅慣れてない人は、頭で旅を考えるので、楽しいことうれしいことをたくさん期待する。
また旅に出ても、本当は苦しいことつらいことなのに、それを無理矢理きれいな想い出に作り上げてしまう。
昔読んだガイドブックの中にあった、今でも覚えている旅行体験話に、「パリで知り合った男性に、薬を飲まされて、車で人気のないところに連れて行かれて、いたずらされてしまいました。でも、いま考えてみると、いい想い出です」とあったのが、口をあんぐりするほど感動したね。
旅がわかってくると、旅に出る前に、旅先でのいろんな問題、障害、困難を予想してしまう。
そして、そのいくつかは見事に実現してしまって(全部起きたら大変だけどさ)、「あーあ、こうなると思ってたんだよなぁ…」と後悔する。
またそれをうまく切り抜けたところで、よくある話で別にたいして面白い話でもない。
その苦しさの中に飛び込むのは、その苦しさを、自分の運命として、使命として受け入れて初めてできることだ。
旅のことばかり話すと、旅行経験の少ない人には何を言っているのかわからないかもしれないので、もっとわかりやすく書いてみよう。
例えば、男性が、女の子と会うときだ。
女の子と会うときは、男性なら誰でもセックスのことを考えるよね。
ああしよう、こうしよう、こういう変態的なこともしたい、本で読んだあんな変わったこともしたい、と思うけれど、実際に会うと、セックスできない場合も多い(頭の中がものすごくエッチな想像で一杯で、口をきけない人もいるよね)。
また、たとえ実際にセックスしたとしても、その行為自体はたいして変わったことでもない。
セックスをすると、やはりお金もかかるし、時間も使うし、いろいろ精神的にも疲れてしまう。
はっきり言うと、中途半端な不完全燃焼のセックスなんかするよりも、エロ本を読んで、エロビデオ、エロDVDを見て、マスターベーションをしていた方が、ずっとキモチよく気楽なものだ。
これを海外旅行で言えば、実際に旅に出たりせずに、エアコンの効いた自宅の居間で、海外のきれいな写真満載の雑誌を見たり、海外旅行の冒険談を読んだり、海外旅行のビデオやDVDを大画面テレビで見たりしていたほうが、実際にトラブルだらけの海外旅行に出るよりもずっと気持ちいいようなものだね。
ただ、海外旅行がセックスと違うところは、その後で、「責任を取ってよ」とか「何で会ってくれないの」とか連絡がないところかな。
一度利用した旅行会社からパンフレットがしつこく送られて来たりはするけれども、旅行会社は無言電話を入れたりしないものね。
旅行代理店は、「私のどこが悪かったの?」なとど問い詰めたりはしない(まあ、そういう旅行代理店はなかなか優秀だ、といえるかもしれないけどさ)。
海外旅行は、楽しいことも多いけれど、苦しいことも多い。
それがよくわかっていると、身体症状に表れてくる。
つまり、本当に旅慣れた人は、旅に出る前に必ず体調が悪くなるものだ。
昔、1994年に、僕が若いピチピチヤングギャルといっしょにタイへ旅に出たときは、なにしろ、海外旅行の困難も、女の子との困難も、二つ一度に考えたものだから見事に身体に現れて、昔手術した肩の骨が痛くなった上に、出発直前には熱まで出て、ほとんど旅に出れる状態ではなくなってしまった。
しかし、旅に出てしまうと、まあ元気になるんだけどさ。
というわけで、今回の旅の前は、急に歯が痛くなった。
しかし、この歯が痛いのが精神的なことだとわかっているので、放っておくと、もちろん歯の痛みは「ちぇっ、バレたか…」と引っ込む。
上海への新鑑真号の予約を入れる前に、船の混雑状況を聞くと、「7月一杯なら席はあります」との答え。
日本から中国へのフェリーは、どれも夏休みのど真ん中でも運賃が上がったりしないので、とても使いやすい。
学生さんや、長期旅行を考えるリストラサラリーマンなどは、絶対に中国への船を勧めておきます。
