『世界旅行者協会長老の旅行が、中国の前に、ロサンゼルスへと世界旅行者を導く』》
世界旅行者は、こうして、上海に行く計画を立て、中国国際旅行社にe-mailを送り、特別料金でダブルエントリービザを取得した。
中国のダブルエントリービザは、発行日から3ヶ月有効で、その間に2回入国ができて、各回1ヶ月の滞在が許される。
ただ、旅行社の話によると、有効期限の3ヶ月ぎりぎりで入国する場合は、すんなり1ヶ月の滞在が許されるかどうか、それはわからないという。
中国の滞在許可は、現在は一般の観光ビザ(Lビザ)で1ヶ月だが、昔は3ヶ月だった。
本格的に中国を見て回ろうとすれば3ヶ月でも不足していて、そのころでも滞在許可の延長を繰り返して長期滞在をしていた人たちがいたものだ。
まあだから、1ヶ月滞在のビザでも、中国国内で滞在期間の延長をすればいいだけだが、延長を繰り返すと問題が起きる(一回目は大丈夫だが、二回目の延長が認められにくいとか)。
その場合、ダブルエントリービザを持っていれば、ちょっと国外へ出てまた中国へ戻って、長く滞在することもできるわけだ。
ビザというのは、日本より海外の方が簡単に取れたりすることが多い。
その逆に、日本でしか取れない場合もあり、海外ではビザを取るのに時間がかかったり、手続きが面倒なところもある。
海外でビザを取るのは誰でもやっている当たり前のことだと知れ渡ってしまったので、今では、海外でのビザ取得というネタ自体も、そんなに面白いことではなくなった。
現在では「日本でビザが取れるなら日本で取っておく(できるなら、マルチエントリービザを取る)」というのが、海外個人旅行の基本だ。
念のために書いておくが、僕はインターネットで中国国際旅行社という名前を見て、きちんとしたウェブサイトを確認して、その程度で、あっさりと信じたりしないよ。
インターネットにあることは、基本的に信用できないのだからね。
僕はインターネットでビザを申し込んだ。
しかし、この中国国際旅行社の渋谷のオフィスへ直接足を運んで、オフィスを見て、写真と話をして、ちゃんとしたところであることを自分で納得して、パスポートを手渡したんだ。
こうして無事、普通申請で、4日後には中国のビザを入手した。
さて次は、ベトナムのビザを取りに行こうかしらん、と考えていたとき、電話が鳴る。
世界旅行者協会の長老K氏の奥さんからだ。
「家族でアメリカに行くのに、インターネットで安い切符を見つけて申し込んだんだけれど、大丈夫かしら?」という。
まあ、インターネットといっても、出会い系サイト、ネットオークション、アダルトサイト以外で、そんなに騙されたという話は聞いたことがないので、僕は「大丈夫じゃないですかー!」と、軽く返事をした。
だって、どうせ他人の話なんだからさ(笑)。
しかし、そこで僕は考えた。
なにか変だぞ…。
電話によると、長老夫妻がロサンゼルスへ飛ぶ安い切符を見つけたという。
僕のまわりに起きることがすべて、神の啓示ならば、この電話にもなにか意味があるだろう。
この電話の内容は、「いまインターネットで、ロサンゼルスへの安い切符が出回っている」ということ。
それと「長老夫妻はロサンゼルスへ行く」という二つのことを示している。
うーん、ひょっとして「ロサンゼルスへ行け!」ということなのかな?
