『歩いてフォン川を渡り、フエの王宮を見たが、入場料が高い割りに、たいしたことはなかった』@フエ/ベトナム

【世界旅行者@フエの王宮にて(2002)】
2002年8月9日のお昼ごろ。
僕はフエの有名な日本人宿「ビンジュオンホテル」から外に出てみた。

昨夜はハノイからフエへ、夜行寝台列車で移動してきたのだから、(いくら寝台車でぐっすりと眠ったとしても)ちょっと疲れている。
でも、いくら歳をくっているとはいっても、真昼に寝ているわけにも行かない。

僕のこの2002年の旅は、「上海からバンコクへ、とっとと陸路移動する」というのがテーマだったからだ。
上海からバンコク程度なら、誰でも出来る簡単な旅行だ。

ところが、2002年の段階では、案外とこのルートが紹介されてなかった。
僕はアジアの旅行について、特にこだわりがあるわけではない。

ところが、日本人旅行者というのは、独創性が全くないので、誰かがやったルートでしか旅をしない。
そこで、僕は自分の身を犠牲にして、日本人旅行者に新しいルートを見せたかった。
だから、上海からバンコク、つまり、関西から(関西からの船で中国へ入るので)東南アジアへのルートを、僕が切り開いてあげたいと考えたわけだ。
とにかく、現在の日本の若者は、自分で全く考えることをしないからね。

さて、ビンジュオンホテルを飛び出して、右に細い道をたどって、大きな道に入る。
そこをさらに右へ曲がり、もっと大きな道フンブーン通り(D Hung Vuong)へと出る。

と、角に大きなシンカフェの看板を出した旅行代理店を見つけた。
入って話を聞くと、明日のホイアン行きのバスが予約できるとのこと。

【フォンブーン通りにあった旅行代理店】
ただ、すでに、サパでもハノイでも気がついていたのだが、ベトナムでは外国人旅行者の泊まる宿でバスの切符を手配できる。
それの方が、ピックアップしてもらうためにホテルで待つときも便利だ。
だって、ピックアップがなければ、ホテルの人に文句を言って、催促させることも出来るからね。
とにかく、海外個人旅行では、予約をしただけで安心してはいけない。
予約が実行されるかどうかが問題なんだから。
その点、自分の泊まっているホテルでバスを申し込んだ方が、確実に決まっている。
でも、次の目的地、ホイアンへのバスがあること、出発の朝申し込んでも乗れる(だろう)ということを聞いて安心する。
一応話だけ聞いておいて、とにかく、さらに歩き続ける。

海外個人旅行では、とにかく、歩き回って、いろんな人に聞きまくればいい。
それで、最新の、トレトレの新鮮な情報が、どっさり手に入るわけなんだからね(笑)。

フンブーン通りをずんずんと進むと、橋に出た。
これが、フォン川(Song Huong)にかかる「チェンティエン橋(Trang Tien Bridge)」だ。

フエは1802年から1945年まで、ベトナムの阮(グエン)朝の首都として、ベトナム文化の中心地だったところ。
その王宮はゼッタイに見なければならない。

ベトナム戦争を知っている世代の人間にとっては、フエというのはベトコンが1968年のテト攻勢で激しい戦闘をしたという記憶がある。
このときに、王宮はほとんど破壊されてしまったはずだ。

正直、そんな小難しいことは考えてはいなかったけどね。
天気もいいし、夜行寝台列車で身体が硬直したのをほぐすつもりで、「とにかく行くだけ行ってみよっか〜♪」と歩き出す。

フォン川をチェンティエン橋で渡り、川に沿ってのんびりと歩くと、戦車などが庭においてある軍事博物館にぶつかる。
ここは、特に重要でもないらしく、錆びた戦車や大砲があるだけなので、通り過ぎる。

そうして、フエの王宮へと到着。
ここがすごいのは、外国人の入場料が死ぬほど高いこと。

最初は向かって右側の、地元民用の入り口から入ろうとした(ここの入場料は安かった)。
が、左側にある別の入り口を教えられる。

そこへ行くと、外国人入場料はなんと55000ドンだと!(2002年の話です、いまはもっと高いかも(恐)!)
1ドルが15000ドンと考えると、約500円もする…。

「これはボッタクリだなー」と、入場するのを諦めようかと思った。
正直、外から見ただけで、内部の様子はほとんど想像が付いたからね。
が、2度とくるところではないし、一応世界遺産でもあるので、悔し涙を流しながら入場料を払った。
王宮の中に入り、王宮の門に上る。
そこに、若い日本人のカップルを見つけた。
彼らの年齢ではベトナムの歴史も、ベトナム戦争のことも、テト攻勢でフエの要人がベトコンに処刑されたことも、何も知らないだろうね。
でも、日本人ならば、写真の撮り方は知っている。
だから、話しかけて写真を取ってもらう(もちろん僕も、カップルの写真を取ってあげました)。
あとは、王宮の中を見て歩いたが、たいしたことはなくて、(ベトナムでの)500円の価値は全くなかった(涙)。
なにしろ、奥へ進んでいくと、そこは普通の人が、裏から入って、自転車で通っているんだよ。

【フエの王宮】
ということは、正門の方の入り口から入らなければ、横からでも、裏からでも、無料で入れるって事だけどね。
でもまあ、そこまで努力するほどのこともないしさ。

王宮を見てしまったので、あとは何もやることがないかも。
と、また歩いて、ホテルへ戻りました。

でもまあ、天気がよかったのはラッキーだったかな。
まだ見知らぬ町を、いい天気の中で、ふらふら歩くっていうのは、なかなか気持ちいいものだからね。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090428