それに、船のいいところは、船の中でたっぷりと時間があるので、事前に何も考えていなくても、そこでゆっくりと旅行計画を立てられるところだ。
そこで、とにかく新鑑真号の予約を入れる。
体調が悪くても、船に乗りさえすれば、もう旅に出ているのだから大丈夫、体調は回復するだろう。
ところが、船の出発直前に大変なことが起こってしまった。
台風が日本に接近してきたんだよ。
体調が悪いうえに、気候まで悪い。
これは、やはり、旅なんかに出ない方がいいのかもしれないよね。
(「世界旅行者・海外説教旅」009)
《世の中何が起きるかわからない、だから世の中だが、何とかなるのも世の中だ》
僕が海外旅行に出るときは、できるだけぎりぎりまで出発の日を決めないようにする。
というのは、世の中何が起きるかわからないからね。
有名雑誌からコラム連載の申し込みもあるかもしれないし、テレビ出演の話があるかもわからない。
そうなれば、もちろん旅なんかには出ないよ、僕は(笑)。
で、新鑑真号は毎週火曜日に出発だが、7月中は席があると聞いていたので、ずるずると延ばしていた。
が、インタビューの話も、コラム連載の話も一向に来ない。
日本のマスコミは、レベルが低いね!
でもまあ、話が来ないなら、これは諦めた方がいい。
僕の人生は、諦めだらけなので、あっさりと諦める。
新鑑真号は毎週火曜日出発なので、ハッと、これではいけない、旅に出なければと、出発前の週の土曜日に近くのJTBで申し込んだ。
7月16日出発、二等洋室で2万円、出発は神戸のポートターミナル。
ちなみに、新鑑真号は、一週おきに、神戸と大阪から出港するので、出発場所を間違えないようにしなければならない。
でも、これだけ大きな船なのだから、たぶん毎回数人は出発場所を間違えて乗りそこなうんじゃないかな(笑)。
新鑑真号は二泊三日の船旅で、料金はたったの2万円、しかも朝食つきだ。
しかし、東京にいる僕はもちろん関西まで行かなければならない。
新幹線なら、のぞみで15450円、ひかりで14450円かかるので、二泊三日の船の運賃が2万円なのに比べて、ちょっと高いね。
しかしもちろん、東京から大阪まで高速バスで移動することもできるわけだ。
新幹線(JR東海)→ http://www.jr-central.co.jp/service.nsf/frame/shinkansen_menu
高速バス(JRバス関東)→ http://www.jrbuskanto.co.jp/mn/ajtop.cfm
夜行のバスだと、安いものでたったの5000円。
若者ならば、当然夜行バスで関西へ行き、船に乗るのが定番だ。
だって、船に乗りさえすれば、そこにはベッドがあって、ゆっくりできるんだからね。
でも世界旅行者は、歳なので、そんな疲れることはしない。
でも、朝に東京を出て、7時間半かけて夕方に大阪へ着く昼間の高速バスもあって、その料金が6000円。
これだと、関西に宿泊しなければならないが、関西のホテルをインターネットで調べると、さすがに東京より安い。
月曜日の昼間に高速バスに乗り、夕方に関西へ着いて夜ホテルに泊まり、翌朝船に乗るのがいいかもしれない。
「旅の窓口」のHP→ http://www.mytrip.net/
というのは、昔、世界旅行者が京都大学に通ってたとき、東名高速を走る夜間の高速バスを使って東京へ行ったことがあるからだ。
世界旅行者というのは、何でも新しいこと珍しいことを経験したいと思っているので、一度くらいは昼間の東名高速をバスでダラーンと乗ってみることも面白い、と考え始める。
そうすると、月曜日の夜が暇なので、関西地区にいる世界旅行者ファンの女の子と、一晩を過ごすこともできるだろう。
そう考えたが、こういう風に一つの行動に、ついでにあれもこれも放り込もうというのは、これは血液型A型の特徴らしい。
A型は、いろいろ考えるのだが、考えすぎて神経症になるのだとか。