こう考えるのは、普通の人だよ。
世界旅行者はさらに進んで、「長老夫妻とロサンゼルスへ行け!」ということではないかと、直感した。
そこで、インターネットでロサンゼルス行きの切符の値段を調べてみる。
インターネットのサイトには、いろいろあるが、現在、一番使えるのはヤフートラベルだ。
ヤフートラベル→ http://travel.yahoo.co.jp/
ここで格安航空券からロサンジェルスを選択すると、2002年の6月時点で、成田からロサンゼルス往復で28000円があった。
今まで一番安かった切符は、2001年12月25日出発の25000円というのでマスコミで話題になったものだが、28000円もかなり安い。
念のために書いておきますが、航空券が28000円だからといって、28000円払えば切符が手に入るわけではないですよ。
そのほかに、日本の空港使用料や海外での税金、保険料などいろいろかかってきます。
この切符の場合も、国内空港使用料2040円(これは成田空港の使用料で、昔は出発時に個人で払ってたよね)、それから海外空港諸税という項目で、航空保険料+出入国税6280円がさらにかかる。
つまり、28000円と思っていたら、プラス8320円、実際は36320円かかるわけだ。
初めての人は、びっくりしてしまうけれど、これは普通のことなので、詐欺ではありませんよ。
最初から、「そのほかの税金など、いくらかかるんですか?早い話全部でいくらなの??」と、聞いた方がスッキリします♪
さて、海外旅行者の自慢というのは、いろんなものがある。
その中でも一番くだらないのが、「航空券の安さ自慢、安い航空券情報」というものだ。
安い航空券の話というのは嘘だらけ。
いい加減な旅行者の間を伝えられていくうちに、話がどんどん大きく(値段はどんどん安く)なるものだ。
切符の値段というのは、常に変化しているものだから、どこどこは安いという話は、山ほどある。
僕も、自分自身の経験からも、直接出会った人からまた友人を通してたくさんの話を聞いて知っている。
しかし、その安い切符の情報が正しいとしても、今も正しいとは限らない。
実際は、噂に聞いた安い切符を買うために、交通費をかけ、宿泊費をかけ、たいして見るところもないつまらない町へ行って、結局ちょっとも安くなかった(結構高かった)という話のほうが、ありふれているんだね。
だから、安い切符の話をするなら、最低でも自分でその飛行機に乗ってないと、話にならないんだよ。
「自分で乗ったときは安かった」という話なら、切符の値段が変化しても話のネタとして一応成立する。
「安い切符があったのを聞いたことがある」、というだけではダメだ。
「それでどうしたの?自分で乗ったの?シロウトのくせに知ったかぶりをして、面白くない話をするんじゃないよ!」と、突っ込まれて、何も言えずトイレで泣いてしまうことになるわけだ。
しかし世界旅行者になると、どんなくだらない話でも対応できていないと話にならない。
僕はロサンゼルスへ覚えていないくらい数多く往復していて、日本での安い切符も買ったことがあり、ロサンゼルスで日本往復の安い切符も買っている。
また、他人の切符を安く買って日本に戻ってきたこともある(これは「間違いだらけの海外個人旅行」に書いてある)。
しかし往復28000円ならば、そのときのレートで往復で200ドルちょっとだ。
これはロサンゼルスで買うよりも絶対に安い。
話のネタに、一度は乗っておかなければならない。
しかも、販売元がJTBの格安センター(JTB格安専門電話販売センター)というのだ。
JTBと言えば、誰もが知っている大手の旅行代理店だ。
しかしJTBと書いてあるからといって、それが有名なJTBと一緒だと考えているようでは、東大生と聞いて東京大学の学生だと早合点するようなものだ。
実際は、「東京大森生活共同組合」つまり「東大生」の組合員かもしれないんだからね。
そこで、これが本当にあのJTBなのかどうか、逆にJTBのサイトのほうからたどった。
確かにJTBのものだと確認してインターネットで切符を申し込む。
出発日は、長老夫妻が出発する日を指定し、しかも予想通り同じ航空会社の同じ便になった。
というのは、安い切符があるときは、ある特定の航空会社が安売りしているわけで、だいたい同じものになるわけなんだよね(笑)。
長老夫妻と一緒にロサンゼルスに着くには、もう一つ理由があった。
それは、長老夫妻は空港でレンタカーを借りるので、それに乗せてもらって、僕のロサンゼルスの定宿「ホテル加宝」へたどりつこうという考えだったんだ。
日本の成田空港がアクセスが悪いと言われているが、僕はそうは思わない。
京成スカイライナーに乗れば、安く、居心地よく、ゆったりと、上野から成田空港へと行ける。
日本に帰ってきたときなど、一時間もせずに上野に着くのはあまりに早すぎる。
もっともっと乗っていたいと感じるほどだ(京成電鉄さん、世界旅行者がテレビコマーシャルに出てもいいですよ)。
