《2002年の夏に世界旅行者が海外旅行に出た、これが本当の理由》

【新鑑真号の上で】
世界旅行者は、上海へ行けという神の啓示に従うことに決めた。
その他にも、この時期ちょっと日本を離れたい理由があった。
それが女性問題だ。
世界旅行者は、実は、生まれてからこの方、基本的に女の子を口説いたことがない。
というのは、彼が普通に生活していると、世界旅行者の話があまりに面白く、また頭の回転が速いのがミエミエニなる。
学校でも、仕事でも、旅先でも、どんな状況でも、女の子に大人気で、女の子たちが世界旅行者のまわりに集まってくる。
世界旅行者は習慣的に、自然にシモネタを飛ばしている。
と、女の子の方から「是非お付き合いしたいです」と、言い寄られることになっている。
世界旅行者は、彼に興味を持った女性に誘われて、お酒を飲んで話をすることも多い。
ただ、世界旅行者の欠点は、なにしろ人生で一度も女性を口説いたことがないところ。
夜遅くまで女性と二人でいても、普通は、女性は自分からは「セックスしましょう!」と言わない。
だから、何もせずにそのまま帰ってきてしまう。
僕自身も、「この女性は、気合を入れて化粧して、着飾ってるし、いい雰囲気のお店でおごってくれているのだから、誘われたらセックスしないわけには行かないな。
、ま、僕も子供じゃないんだしさ…」と、思って、お酒を遅くまで飲んでいる。
世界旅行者が女の子と二人で飲むというからには、彼のバッグにはコンドームもバイブレーターも、そしてロープもちゃんと用意してある。
全部使うわけではなくて、希望する女の子へのサービスのためです♪
ところが、特に、今までいろんな男性に口説かれ慣れている魅力的な女性の場合、変な自尊心があるようだ。
なかなか自分から世界旅行者に、「セックスして」と言えないらしいんだ。
もちろん世界旅行者は、「セックスしようよ」なんてそんな露骨な言葉を女性の前で言えない。
そんな下品な恥ずかしいことはできない。
お互いいい大人なのだから、世界旅行者は誘われれば断らないと理解して欲しいね。
女性の方から「セックスしましょう」とやさしく声をかけてくれればそれで済む、簡単な話なんだよ。
実際こうした中途半端な形で、セックスもしないままでだらだらと付き合っている女性が、僕のまわりには多い。
僕は気に入らない、興味のない女性とお酒を飲むことはない。
だから、僕と何回もお酒を飲める立場の女性が僕を誘えば、僕は必ずセックスするのが基本だ。
だから、セックスしたいのなら、僕をはっきりと誘ってくれればいいんだよ。
二人で会って話をしていても、女性の方は「なぜこんなに何回も会っていて、私の方がおごって上げてて、セックスの話もたくさんしているのに、世界旅行者さんは私を口説かないの?」と思うようだ。
「私に興味がないのね…」と、諦めてしまうようだ。
でもね、怒る必要はないんだ。
それはただの誤解なんだよ。
世界旅行者は女性を面と向かって誘えない気弱な性格なんだ。
はっきり誘われればいくらでもセックスしてあげるんだから。
ただ友達関係の女性から、「セックスして」と誘われて、その場で断ることもないわけではない。
というのは、僕とセックスすると女性は必ずしつこくなって、人間関係が面倒になり最終的には友人関係が終わってしまうことがあるからだ。
以前ちょっと知り合ったかなり知的な女の子に、人間のセックスとはどうあるべきかという非常に哲学的な話をしていた。
すると、「いっしょに温泉に行かない?」と誘われた。
彼女はお金のある人だったので、僕はおごってもらってもちっともかまわなかった。
それは20歳以上も歳の離れた年下の女性には、さすがの世界旅行者も言い出せず、ワリカンで温泉に行く。
そうすると、大人の男女が温泉ホテルに泊まっているわけだから、することは一つしかない。
ほとんど寝ないでアレに励んでしまう。
お酒を飲んで、温泉につかって、暇さえあればセックス、というのはとてもキモチイイよね。
しかし、これでお互いに幸せになるかというと、そうはいかないんだ。
こういう関係になると、その後で、女性からどんどん電話がかかってくるようになる。
会うと、必ずセックスをせがまれる。
面倒なので電話に出ないでいると、「なぜ居留守を使うの?」と問い詰められる。
ますます放っておくと、e-mailや手紙がたくさん届くようになる。
面倒なので読まないまま放っておくと、読まなかった言い訳をしなければならない。
言い訳をするくらいなら付き合わないほうがいいと、連絡を全くしなくなる。