確かに僕の友人のY嬢は、時々僕に会いたいと電話してくるのだが、それは必ずなにか別の用事があって、そのついでに僕と会うように計画を立てているようだ。
彼女はあまりに計画を立てすぎて、それがことごとく計画通りにいかないので、とうとう神経を病んしまって、いま病院に通っている。
僕も、せっかく関西に行くのだから、関西のファンに会ってすっきりして??、翌日、上海へ旅立とうかと、ファンの女の子に、「関西に行くから会おうよ」とe-mailを書いただけで、そのあと連絡を取っていなかった。
だって、自分がいつ関西へ行くのか、わからなかったからね。
僕が旅行計画を立てないのは、計画を立てたら神経がおかしくなるからではなくて、ただ基本的にぐーたらなせいだけどさ(てへへっ)。
土曜に予約を済ませ、日曜日に関西へ行く方法を考えていると、台風7号がちょうど関西を直撃しそうなコースでやってきているのに気がついた。
フェリー会社に問い合わせすると、「台風でも何でも、必ず出港します!」という、さわやかでキッパリした返事だ。
月曜日も天気予報をチェックしたが、台風はまっすぐにやってきている。
船は無理にでも出港するようだが、そのときの台風の波による船の揺れは、ものすごいだろう。
つまり、二泊三日、ゲロゲロゲロっと吐き通しだ。
これはちょっとキモチヨクないね。
というわけで、出港前日の月曜日に、新鑑真号に乗るのを一週間延ばした。
すると、本来ならば、規則では乗船日の変更は500円手数料がかかるのだが、台風という特別の事情を考えて、無料で変更してくれた。
ありがとう、「日中国際フェリー株式会社」さま!
これは、ただ500円儲かったというだけではない。
神が7月23日の船に乗れと世界旅行者に指し示しているのだ。
神が変更手数料の500円をまけてくれたのだから、世界旅行者は船に乗って上海へ行くのが運命なのだろう。
しかも、一週間、出発を遅らせたので、まだなにかできることがあるぞ。
きっと神は、世界旅行者に一週間を与えて、なにかをさせようとしているのだ。
それはなんだろう?
今度の旅をもう一度考えてみよう。
もともと上海へ船で行くというのが目的だ。
しかし、僕の本「大人の海外個人旅行」の、第三章「世界各地の旅行ルートについて」のアジアのところで、「雲南省からはラオスやベトナムへ抜けるルートが人気」と書いてある。
ただ、僕自身はこのルートを通ったことがない。
そこで、雲南省からベトナムへの国境越えをしてみてもいいと考えて、ベトナムのビザをゲットしたわけだ。
ところが、雲南省からベトナムルートの紹介の直前には、「ラサからはネパールのカトマンズへ抜けるルート(が人気)」と自分で書いている。
僕の本の特徴は、すべて自分自身で実際に体験したことがずらりと並んでいるところなのだけれど、この部分だけは自分の体験ではない。
とすると、「雲南省からベトナム」に加えて「カトマンズからラサ」のルートも通らなければならないのかな?
すると、ひょっとして、中国へ船で渡ったあと、バンコクまでずるずると陸路で行き、バンコクからインドへ行き、インドからネパール、そしてカトマンズからラサへ入って、中国本土から(または韓国経由で)船で日本に戻ってくるという旅も考えられないわけではない。
となると、インドのビザも持っておいたほうがいいかもしれないよね。
インドビザは僕の本「これが正しい海外個人旅行」で「発効日から6ヶ月有効で、その有効期間内だけインドに滞在できる」というちょっと変わったビザだ」と紹介してある。
インドへ行ったのはもう20年くらい前だし、いまどきまたインドへ行ってもつまらない。
しかし、現在インドを旅している日本人のインド旅行者に会うのは、結構面白いかもね。
20年ほど前のインドも、覚悟して旅に出たら、女子大生がいやに多くて、「なーんだ、インドって、メチャ普通じゃん♪」と、思ったものだ。
いまだとどうなのだろう?