ところが、このロサンジェルス国際空港(ロサンゼルスX)というのは、車が無いとダウンタウンへのアクセスがとても悪いんだよ。
昔は市バスを乗り継いでいったもので、これだとダウンタウンまで最低2時間はかかった。
最近は地下鉄も走っているが、これも乗換えがいくつもあって1時間半はかかる。
シャトルというホテルまで直行してくれるバンもあって、うまく行けば30分で行くが、これも他の客がいないと客待ちに時間を取られる。
しかもダウンタウンに入った後であちこちのホテルに客を降ろしてまわる。
だらだら町を回られると非常に精神的に悪い。
というわけで、車に乗るのが楽でいいんだよね。
しかし、自分で車を借りるのは、お金の無駄だ。
なにしろロサンゼルスの市内は、バスや地下鉄で動くのが一番安くて便利なので、車を持っていても案外と使いにくい。
ところが、長老は必ず大型の車を借りるので、一緒についていけば楽にダウンタウンの定宿へ着ける訳だね。
しかも自分で金を払う必要がないんだしね。
成田空港の売店で、長老の前に突然出現してびっくりさせる(笑)。
世界旅行者は、ロサンゼルスXに到着すると、当然のこととして長老と一緒にハーツ(Hertz)のオフィスに行く。
ここで、長老と僕は、日本での予約に対して、さらにディスカウントと車種のアップグレートの交渉をする。
実は、米国のレンタカー会社では、カウンターの人が決定権を持っている。
車種を予約していても、さらにその場でアップグレード、ディスカウントしてくれるものなんだよ。
これを知らないで、日本での規則通りの予約だけを考えているようでは、海外旅行のことは何もわかってないってことだけどさ。
世界旅行者協会員の交渉力はものすごくて(笑)、いつの間にか我々は、ゆったりしたミニバンに乗って、ロサンゼルスの町へと乗り出していた。
僕の今回のロサンゼルス滞在の第一の目的は、ユニバーサルスタジオの年間パスを使うこと。
これは、2001年の年末に、一日分の料金(そのとき42ドルぽっきり)で年間パスをもらえるというキャンペーンで入手した。
自分の顔写真入りのプラスチック製のカードをどうしても使いたかった、ということだ。
だって、年間パスを持っているのに、使わないんじゃ大損だからさ。
こう書くと、「ユニバーサルスタジオの年間パスを使うためにわざわざロサンゼルスへ行くのでは、航空運賃が損じゃないのかな?バッカじゃないの!」と考える人がいると思う。
が、そんな表面的なことばかり考えているようでは、世の中が全くわかっていない。
だって、大阪のUSJに行くためには、東京から大阪への新幹線の往復運賃だけだって3万円以上かかる。
食費、ビール代、宿泊費まで考えたら、ロサンゼルスへいったほうがずっとオトクなんだからね。
正直、世界旅行者の女性ファンというのは、名古屋以西の関西地区に多い。
気軽に会えない理由は、基本的には交通費が高すぎるってことなんだよ。
名古屋まで往復するだけだって、なんと2万円かかるよ…。
しかも、女の子と会うとなると、ホテル代も食事代もかかる。
逆に言うと、日本で経済活性化をするためには、日本国内の運賃を半額にすればいい。
また出生率を上げるには、ラブホテルに補助金を出せばいいんだよ。
男と女が出会えば、プレゼントも買うだろうし、お酒も飲めば食事もする。
コンドームの売り上げも、バイブの売り上げも、バイブが売れれば乾電池の消費量も、確実に上昇するだろう。
コンドームの一定の割合に穴を開けておいて、妊娠中絶を難しくして、避妊に失敗してできた子供に補助金を出せいい。
そうすれば、日本の人口減少も簡単に解決する。
たったこれだけで、日本経済は活性化し、人口減少も防ぎとめられるんだよ。
日本という国はこんな単純な明白な事実に目を閉じている。
昔ながらの固定観念にとらわれて、ああでもないこうでもないと口先だけで時間を過ごしているから、ダメになっていくんだよ。
まあ、日本がダメになっても、僕はもう先が長くないから、どーでもいいけどね。
いつものようにロサンゼルスのホテルの部屋でコンピューターをいじっている。
すると、日本の誰でも知っている一流経済雑誌から「世界旅行者さんのお話を聞きたい。ご都合はいかがでしょうか?」というe-mailが入っていた。
これは、中高年の海外個人旅行を提唱した僕の「大人の海外個人旅行」が、やっと日本でブレイクしたのかな!
ただ問題は、雑誌社は僕が東京にいて、今日明日中にも会えると考えているところなんだよなー(涙)。
しかし世界旅行者は、急いで日本へは帰らなかった。
なぜって、ロサンゼルスではユニバーサルスタジオへ行くだけではなくて、ジーンズを買う予定があったからだ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20081205#p3
(「世界旅行者・海外説教旅」006)