僕は彼女のことが決して嫌いだったわけではなくて、ただしつこくされるのがイヤだっただけなんだよ。
でもそれは説明するのも面倒だったので、結局言えないままに放っておいたら、いつの間にか向うからも連絡がなくなった。
結局、誘われるままセックスしたことが理由で、知的で魅力的な女性の友人を一人失ってしまうことになったわけだ。
せっかくだから、この文章をここまで飽きずに読んでいる我慢強い女性に、特別に、男性の秘密を教えておいてあげるね。
それは、男性というものは、基本的に、セコくて、未練がましい。
男らしくないのが男というものなんだよ。
それは、女らしくないのが女みたいなものだけどね(うーん、深い分析だよね、さすが世界旅行者!)。
だから男性というものは、例え自分から女性がイヤになって別れても、しばらくたつと必ずまたお付き合いしたいな、と思うものなんだ。
特に精液がたまったときなんかね。
この一緒に温泉に行った女性に対しても、3年後に急に会いたく(セックスしたく)なった。
それで、海外から「また温泉に行きたいですね」と書いた絵葉書を出してしまった(けれど、なぜか返事がなかった。郵便が着かなかったのかな?)。
世界旅行者はこういう風にだらだらと生きてきたわけだ。
ところが、世界旅行者も歳を取れば、安達祐美も歳を取る。
安達祐美も、20歳を越えてしまったら、いくら若く見えても、いつまでも子供っぽい役ばかりしてもいられない。
世界旅行者なんかになると、もう50歳を越えているのだから、いつまでも子供ではいられない(あたりまえだよ!)。
2001年には男性の更年期障害が起きて、体調が非常に悪くなって何もやる気がなくなってしまった。
2002年にはかなり元気になったけれど、病院にいくと高血圧気味ですと診断される。
これからどんどん歳を取っていくのだから、元気な時代ももう長くはないさ。
すると急に、「まわりの女性の友達とセックスしないと損だ!」と、セコい考えが湧いてきてしまった。
そこで友人の女の子に、「僕も高血圧だし、お酒ばかり飲んでるし、いつまでも元気ではいられないよ。せっかくだから、死ぬまでに一度くらいセックスしてもいいんじゃないかなー」と、お酒の席で誘う。
すると、女の子がその気になってしまったんだ。
ところが、世界旅行者というのは、海外旅行ではその場のアドリブが効くんだけれど、日本国内にいるときは、予定通り計画通りに生活している。
つまり、女の子と会うとき、「今日はセックスする」「今日は飲むだけ」「飲んだ後で誘われたらセックスも可」とあらかじめ計画を立てていくんだ。
で、セックスすると決めていない場合、相手が急にその気になられても困るんだよ。
だから、その場はなんとか誤魔化して、何もせずに帰ってきてしまった。
また相手から連絡があるから、「よーし、今度はきっちりセックスしよう!」と覚悟して会う。
と、いつもの友達話になってしまって、セックスの話を持ち出すのが面倒になって、お酒を飲んでしまう。
お酒を飲むと、セックスよりもお酒の方が後腐れないので、どんどん飲んでしまう。
結局、女の子をその気にさせたのに、その責任を取らないまま日常を過ごしていた。
女の子に対して、非常に失礼なことをしていると思う。
でも、女の子の方から「しつこくしないからさ、イッパツやろうよ♪」と声をかけられないと、気軽にセックスはできないよ。
僕の第三弾「大人の海外個人旅行」にも書いてあるが、日本社会で一番面倒なのは人間関係という魔物なんだからね。
この歳になっていまさら女性のことで定番のトラブルが起きて、疲れてしまうのが見えているのに簡単に足は踏み出せない。
これは、とても精神的に悪い。
それではどうしたらいいかというと、結局、日本にいて女の子と会える状況なのに会わない、これがよくないわけだ。
解決法は簡単で、日本から逃げ出せばいいわけだよ。
日本にいるから、女の子のことが気になる。
日本にいなければ、会うことができないのだから、女の子のことは考えなくてもいいんだ。
まあ、僕が上海に行こうと決めたのは、この旅行の間だけは、日本にいて「女の子は僕に腹を立ててるだろうなー」と、考えたくなかったからなんだよ。
それに、旅から戻ってくれば、そのときはそのときだしね。
旅に出れば無事に帰ってこれるかどうか、わからないんだしさ。
これが、実は、僕が上海旅行に出る本当の理由だった。
「旅行の神が世界旅行者を旅に出す」なんて、そんな馬鹿な話、誰も信じちゃいないと思うけどさ、結局世の中は、やっぱしすべてセックスで動いていたってことね(笑)。
(「世界旅行者・海外説教旅」005)