「上海〜バンコク旅行記(2002)」第73話 《ハノイからフエへの移動は鉄道がオススメ。ホテルのチェックアウトについて旅行哲学する》

【レーニン公園のレーニン像@ハノイ/ベトナム】
正直僕はベトナムに対して、それほどの興味はないし、特に好きでもない。
僕の第三弾「大人の海外個人旅行」にも、はっきりと書いてある。
『定番海外個人旅行ルート紹介』『誰でも簡単に旅できる、楽なアジア旅行』

ベトナムへ旅する人が多いのは、日本の女性雑誌がよってたかってベトナムを取り上げて、持ち上げているだけで、別に、ベトナムには見るところはありません。
ベトナムには、「人をだます」、「値段を吹っかける」、という評判しかありません。
僕は中国から陸路国境を越えて、ラオカイへ入った。
サパへ行き、またラオカイからハノイへ来て、ハノイからハロン湾への日帰りツアーに参加した。

そのあちこちで、この旅行記に書いてないことを含めて、ボッタクリに出合っている。
とにかく、「ベトナム人のボッタクリは、海外個人旅行者の間では有名」なんだよ。

「上海〜バンコク旅行(2002)」の目的は、船で上海へ入り、雲南省を見て、ベトナム、カンボジア、タイ、と移動すること。
この旅行を僕がやる理由は、「日本人旅行者諸君に、本格的な海外旅行を提案」したかったからなんだ。

海外旅行といっても、常に飛行機を使っては本格的ではない。
日本を出るとき、または戻る時の、少なくとも一方は船も使わなきゃね。

もちろん、陸路国境越えが、海外旅行の基本。
現在一番日本人旅行者が体験することが多い陸路国境越えとは、タイからカンボジアへの「アランヤプラテート〜ポイペト」国境だ。

また、カンボジアとベトナムの間のモクバイ国境も興味深い。
そこで、ちょっと頭の回る若者は、バンコクとサイゴン(ホーチミンシティ)やハノイのオープンジョーの切符を使っているようだ。

そうやって、2つの国境を陸路で越えていこうというわけだ。
こう考えられるのは、なかなか賢い人だね。

もっと頭の回る世界旅行者になると、さらに深く、大胆に考える。
いっそのこと日本から中国へ船で行って、陸路で次々と国境を越えてバンコクへ行き、バンコクで日本への切符を買って戻ってくればいい。

これが僕の2002年の「上海〜バンコク旅行記」の理由なんだよ。
僕はそれ以前に、中国も、ベトナムも、カンボジアも、タイも旅行している。

僕は「本当に世界百カ国以上を個人旅行」している。
でも百カ国を超えたら、別に増やすつもりはない。

中途半端な旅行国数自慢の旅行者ならば、日本からすべて手配して、短期でも飛行機で往復して、無理に旅行した国の数を増やす。
そんなことをしても、まともな人間は誰も評価しないよ(笑)。

世界旅行者なんかになると、「日本の惨めな海外旅行シーンをどうやって向上させられるか」を、朝昼晩、食前食後、就寝前寝起きと、トイレの前後と、常に考え続けている。
あまりに考えすぎて、トイレから出ても手を洗うのさえ忘れてしまうくらいだ。

僕は自分のために旅をしているのではない。
日本人、日本人旅行者、さらには日本社会のために、旅をしている。

自分の旅行体験を発表することで、新しい大胆な考え方を提示している。
それによって、日本人旅行者を向上させ、さらには日本人そのもののレベルを上げ、日本そのものを変革しようと考えているんだよ。

だから、日本政府は僕に、当然、勲章を授与するべきだと考えている。
僕が日本の総理大臣になったら、ゼッタイに自分に勲章をあげるね。

そういうわけで、明け方は、自分が国民栄誉賞をもらうシーンを夢で見ていた。
悪夢で汗をびっしょりかいたせいか、いつもより遅く起きた。

「ESPENCEN HOTEL」の201号室のベッドで、目を覚まして考える。
今日は特にどうしてもしなければならない用事はない。

午後11時出発のE1列車に乗ればいいだけだ。
このE1列車はフエに午前10時15分に到着する予定。

つまり、11時間程度の列車の旅だ。
そのまま乗り続けていると、サイゴン(ホーチミンシティ)へは翌々日の午前5時到着。

ハノイからサイゴンまでは(もちろんその逆も)、列車で2泊して、合計30時間の旅。
でもこれは無意味だよ。

30時間も列車に乗り続けても、たいして景色は良くないだろう。
しかもベトナムは途中に観光地が散らばっている。

ハノイからサイゴンまで途中で降りて、観光して宿泊して、移動する。
この繰り返しが基本だ。

以前も書いたが、ベトナムには外国人観光客用のオープンバスが走っている。
バスは昼間移動で、ハノイ、フエ、ホイアン、ニャチャンという町をつないで走る。

ここで問題になるのが、ハノイからフエが距離があること。
シンカフェでもらったパンフレットを見ると、ハノイを午後7時に出たバスがフエに到着するのが午前11時。

つまり、16時間バスの中だ。
2002年のベトナムの状況だと、バスの中にトイレがあるとは考えられない。

16時間もトイレのないバスに乗って、狭いシートでよく眠れもしないまま過ごすなんて、これは中高年男性には拷問だ。
しかも、バスの料金は9ドルか10ドル。

僕が乗るE1列車の寝台で21ドル。
ただしこの値段は、旅行代理店の手数料込みで、切符には16ドルちょっとの値段が書いてある。

旅行者というものは、ベトナムに来る航空券代なんかで、10万円近く使っていることも多い。
それならば、身体のためにもハノイからフエの移動は、寝台列車を勧めておきます。

次に考えることは、ホテルのチェックアウト時間。
バックパッカーの泊まるゲストハウスでは、チェックアウトは正午12時というのが普通だ。

もちろんそれを信じ込んでいると、思いがけない落とし穴に引っかかる。
読者はすでに知っているが、サパのホテルではチェックアウトが午前9時という詐欺みたいなところがあった(涙)。

だからバックパッカーは、ホテルにチェックインする時に、チェックアウトの時間を確認するのが常識だ。
このホテルでは、チェックアウトは12時だと確認してある。

しかし僕がハノイ駅で列車に乗るのは、午後11時だ。
昼にチェックアウトしたら、11時間も部屋無しですごさなければならない。

列車の出発が午後7時とか8時ならば、午後6時ごろにチェックアウトすればいい。
午後6時まで部屋を使う場合、一般的には、1泊分の部屋代の半額で使うことが出来るものだ。

これが世界の常識だから、それを交渉してみればいい。
ただ午後11時になるとちょっと違う。

午後6時に部屋を出て、バックパックをホテルに預けたとしても、5時間も時間を潰せるか?
まあ、映画館でもあれば何とか時間を潰せるかな?

それに、なんといっても、自分の部屋がある方がいい。
部屋でごろごろして本を読んだり、人を気にせずにトイレを使えるのはいいよ。

というわけで、僕は1泊分を払って、ホテルを取ることにした。
これで、まるまる今日一日が使えるわけだ。

それに、僕の泊まっている「ESPENCE HOTEL」の1泊は7ドル半だったしね。
これが最初に泊まった「ホンゴックホテル」の25ドルだと、悩んだだろうけれど…。

【旅行哲学】深夜出発の時は、1泊分払って部屋を確保した方がキモチイイかも。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080330#p3