サイゴンでまた中央郵便局へ行き、午後2時にバンコクへ到着して、パタヤビーチへ行こうと考える

【サイゴン中央郵便局(2002)】
1994年8月31日。
今日は午後12時45分発のベトナム航空851便でバンコクへ戻る。

それにしても、出発がお昼というのも面倒だね。
朝の時間、特にやることも思いつかないし。

こういう日は、ゆっくり寝ていればいい。
しかしもともとの貧乏性のせいか、それとも歳のせいか、朝の6時に起きてしまう。

昨日はサイゴンを歩き回って、また頭も使った。
ビールを飲んで早めに寝たので、体調はすこぶるいい。

そのせいか起きた時に、世界旅行者の下半身の一部分が、カッチカチに硬くなっていた。
そこで思わず、「カッチカチやぞ!! カッチカチやぞ!! ゾックゾクするやろ!!」と叫んでしまった。

しかし、カッチカチのままだとジーンズがはけない。
そこで、あるキモチノイイ行為をしてカッチカチをフンニャフニャにする。

熱いシャワーを浴びて、スッキリする。
サイゴンホテルには朝食が付いている。

これは、バンカンホテルのようなボッタクリではない。
朝から温かいビーフヌードルスープを食べて、パンを食べ、コーヒーを飲んだ。

さて、今日はどうしようか?
フライトが午後1時近く、2時間前に空港へくるようにとハッキリ言われている。

だから午前11時には空港に到着したい。
僕は余裕を持って、午前10時にホテルを出るだろう。

だって、「空港へ行くのは早ければ早いほどいい」んだから。
それにしても、中途半端な2〜3時間程度の時間がある。

僕はこういうときに、とにかく郵便局へ行くことにしている。
郵便局で自分に向けて、絵葉書を書くわけだ。

この旅をしている1994年は、僕は旅にカメラを持って行かなかった。
旅の写真は撮らないと決めていたんだ。

その代わりに、きれいな絵葉書を、旅先から自分宛てに送っていた。
時間がないときは、「どこどこにて」とだけ書いて自分のサインをする。

時間があったら、絵葉書に旅先でやったことを書いていたんだ。
昨日は朝に郵便局へ行って自分へ絵葉書を送った。

昨日は時間があったので、絵葉書には、アンコールワットへ行ったこと、プノンペンからサイゴンへ飛んだことを書いた。
でも絵葉書を送ったあと、統一会堂や戦争犯罪博物館を見たし、サイゴンも隅々まで歩いた。

だから、日記代わりに絵葉書を送るとしたら、今朝また絵葉書を書いて送る意味はあるんだね。
1996年の2回目の世界一周旅行(アフリカ縦断、東欧縦断、キューバ旅行)からは、カメラ(CONTAX-T2)を持って、海外旅行の写真を取るようにした。

これはそのころ雑誌に連載を書いていたし、あちこちから僕に対して、出版の話がちらほらと持ちかけられていた、ということもある。
ただ、本を書くためには、ある程度の写真が必要だ。

本を出すときに使いたい写真の著作権などが絡むと、編集者に面倒をかけることにもなるしね。
ただ、絵葉書というものは、写真とは別に意味があるよ。

絵葉書を一枚見れば、その時の状況が思い浮かぶ。
だって、絵葉書には自分の字で、その時のエピソードが書いてあるんだからね。

たとえ「トンブクトゥにて」としかない絵葉書だっていい。
その絵葉書を書いた時点の、トンブクトゥの景色と、泊まっていたホテル、どういう状況で絵葉書を書いたのか、全部思い出せるんだから。

写真なんかは、本を出版する時に使うか、自分のブログやサイトで発表する以外に使い道はない。
でも絵葉書ならば、たった一枚ですべてを思い出させてくれる。

絵葉書は、だから、ある意味「総合芸術」だよ。
自分のサイトで発表することもなく、本に掲載する予定もないならば、特に写真を撮る意味はない。

それくらいならば、絵葉書を書いたほうがいい。
旅をするにつれて、積もり積もって、旅行者の旅の歴史を語ってくれることだろう。

こう旅行哲学した世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、またサイゴン中央郵便局へ歩いた。
昨日子供たちから買った絵葉書の中から、気に入った写真を選んで、自分宛に書いて送った。

また、サイゴン大教会でろうそくを灯して、祈った。
何かをする前、移動をする前に神に祈るのは、とても大切です。

このとき急に「ドルの現金が足りない!」と思いついた。
そこで、シクロに乗って「VIETCOM BANK」へ行く。

このとき何を考えたのか、両替したのは50ドルのトラベラーズチェック一枚だけだった。
手数料が2ドル取られて、48ドルの現金を手にする。

いまノートを見て書いているのだが、なぜこんな馬鹿なことをした(50ドルのトラベラーズチェックをドルの現金にした)のか、よくわからない。
その日にバンコクへ飛んでしまう。

バンコクならば、いくらでも両替は簡単に出来るのだしね。
思い返すと、バンコクであまり時間を使いたくないと考えていたのじゃないかな。

というのは、バンコク着が午後2時ごろと聞いている。
午後2時というのは、バンコクで泊まるならば、全く問題がない。

ただ、どこかのビーチへ行くとするならば、中途半端な時間だ。
バンコクへ着いたらすぐに移動できるようにと考えたのかもしれない。

バタバタしているうちに、午前10時ごろになる。
サイゴンホテルの116号室をチェックアウトして、ホテルの前で客を待っていたタクシーに乗る。

空港からサイゴン市内のドンコイ通りまで7ドルだった。
だから、タクシーと交渉して、7ドルで空港へ乗り付ける。

でも、たった20分くらいで空港へ着くのだから、7ドルというのはボッタクラレているかもしれない(と2008年の今になって考えている)。
ただ何度も言うが、「ベトナムはとにかくボッタクリだらけの国」なんだよ。

空港には無事に2時間以上前に到着する。
チェックインして、シートを「16A」の窓際の席にする。

ここでも出国税を別に8ドル取られた。
12時45分にベトナム航空「VN851」便が出発する。

見ると、僕の座っている16番の列は、日本人が集まっている。
2002年に夜行寝台列車に乗ったときも感じたのだが、ベトナム政府の外国人管理はかなり徹底したものだと思うよ。

午後2時、バンコク、ドンムアン空港に到着。
すぐに両替してバーツを入手する。

その時両替したのが、100ドルのトラベラーズチェック。
それと、30マレーシアドル、とメモに書いてある。

マレーシアに行ったのは、僕の最初の世界一周旅行の終わりの1990年だ。
多分、その時のお金が30マレーシアドル残ってたんだろうね。

ドンムアン空港でやっと世界旅行者は考えた。
「これからどこへ行こうか?」ってね。

これでもわかるように、僕はとにかく、土壇場の、ギリギリになるまで考えず、行動は起こさないんだ。
しかしその場になれば、否応なく答は出てくる。

午後2時過ぎていて、バンコクドンムアン空港からビーチへ行くとするならば、パタヤになるよ。
そこで、空港の案内所で「空港からパタヤビーチへ行く方法」を聞きに行きました。

注:「カッチカチやぞ!! カッチカチやぞ!! ゾックゾクするやろ!!」は「ザブングル」のギャグです。

【旅行哲学】どんなにIT化が進んでも、絵葉書は重要な海外旅行のアイテムです。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080505