上海〜バンコク旅行記060:サパで日本民族を旅行哲学して「部屋幸彦」であることを論ずる。

【サパの通り/世界旅行者はモン族の人から無視された】
到着した日に、ハノイへの切符を予約したあと、日本人2人と別れて、1人でうろうろしていた。
といっても、サパの中心街は、非常に狭いんだけどね。

僕がいたときに目立ったのが、同じ民族衣装を着たモン族の女性たちだった。
白人観光客に何か話しかけている。

日本人は相手にしてくれなかったので、何を話しているのかさっぱり見当がつかないけどね。
欧米人旅行者は、サパから少数民族の村へトレッキングをするのがメインのようだ。

日本人にも山歩きをする人がいる。
ところで、山道を汗をかいて歩き回って、何が楽しいだろうか??

そんな無駄なことにエネルギーを使うのは、地球に優しくないのではないか?
第一山を歩くだけで、自然破壊になる。

特に、山歩きでは、トイレの問題が大変なんだよ。
人気のあるトレッキングコースでは、両側に登山者のウンコが山盛りになっているという。

山道では、ウンコの臭いをたどっていけば、道に迷わないそうだ。
だから、本当に自然のことを考えるならば、登山する時には携帯用トイレを背負っていくべきだろうね。

自然に入るときは、そこにゴミも糞尿も残さず持って帰る覚悟が必要だろう。
それが僕の立派な考えだ。

旅行哲学によると、この世の中には4種類の人がいる。
一つは山が好きな人たち。

山が好きな人たちを、学術用語で山幸彦(やまさちひこ)と呼ぶ。
これは、大陸系の海を見たことのない人たちが多い。

山登りが好きで、歩くのが苦にならず、野宿も大好きだ。
欧米系の旅行者は、すぐにキャンプ場に寝たり、ドミで泊まることをメインに考える。

雑魚寝しても、野原で寝てもちっとも苦にならない。
これは日本人としては不自然だ。

昔の登山ブームというものは、欧米から輸入されたわけだが、日本には定着しなかった。
日本人は、苦労して山に登ることが本質的には嫌いだからだ。

日本人の中にも、海外で登山をしたり、トレッキングをしたりする人がいる。
でもほとんどは中高年だ。

それは、彼らが若かった時代は登山がブームで、格好いいことだったから。
その想い出を追いかけているだけなんだ。

今の日本人の若者は、わざわざ山に登ろうなんて、そんな疲れることはしない。
つまり、登山も、トレッキングも、山岳スキーも、日本人には関係ないわけだ。

【サパの通りをちょっと歩くと山が見えるが、ここを歩くと考えただけでゾッとするね】
サパの通りをちょっと進むと、ホテルの建物が途切れて山と谷が見える。
僕はこの景色を見て、「あー、こんな山の中を歩いて、山岳民族を訪ねるなんて、考えただけでウンザリするなー」と思った。

僕は山を見て、きれいだなーとは思うことはあっても、登ろうなどという大それたことは一度も考えたことがない。
ネパールで山を見たときも、クンジュラブ峠を越えてフンザに入ったときも、ヨーロッパアルプスを眺めた時も変わらない。

だから僕は山幸彦ではない。
山幸彦の他にはもちろん、海幸彦(うみさちひこ)がいるよね。

海幸彦は海が好きな人たちだ。
僕は山は嫌いだが、だからといって海が好きなわけではない。

確かに世界中の海で泳いできた。
ダイビングライセンスも持っている。

でも、例えばお金があったとしてもヨットに乗ろうとは思わない。
まあ正直、日本人でヨットが本当に好きだという人はいないと思うよ。

日本人でヨットを所有している人たちは、ただ見栄を張るために持っているだけだ。
若い金持ちでヨットに乗る人はほとんどいないだろう。

日本でヨットに乗っている人たちもやはり中高年、老人ばかりだ。
この理由も簡単で、彼らは若いころに日活の青春映画で石原裕次郎がヨットに乗っている映画を見て、憧れたからだよ。

ヨットで世界一周をしているのも、老人ばかりだ。
太平洋一人ぼっちをした人は、いまでも一人ぼっちでヨットに乗り続けている。

若者でヨットに乗って冒険したという話は聞いたことがない。
つまり、日本人は海に親しむ海幸彦でもないわけだね。

日本人のポリネシア起源説などもあるが、それは違うだろう。
ポリネシアの民は、インドネシアから北へ行かずに西へ、インド洋を渡ってマダガスカルへ行っちゃったらしい。

日本人が海洋民族ならば、江戸時代に鎖国や大型船の建造禁止政策を取るはずもなかった。
倭寇というものも実際は、中国人だったわけだからね。

海幸彦の典型はバイキングだよ。
バイキングは、イギリスにも侵入したし、モスクワも作った。

地中海にも行ったし、コロンブス以前にアメリカ大陸を発見していた。
まあ、これが本当の海の民族だ。

つまり日本人は、山幸彦でも海幸彦でもないんだね。
思い起こせば、熱気球に乗って行方不明になった冒険家もかなり年配の人だった。

米国には、自家用飛行機を持って、空を飛ぶのが大好きな個人も多い。
でも日本人では聞いたことがないね。

つまり、空が大好きな空幸彦(そらさちひこ)でもない。
ヨットに乗ったり気球で飛んだり、エベレストに登ったりしているのは、年寄りばかり。

では日本の若者は何をしているかというと、部屋に閉じこもっている。
メディアに影響されて、海外旅行に出るときも、考えることは、ひたすら予約予約だ。

旅に出ても、できるだけ変わったことが起きないように手配することで一生懸命だ。
それならわざわざ金をかけて海外旅行に出ないで、自分の部屋で観光ビデオを見ていたほうがいいよ。