インド旅行の女性は、トルコやバリ島と同じく、インド人とセックスしているのだろうか?
インドへ行ってみてもいいな。
インターネットでインド大使館を調べてみると、ビザの料金は5500円と書いてあるが、インド大使館の英語のサイトを読むと、そこには1200円とある。
うーん、不思議だ。
ビザの値段はいくらなのだろう?
インド大使館のHP(日本語)→ http://www.embassy-avenue.jp/india/index-j.html
インド大使館のHP(英語)→ http://www.embassy-avenue.jp/india/index.html
英語のページと日本語のページでビザの料金が違っているのは、普通はありえないことだ。
その理由は、神が「世界旅行者よ、インドビザの謎を解きなさい。ついでにインドビザを取りなさい」と言ってるわけだね。
ということで、インド大使館へ行ってビザを申請すると、翌々日に発給されて、料金は1200円。
やはり、発行日から6ヶ月有効で、その期間内にインドに何回も出入りできるマルチビザだ。
これは、申請書に何と書いても、この6ヶ月有効マルチビザが発給されるので取得のテクニックはない。
あとは出発を待つだけだが、その直前に二つの出来事が起きた。
一つは電子メールで、某雑誌から取材協力の依頼が来たことだ。
もう一つは、超美人から「セックスしない?」と、誘いがきたことだった。
取材に答えて、セックスしていたら、中国への旅には出れなくなるよ。
世界旅行者は、この重大問題に、どう立ち向かったのか?
それは…、次回のお楽しみ。
(「世界旅行者・海外説教旅」010)
《人がなにかを決断すると、それを妨害するようなことが起きる。そういう時は、迷わず行動すること》
上海へ行くと覚悟を決めると、とたんになにか上海へ行くのを押しとどめるようなことが起きる。
ま、これが人生というものだよね。
例えば、ずっとあこがれていた女の子とやっとセックスをすると約束ができて、よーし一晩中寝かせないぞ! と、その日のためにマスターベーションを何日も我慢していたら、精液がたまりすぎてポコチンが立って立ってしょうがなくて、待ち合わせの場所へちょっと小走りに走ったら、ポコチンがジーンズに擦れて、せっかく溜めた貴重な精液をついうっかりピュピュッと発射してしまった(そんな話はねーよ!)。
一度セックスをした女の子にプレゼントしたバイブレーターが壊れてしまったと連絡があったので、新しいバイブを購入してプレゼントしたら、「西本さんのポコチンは太すぎるし、カリ高すぎて私のに合わないのっ!」と、バイブだけは受け取ったのに、冷たくセックスを拒否されてしまう(これは嘘っぽいけど、世界旅行者のホントの話)。
女性の場合で言えば、ステキな男性とセックスする話が決まって、シティホテルも取ってもらって、バイブもロープも用意してくれているのに、急に生理になってしまう(これはよくあるよね♪)。
こういう風に、なにかをしようと決断すれば、必ずなにかそれを妨げようとする問題が起きるものなんだ。
何度も言うが、それが人生というものなんだよね。
世界旅行者の場合も、上海へ行く! と決断したとたん、その決断を妨害するような、雑誌からのe-mailと美女からのe-mailが届いたわけだ。
しかし、某雑誌からの取材協力のe-mailは、よく読むと、世界旅行者個人へのインタビュー依頼のお願いではなくて、中高年の海外個人旅行の実態を知りたいので、もちろん世界旅行者から話も聞きたいが、メインは誰か海外旅行好きの(世界旅行者みたいな特別な人ではなくて)普通の中高年男性を紹介してくれないか、という話だった。
つまらない話だよねー。
第一、ちょっと考えればわかるけどさ、他人を紹介して、僕の利益になるだろうか?
