《世界旅行者先生の「みどくつ節」が大人気の理由》

「世界旅行者のみどりのくつしたさんですね!」と、声をかけられても、別に僕はびっくりしない。
なぜって、日本で最高の海外旅行者、それが世界旅行者である僕なんだからね。
中国人の帰省客だけではなくて、日本人海外旅行者も多い新鑑真号に乗って二日目の今まで、誰も気がつかなかった方が、ちょっと不思議なくらいだ。
また、ちらっと顔を見ただけで、僕が世界旅行者自身であるとわかるのも、当然なんだ。
だって、僕は、自分の本には、自分の写真を載せまくっているからね。
また、自分のホームページのURLも書いてあり、そのホームページには、世界旅行者先生様が世界各地にいる写真が、満載されているんだ。
そのホームページ「世界旅行者の部屋」のアクセス数は、1998年6月から2003年6月現在で約60万アクセスある。
ただの海外旅行のHPがこれだけのアクセス数を持続的に稼げるというのは、これは、信じられないくらいすごいことなんだよ。
だって、日本の個人のホームページなんて、一度は興味を持っても、二度とアクセスしたくないようなつまらないものがほとんどだ。
アクセスを稼いでいるのは、ヌード写真を無料で公開しているサイトくらいのものだよ(涙)。
しかも僕のサイトは、僕の写真以外は、すべて文章だけで成立している。
だから「世界旅行者の部屋」にアクセスする人たちは、世界旅行者の文章を読みたいんだよね。
で、その文章には特徴があって、それは、通のあいだで「みどくつ節」と呼ばれている。
何でそんな変な名前かというと、僕はパソコン通信、インターネットで以前「みどりのくつした」というハンドルネームを使っていたからなんだ。
現在は、「世界旅行者」とわかりやすくしている。
昔から知っている人たちは「みどりのくつした」「みどくつ」と呼んでいる。
これは日本のインターネットをちょっと長くやっている人たちには常識になっている。
さて、その大人気の「みどくつ節」だが、それは、人生論、セックス論、旅行論の「三位一体理論」で成立している。
読むだけで、人生もセックスも旅行も一度にまとめてすっきりと理解できると大評判なんだ。
ただ、世界旅行者の文章は、ある程度頭がよくないと理解できない。
この頭のよさというのは、ただ暗記力がいいとか、決まりきったことを言えるとかいう能力ではない。
そんな能力は、過去の日本以外では、何の役にも立たないからね。
また、みどくつ節には、特徴のあるリズムがある。
そのリズムについてくるためには、自分で物事を考えられる、独創性が必要なんだ。
独創性というものが、日本人に一番欠けている物だから、みどくつ節は一般の日本人にはなかなか理解できない。
でも、日本人でも特に知的エリート層、海外滞在経験者には、身にしみて理解できるというくらい、国際的な感覚なんだよ。
だから、「世界旅行者の部屋」のファンは、高級官僚、医者、弁護士、一流大学生、一流大学院生、海外留学中のエリートが多い。
また、金持ちの人妻、純真な女子高生、芸能人、アイドル歌手、銀座ホステスさん、また本当に海外旅行経験のある人たち、なども多いよ。
逆に言うと、「世界旅行者の部屋」を読んで、内容についてこれず、嫌な感じがした人もわかる。
彼らは頭がよくなくて、貧相な、固定観念にとらわれた、ショーもないありふれた日本人ってことだよね。
それって、哀しいね…。
という考えが、「世界旅行者さんですね!」と言われた瞬間に、頭をさっとよぎった。
僕は「ええ、僕が世界旅行者先生様ですけど」と、隠さずに答える。
日本人旅行者5人をまとめていた、いかにも頭のよさそうな男性は、「世界旅行者さんの本を読みましたよ。すごい本ですねー。お会いできて光栄です」と、挨拶する。
この男性は、続けて、驚くべき告白を始めた。
「実は僕は、アジア横断をしようと考えていたのですが、イランのビザを取るのが難しいと悩んでいたんです。ところが、インターネットの掲示板でみどりのくつしたさんが、イランビザは取れると書いていらっしゃったので、そのとおりイラン大使館へ行ったら、簡単に取れてしまいました。ですから、今回僕がイランを通って、アジア横断をするのは、世界旅行者さんのおかげですっ!」とのこと。
また彼は、「世界旅行者さんの「間違いだらけの海外個人旅行」「これが正しい海外個人旅行」も買いましたが、海外旅行についてだけではなくて、本当にいろいろと役に立ちました」と、涙を流さんばかりに心情を告白した。
すると、同じテーブルに座っていた、これもまたかなり頭のよさそうな女の子が、涙目で言った。
「本当にみどくつさんなんですか?私も、本を買いましたよ」と、うれしそうに言う。
彼女は、友達に面白いと勧められて、「間違いだらけの海外個人旅行」を買った。
僕の本の影響で海外旅行に興味を持ち、今回初めての海外旅行に出たそうだ。
うーん、僕の本の影響で、1人はアジア横断に出ていて、1人は初めての海外旅行に出ている。
これだけ名前が売れていると、世界旅行者の責任は重いんだね。
でも、この2人は僕の最新作「大人の海外個人旅行」を知らないみたいだね。
いったいなぜ、「大人の海外個人旅行」を知らないんだろう。
そこには、驚くべき、真相があったのだ!
(「世界旅行者・海外説教旅」23)