これでもわかるように、日本人はもともと「ヒキコモリ」なんだよ。
これを僕は、「部屋幸彦(へやさちひこ)」と呼ぶことにしたい。

世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、こういうふうに旅行哲学をした。
部屋幸彦、つまりヒキコモリは、旅に出てもそこで何か新しい経験をすることを考えず、興味深い人と出会うことも考えず、ただ引きこもりたいだけ。

だから、部屋幸彦のために、世界中には日本人宿というものがあって、そこには、ヒキコモリの旅行者諸君が集まっている。
彼らは、日本人宿のマンガを読みふけって、話しかけられることも拒絶している。

僕自身、フエのビンジュアンホテル、シェムリアップのタケオなんかで見たんだけどね。
他に人がいるのに、ひたすらマンガを読んでるんだよ。

僕にちょっとわからないのが、彼らは1人でマンガを読まずに、みんなのいるところで、マンガを読でいる。
他の人のいるところでマンガを読むってことは、やはり人と話したいのかな。

僕がズバリと切れば、彼らはただ、友達が欲しいだけなんだと思う。
ただ友達を作る努力もせず、自分に人をひきつけるだけの魅力も持てない。

いつか、マンガに出てくるような友情が何の努力もせずに、やってくると思っている。
そこで、日本人の集まるマンガ部屋で、ただ待ち続けている。

そんな人間に、他の人が魅力を感じることはないんだけどね(涙)。
僕ほどの魅力的な人間になると、黙っていても、女性からお付き合いして欲しいと申し込みが殺到する。

また、出版社からは「ベストセラーをお願いします」と出版依頼が殺到する。
そのはずなんだけどねー(涙)。

実は、現実の世界では、僕はすでに大作家になっている。
ただ、この文章を書いている、現実に酷似した異常なパラレルワールドでは、僕はメジャーになってないんだ。

でも、本当に本当の現実世界では、僕はチョー有名人なので、パラレルワールドの皆さん、少しは尊敬するようにね。
ま、僕は向こうの現実世界と、この異常なパラレルワールドを自由に行き来してるので、よくわかってるんだよ。

そうそう、日本人は「部屋幸彦」、つまりヒキコモリだって話だったね。
でも恥ずかしがることはないよ。

安心していいんだよ。
キミだけじゃない、日本人はみんなヒキコモリなんだから。

日本政府自体が、広い世界から日本列島の中に引きこもっている。
日本民族も、実は、大陸で争うのに疲れたり、シベリアの寒さに我慢できなくて、または、広い太平洋が感覚に合わなくて、日本列島に入って引きこもった人たちから構成されている。

ヒキコモリはヒキコモリの生き方をすればいい。
決して恥ずかしいことではない。

ロス疑惑の三浦和義も、日本に引きこもっていれば問題なかったんだよ。
変にサイパンなんかへ出たから、逮捕されてしまったわけだ。

日本以外の世界の正常な感覚では、三浦和義は当然殺人事件で有罪になっていたはずだ。
ところが、日本では裁判官も引きこもっていたから、世界的に当然の有罪判決が下せなかった。

メディアも世界から全く相手にされていないヒキコモリなので、三浦和義を持ち上げたりしている。
誰が考えても異常だが、ヒキコモリは海外の正常な感覚を遮断している。

日本のメディアだけに通じる、わけのわからない、内輪だけの考え方でぐるぐる回っている。
世界の感覚(海外の資本)を日本のメディアに入れることも拒絶している。

世界中を個人旅行してきた世界旅行者には、日本の異常さがよくわかっている。
そして、日本が世界から取り残されて、見捨てられていくことも、知ってるんだよなー。

というわけで、わけがわからなくなってきたと思うのでまとめておきますね。
日本人というのは、登山やスキーやトレッキングが好きな山幸彦ではない。

海が大好きで、ヨットに乗って海に乗り出す性格の海幸彦でもない。
空を飛ぶのが大好きな空幸彦でもない。

日本人は全員、部屋幸彦(ヒキコモリ)なんだよ。
だから、いま引きこもっているひとも、悩むことはない。

悩む意味がない。
ヒキコモリを自分で受け入れればいいだけなんだよ。

【旅行哲学】日本人はみんなヒキコモリ。だからヒキコモリでいいんだよ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080301