タレントプロダクションではないのだから、手数料も入らず、僕にとって何の利益にもならない。
自分の利益にならないことを進んでやるのは馬鹿だけだから、僕が誰も紹介なんかしないのが当然。
だから、このe-mailを書いた人間は、かなり頭が悪いと考えられる。
しかも、e-mailアドレスが、出版社ではなくて、個人のアドレスだ。
つまり、本物の編集者ではなくて、編集手伝いのライターさんだろう。
安ライターなんかと知り合っても、僕の役に立たないよね。
ただ、せっかくe-mailをもらったのだから、なにか利用できないだろうかと一生懸命考えて、返事のe-mailを書いた。
「役に立つ情報をたくさん持っていますし、紹介する人もいますが、詳しくは直接会って、ビールでも飲みながらお話したいです」ってね。
早い話、僕はタダでビールを飲みたかったんだよ(笑)。
で、実際に会って、吐くほどビールを飲ませてもらった(どうせ取材費で落ちるしね)。
ただ、僕の話は、世界的な視野を持った哲学的、社会学的な奥の深いものだったので、よほど頭がよくないと無理、普通のライターさんレベルではとても理解できるものではない。
ただ、せっかくビールを飲ませてもらったことには感謝したし、僕も基本的には親切ないい人なので、誰か旅行好きの人を紹介しようとまじめに考えたのだが、紹介できる人がいなかった。
というのは、僕を知っている人はたくさんいるし、e-mailも山ほどもらっているし、また、直接会ったことのある人もたくさんいるのだが、僕は用事もないのに自分から連絡を取ったりしないので、すぐに連絡が取れて紹介できるような人が僕のまわりにはいないんだよ。
帰宅したあといろいろ考えて、数年前に直接会って知っていた、旅行好きのドクターとサラリーマンを紹介しようとしたが、ドクターは最近旅行をしていないし、サラリーマンは連絡が取れなかった(リストラにあったようだ)。
僕が「みどくつFANくらぶ」を作ろうと考えたのは、一つにはそれが理由なんだよね。
というのは、いちいち連絡を取り続けていなくても、「みどくつFANくらぶ」というところである程度接触を保っていれば、海外旅行の話をする座談会なんかで人を集めるときに、すぐに連絡が取れるからね。
(これでも、「みどくつFANくらぶ」に入っておくと、キミの利益になるのがわかるよね。さあすぐに入ろう!)
美女からのe-mailはとても心が動いたが、世界旅行者は「セックスしましょう」というe-mailをもらったくらいで、舞い上がったりはしない。
そんなe-mailは、冷やかし、嘘、いたずら、もちろん本気を含めて、山ほどもらっているんだからね(笑)。
まあ、実際は、本気でe-mailをくれた女性でも、なかなかセックスまでは行かないものだ。
というのは、僕は自分から女性にセックスを迫ることがないからね。
僕は、女性の方から「セックスしてください(うるうる)」とお願いしてくれないと、なかなか行動に移さない人間、つまり世界旅行者なんだからさ。
日本女性というのは、基本的に主体性がないので、実際はセックスしたいくせに、自分から積極的になれないものだ。
これが、日本女性が海外で片っ端から口説かれて、セックスをした上に金を貢ぐ原因なのだが、この理論は僕のところで完全に成立しているので、アジア旅行の途中で、実例を挙げて解説しますから、お楽しみにね。
昔、マスコミでインターネットセックスの話がたくさん流れていた時、世界旅行者は当然、「マスコミの話は信じられない。インターネットで女性と本当にセックスできるかどうか、自分で試してみなければならない」と考えていたこともある。
そのときは、セックスすること自体が目的だった。
だから、インターネットでだらだらとe-mailのやり取りなんてしなかった。
e-mailのやり取りをして、相手を理解して(ま、理解した気になって)セックスをするのでは、それは本当のインターネットセックスではないよ。
e-mailをもらったら、すぐに直接会って、相手をよく知らないまま、その場でセックス、これが本当のインターネットセックス!♪
