《世界旅行者が神に導かれているという証明》

テーブルにいた女の子の1人が、僕が何も言わないのに、僕がチベットに行ったことがわかった。
それはなぜなんだろう。
それを不思議に思うことはないんだよ。
実は、世界旅行者は、神に導かれていて、海外旅行に出る人の中で、本当に旅行の真実を求める人、そういう人にはお告げを伝えるような役割を与えられているんだから。
この「お告げ」のことを、この旅行記では、わかりやすく、敢えて「説経」と呼んでいるわけだけれどもね。
この文章は、既成宗教の、旧約聖書、新約聖書、コーラン、のような役割を果たしている。
あだやおろそかに、クッキーなんかをかじって、鼻くそほじりながら読んでいたら、天罰があたるよ!
僕がチベットに行ったことは、もちろんチベットに行きたい人にはそれとわかる。
チベットのセラ寺で、そう告げられていたから。
僕は、ラサで定番のポタラ宮殿、デプン寺、ジョカン寺、で祈ったあと、ゴルムドへとっととバスで抜けようとした。
すると、いろいろ問題が起きて、動きが取れない。
そこでふとひらめいて、1人でローカルバスに乗って、セラ寺へ行ったことがあった。
セラ寺の入口横で買ったバターをスプーンで、セラ寺数多くの仏像の前の灯明に継ぎ足して、祈り続けていたとき、その声が聞こえた。
「世界旅行者よ、やっと来たな。ゴルムドへのバスの切符が取れなかったのは、お前をここに呼ぶためだった。世界中のすべての寺院で、モスクで、神殿で、遺跡で祈り続けてきた世界旅行者が、ここに来てくれないのではワシも恥ずかしいからなー」
このように、腹に響く声が暗闇の中に轟いたものだ。
神様も仏様も、世界旅行者のように、世界中で祈り続けた本物が、自分のところだけに来ないとなると、ヤキモチを焼いてしまうようだよ。
セラ寺の中で一番大きい仏像が、恥ずかしそうに、しかし威厳を持って僕に告げたのだ。
「せっかくゴルムドへ行く予定を曲げてまで、セラ寺へ来てくれたのだから、お前に特別な能力を与えよう。
旅行者で、チベットに興味がある旅行者には、お前がチベットへ来たということが、すぐにわかるように、印をつけてあげよう。
旅行者に、親切にチベットへの行き方を教えてあげなさい」ってね。
だから、チベットへ行きたいと思っている旅行者がいたら、僕がチベットへ行ったことがすぐにわかるような、そのような印が僕の額に見え、また、そのようなオーラが僕から発せられているはずなんだよ。
しかし僕自身は、どのようにして僕がチベットへ行ったことがわかるのか、それは知らなかったので、この女の子に聞いてみた。
「そのとおりです、世界旅行者である僕は、確かにチベットへ行きました。そのことをあなたは、どうやってわかったのですか、やはり神のお告げですか?」ってね。
すると彼女は答えた。
「だって、世界旅行者さんの本「大人の海外個人旅行」の帯に、世界旅行者さんがチベットのポタラ宮前に立ってらっしゃる写真がありますから」だってさ。
うーん、僕の額にあるはずの見えない印でもなく、僕の身体から発するオーラでもなかった。
「大人の海外個人旅行」の帯の、ポタラ宮前の写真で、彼女は僕のチベット行きがわかったのか…。
しかし、本というものも、それはそのまま自分の思想の表現だし、自分の分身だともいえるわけだ。
すると、セラ寺の仏像が僕に告げた言葉は、正しかったわけだね。
このことからも、世界旅行者が、世界中の神様仏様から、認められ、守られ、導かれていることが証明されたわけだ。
そこで、僕は思った。
「この女の子がチベットへ行きたいなら、その説明をしてあげよう。しかし、僕の今までの旅行経験では、必ずかわいい女の子が、僕の行きたいところへ行くはずなのだが…」ってね。
確かに、1999年にチベットへ行ったときは美人女子大生さんと二人だった。
2000年にラオスへ行ったときも、機内で隣同士だった美人女子大生さんたちとカオサンで再会した。
2001年に西アフリカへ行ったときも、美人女子大生さんと一緒にホテルへチェックインしたものだ。
すると、2002年の今回の旅でも、当然、美人女子大生さんと知り合うのが当然の話だね。
僕も今までの本では、日本女性が海外でセックスしているという話を、一般論として書いてはいたが、自分の体験としては書いていなかった。
でもそろそろ、海外旅行に出た世界旅行者が、美人女子大生とセックスをする描写が必要かもしれない。
そうすれば、本も売れるだろうさ。
ま、その本は旅行本ではなくて、フランス書院の「美人女子大生と世界旅行者の愛欲淫乱旅行」というタイトルになるだろうけどね。
でもそんなにうまく行くはずがないよ。
旅行記というものは、ウソを書いてはいけないんだから(話をちょっと大げさにするにしてもね)。
そこにもう1人の、キャミソールを着た、肌がつやつやの、いかにもセックス好きそうな女の子が言った。
「私は、上海からベトナムへ行くんですけど、どう行ったらいいかわかりますか?」
おいおい、僕は上海から雲南省経由でベトナムへ入るつもりなんだよ。
ということがこの女の子が、今度の旅で僕と一緒に行動する「外見純子」さんなのかしらん♪
ほらね、世界旅行者の旅には、オイシイことがたくさん起きるでしょ?
しかもこれは、本当の話なんだからさ(笑)。
(「世界旅行者・海外説教旅」025)