上海〜バンコク旅行記(2002)より、第67話《ベトナムでもドルのトラベラーズチェックとドルの現金で旅するのがいい》

【ベトコン(VIETCOM)銀行@ハノイ】
(この両替レートは、2002年8月6日現在の情報です)
ホンゴックホテルでシャワーを浴びて、昼過ぎにまたハノイの町へと出た。
明日、世界遺産のハロン湾を日帰りで見る。

そのまま、ハノイからフエへ夜行寝台列車で移動するつもりだ。
その列車の切符を予約しなければならない。

これはハロン湾ツアーを予約した旅行代理店「Love Planet」で申し込むつもり。
でもその前に、両替をしておきたい。

ところで、普通は両替というと、もちろん現地通貨を入手するわけだ。
タイならば、まずとにかく空港の両替所でタイバーツを入手しなければ動きが取れない。

ところがベトナムやカンボジアでは、ドルの現金がそのまま通用している。
ドルの現金で支払って、おつりが現地通貨でくるというのが普通だ。

だから、旅行経験の少ない人たちは「ベトナムやカンボジアはドルの現金が一番だから、僕は全部ドルの現金で持って行きます」などと、馬鹿なことをネットでアドバイスしている(涙)。
こういうことが書いてあったら、書いた人はほとんど旅行を知らないのがミエミエで、読むと害になります。

旅行に必要なお金を全部現金で持っていって、金を盗られたら、それでオシマイだ。
海外旅行中に金がなくなったら、大変な問題になる。
だいたい、世界中の日本人宿に固まっている日本人旅行者、これは結構危ない連中が多いよ(笑)。
特にドミ(相部屋)なんかに泊まっている金のない日本人旅行者は、まだ旅の危険を知らない旅行初心者から金を盗んだりするのが常識だ。
しかし、トラベラーズチェックなんか、盗んでも使い道がない。
だから、盗むにしても現金だけで、トラベラーズチェックを残しておくのが普通だ。
そっちの方が、騒ぎが大きくならないからね。
現金を取られてもトラベラーズチェックが残っていれば、盗難にあった旅行者も騒がないものだ。
だって、現金を全部取られても大丈夫なように、トラベラーズチェックを持ってきてるのだから。
これが全財産の現金を全部取られたら、バックパッカー宿中の大騒ぎになって、全員が警察から身体検査をされる可能性もあるからね。
だから、世の中にはトラベラーズチェックというものがあって、欧米人もみんなが使っている。
これは、カオサン通りの両替所を見ればすぐわかる。
欧米人旅行者諸君が、トラベラーズチェックを持って両替窓口に列を作っている。
だいたい、トラベラーズチェックは安全な上に、両替レートもいい。

「トラベラーズチェックが使いにくい」などと寝言を言っているのは、間違いなく、旅行ド素人さんですから、注意してください。
彼らは、おそらく英語がしゃべれないんだ。

英語がしゃべれないと、英語をしゃべる状況からとにかく逃げたくなるもの。
現地で(英語で)ちょっと聞けばたくさん情報が手に入るのに、わざわざネットカフェから日本の海外旅行掲示板に質問を書いたりしている。

現地にいるのに、現地で聞かないで、日本語の掲示板にアドバイスを求めるなんて、恥ずかしくないかな?
彼はもちろん、銀行や両替所の窓口で話をしながら両替することに恐怖を抱いている。

正直、素人旅行者の勘違いしたアドバイスくらい有害なものはない。
ところが素人旅行者というのは、ちょっと旅行をしただけで思い上がっている。

だから、自分が素人だと気がつかないんだよ。
世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、そういう素人諸君を次々と潰していったので、素人の集まるインターネットでは評判が悪いらしい。

でも、素人に評判が悪いということは、本物だって事なんだ。
ちょっと東南アジアを旅行したくらいで、世界百カ国以上を本当に個人旅行した世界旅行者と、対等に話ができると考える方がおかしいんだから(笑)。

