カトマンドゥの日本大使館に行って、日本女性が入院していることをレポートする(大使館へ行くのも旅の楽しみ)@カトマンドゥ/ネパール
体調が悪くなった日本女性を、ポカラからカトマンドゥへ連れてきて、「カトマンドゥホスピタル」へ入院させた。
僕は、バックパッカーの多いタメル地区にある、有名な「カトマンドゥゲストハウス」へチェックイン。
このときの、2度目のカトマンドゥ滞在は、一回目とは違っていたね。
一回目はただ、ガイドブックに書いてあった定番名所を回るだけ、正直、特に面白いとも思わなかった。
ただ、ガイドブックにある観光名所を見て、ふーんと感心して、翌日はまた別のところを見る。
ツアーを一人でやっているようなもの。
でも、バスでポカラへ行って、日本人とも付き合い、外人とも普通にムダ話をして、だらーんと時間を潰す。
おそらくその時に、本格的な海外個人旅行者としてのスイッチが、カチッと入ったんだろうね。
だから、カトマンドゥ病院の美人女医さんとも、最初からファーストネームで、話をした。
僕が連れてきた女の子についても、ざっくばらんに、相談した。
その女の子のことを考えると、一応、日本大使館に相談するなり、報告するなりしておいた方がいいと思う。
僕は基本的に、インド旅行が目的で、ネパールに長居するつもりがない。
僕が最後まで、女の子の面倒を見れないことも考えられる。
今日、入院しただけなので、まだ回復までにどれだけの日数がかかるかもわからない。
何が起こるにしても、ちゃんとしたところに、報告しておいた方がいい。
それで、カトマンドゥゲストハウスから、タクシーで、日本大使館へと直行したわけだ。
日本大使館は、ちょっと郊外にあった気がするが、それほど遠くもない。
玄関のところで、日本人に会ったので、話しかけると、京大の霊長類研究所だそうだ。
何かネパールでやっているらしく、その挨拶に来たのだとか。
京大の霊長類研究所といえば、僕と関係がないわけでもない。
僕は京大卒だが、高校時代に読んでいたのが、「ブワナ・トシの歌」という本だった。
これは、霊長類研究所が、たしかタンザニアでプロジェクトをしていたとき、の話だったと思う。

この本を元にして、渥美清を主演にした映画が作られたが、映画は僕は見ていない。
でも高校時代に、この本は、何度も繰り返し読んだ。
まあ、それだけの話なんだけどね。
研究所の人とは、大使館の玄関付近で、普通の世間話をしただけだ。
正直、この時期、ネパール、北インドには、変に京大関係者が多かった。
別にこの時代、インドやネパール旅行が、流行していたとも思わないのだが。
この旅で、ネパールだったか、北インドだったか、若い女性の2人旅を見つけて、声をかけたら、京大だったということがある。
特に理由はなさそうだったが、もともと京大というのは、「ちょっと変わっている」とか「反権力」というのがウリだった。
それが本当かどうか、わからないけどね。
僕が権力から遠くて、それが居心地がいいというのは、これは本当です。
それはそれとして、僕より若い大使館員が出てきたので、事情を話して、何かあればよろしく的な話をした。
別に深刻なトラブルがあるわけでもないし、一応報告しておくということなので、用事はあっさり済む。
僕が気になったのは、その大使館員が使ってたペンが、ぺんてるの水性ボールペンで、僕が使っているものと一緒だったこと。
カトマンドゥを出るときはまた来ますから、と言って、話はオワリ。
日本大使館へ行くことは、確かに用事もあったわけだが、実は、日本大使館へ行くこと自体が、面白かった。
日本でも、ビザが必要な国へ行くときに、大使館へ行くのは、結構楽しみなものだ。
日本で外国の大使館へ行って、ビザを申請して、ビザを取るというのは、海外旅行の重要な部分なんだよ。
これが、最近のように、ネットでビザが取れてしまったりすると、旅の面白さがなくなる。
やはり、ビザは、自分で足を運んで、大使館の人と相談したり、お願いしたりして、やっと特別な許可をくれるようなこと。
これがないと、旅の話は語れない。
だから、僕は、海外で外国の大使館でも、日本大使館でも、とにかく行くことにしている。
日本大使館へ行けば、日本語の新聞雑誌ぐらいはおいてあって、暇つぶしができるからね。
というわけで、僕はカトマンドゥにしばらく滞在する理由ができた。
理由があるが、特にやることはない。
これが、実は、本当の海外旅行なんだよね。
いくらでものんびりできるからね。