「もっとよく知り合って、相手を理解して、本当に好きになってから、結婚を前提にして、セックスしたいです…」なんて言ってるようでは、それはiインターネットセックスではなくて、「インターネットを通した恋愛」だよ。
ただ、恋愛の対象と知り合う手段としてインターネットを使っているだけだ。
それならば、友達に紹介された方が簡単だし、学校や職場で知り合った方が身元確実だし、それよりもなによりも、知り合いのおばさんに見合い相手を紹介してもらった方が、絶対に信用できるんだからさ。
インターネットセックスとはそんな甘いなまっちろいものじゃなくて、セックスをしたいもの同士が、インターネットで相手を見つけて、純粋にセックスだけを目的にすぐに、思い切りセックスをする。
これが本来のインターネットセックスの定義なので、誤解しないでほしいよね。
まあインターネットの初期の段階では、インターネットを知るためにいろいろな活動をしたこともあったが、そのあとは、もとの僕自身に戻って、ちゃんとした、僕が評価する、レベルの高い女性としかセックスはしない。
というわけで、セックスの話を出されたからといって舞い上がることもなく、美女とは出発直前にお酒を飲んで話をしただけで、「まあ、ちょっと上海へ行ってすぐに帰ってくるからさ」と別れた。
出発前の月曜日に、やり残していた準備をバタバタと片付ける。
シティバンクへ行って、ドルのT/Cとキャッシュ、それからユーロのT/Cを入手する(というのは、僕はシティバンクに口座を持っているのでT/Cの発行手数料1パーセントが無料になるからだ)。
僕はいつも手許に、ドルのT/Cとキャッシュは用意してあるのだが、今回の旅がどれほど長くなるかわからないので、少し補充したわけだね。
また、渋谷のUFJ銀行の外貨両替ショップで、円のT/Cも作った。
これは、シティバンクでは現在は円のT/Cを取り扱ってないから(以前は、円のT/Cも無料で作っていたけどね)だし、年中無休で両替をやっているUFJ銀行の渋谷外貨両替ショップをチェックしておきたかったからだね。
シティバンク → http://www.citibank.co.jp/
UFJ銀行外貨両替ショップ → http://www.ufjbank.co.jp/ippan/tenpo/gaika_shop/index.html
なぜドルのT/Cと円のT/C、またそれぞれのキャッシュ、おまけにユーロのT/Cまで持っていくかというと、一つには、東南アジアや中国での両替を実際にやってみて、その比較をやってみようと考えたからだ。
日本人旅行者というのは、実際、頭が悪く、理論的でなく、いい加減な噂を交換しているだけだ。
それがわかるのは、日本人だらけのこの地域で、どういう両替をしたら一番有利かという話に、一向に結論が出ていない点だね。
そんなものは、実際に両替したレートや手数料を比較してみればすぐにわかるものなのだが、自分がいくらで両替したかを考えない人たちばかりだ。
それでいて、旅先での自分の実際の経験ではなくて、いい加減な噂に振り回されて、よくある旅の噂、旅の嘘を拡大再生産している。
旅に出るとはっきり理解できるのだが、日本人というのは、理性的でなくて、決断力も、実行力もない。
ただ、日本人同士で固まって、くだらない話を交換してるだけだ。
しかし、現在の状況はどうかわからない。
ひょっとして、日本人旅行者が急に改心して、進化して、個人での判断力を持ち、決断力、実行力が備わっているのかもしれない(そんなことがあるはずがないけどさ)。
だから、僕の旅は、ただだらだらと名所、観光地を巡る、計画とおりの旅ではない。
僕がやろうとしているのは、旅先で日本人諸君と出会って、直接旅行者と話をして、日本人旅行者が何を考えているのかを知って、ついでにそこで旅や人生についての説教をしてみようという、哲学的、社会学的な旅なのだ。
だからこそ、今回の旅は、「世界旅行者・海外説教旅」と呼ばれるんだね(笑)。
(「世界旅行者・海外説教旅」011)
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