海外個人旅行にはトラベラーズチェックがいいというのは、「海外旅行の永遠の真実」だ。
だからもちろん、僕はドルのトラベラーズチェックを持って、ベトナムへ来ている。

そのドルのトラベラーズチェックをドルの現金に替える、これがベトナムでの両替なんだね。
町を歩いていて、ベトコン(VIETCOM)銀行を見つける。

その隣に両替所があった。
入っていって、両替する。

ここでは、100ドルのトラベラーズチェックが「97ドルのキャッシュと1万2千ドン」に替わった。
つまり、100ドルのトラベラーズチェックが98ドル弱の現金になった。

この時期、ベトナムでは1ドルを1万5千ドンとして使っていた。
だから、厳密に言えば、100ドルのトラベラーズチェックは、97.8ドルに変わったと言ってもいい。

カンボジアの銀行でも、100ドルのトラベラーズチェックは銀行で98ドルの現金になる。
それでは少し現金の方がいいかというと、そうでもない。

日本でドルを買うときに、トラベラーズチェックの方が安いんだ。
銀行によっては、トラベラーズチェックの発行手数料を無料にするところもある。

それを考え合わせると、ベトナムへドルのトラベラーズチェックを持っていっても、現金を持っていっても、ほとんど同じだ。
しかも、トラベラーズチェックの方が安全なのだから、トラベラーズチェックにする方が賢い。

さらに、タイやインドではもちろんトラベラーズチェックの方が、現地通貨にするときの両替率がいい。
わざわざ「ベトナムやカンボジアではドルの現金がいいです」というのは間違っているわけだね。

「世界中どこでもドルのトラベラーズチェックとドルの現金がいい」というのが真実なんだよ。
そして、手数料の安いところを探して、ドルのトラベラーズチェックをドルの現金に替えていく。

これが全世界に通じる個人旅行者の常識なんだよなー。
まあ、全世界を旅していないと、僕が何を言ってるか、さっぱりわからないだろうけどね。

しかしこれだけで、ベトナムの両替話がオワリならば、普通のレベルの旅行者だ。
世界旅行者はさらに、常識を覆す。

それは、「ベトナムはドンにするよりもドルがいいです。ドルはそのまま使えます」という常識だ。
この時期、1ドルは1万5千ドンとして使えた。

だから「わざわざ現地通貨のドンに替えなくてもいい」というのが素人旅行者諸君の常識だ。
でもね、本当に1ドルが1万5千ドンなのか、それを自分で確かめるのが、この僕なんだよ。

そのためには、銀行へ行ってきっちりと調べた方がいい。
そこで世界旅行者は「ベトコンバンク」の窓口へ行った。

そこで、20ドル札を両替してみた。
すると、20ドルは30万5千6百ドンに替わった。

つまり、銀行でドルを両替すると、1ドルは1万5千2百8十ドンなんだ。
ただこれは、20ドル札だったから。

高額紙幣の50ドル札、100ドル札の場合は、1ドルを1万5千3百ドンになる。
つまり、100ドル札をドンに両替したら、153万ドンとなる。

3万ドンオトクだ。
ところで、逆に考えると、3万ドンとは2ドルのこと。

これは、100ドルを100ドルで使わずに、ドンにして支払った方が2ドル分得するってことね。
ここでも、旅行初心者の思い込み、通説が見事に裏切られているのがわかる。

僕のように、実際に自分で確認したものでなければ、両替については何も言えないんだよ。
いくらインターネットをチェックして、素人旅行者の「情報」なんか調べても意味はないんだね(笑)。

あれれ、ドルのトラベラーズチェックをドルキャッシュに替える話。
ドルキャッシュをベトナムドンに替える話、で今日は終わってしまいました。

明日は、「ハノイの靴磨き」という恐ろしい話を書くのでお楽しみにね。
いやはや、世界旅行者は本当にネタを山ほど持ってるなー(笑)。

【旅行哲学】素人旅行者の言うことは間違いだらけ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080313