2)LA経由で九州に里帰りすると

 

1996年に、東欧、アフリカ、キューバなどをメインに訪れる、僕の二回目の世界一周旅行を終えて、その帰りに、LAから東京への往復切符を買ってしまった。

これは、話としては面白いのだが、決してオトクな買い物ではない。
だって、東京からLAへの片道切符が残っていれば、人間というものは(というか、僕は)セコイ存在なので、切符を使わないで損をしたくないからと、必ずLAへ飛ぶことになる。

そこまではいい。
オトクかもしれない。
しかし、LAから日本へ、いつか帰ってこなければならないのだ。

ということは、また、LAから日本への往復航空券を購入することになる。
つまり、ちょっとズレがあるだけで、結局は、お金を使っていることには変わりないのだね。
麻薬のようなものだ。

これを断ち切るためには、LAから日本への片道切符を買えばいいだけ。
しかし、これが案外と高い。
LAから成田への片道切符は、安いもので350ドル程度するのだ。
(ここで、ちょっと違法らしいのだが、他人名義の切符を安く買って帰ってくるというオプションも考えられる。世界旅行者である僕には、もちろん、この経験もあるが、ここでは述べない。知りたかったら「間違いだらけの海外個人旅行」を読むこと)

ところが、日本からLAへの航空券は、現在、安い時期に安い航空会社を選べば、往復で4万円を切っている。
つまり、4万円近い金を払って、LAから東京への片道切符を買ってしまうと、トータルで考えて、たいして得したことにはならない。

ま、いろいろ考えると面倒なので、僕は考えないことにした。
意味のないことをああだこうだと考えるのは時間の無駄なので、わからないこと、結論の出そうに無い物は、最初から考えないのがいい。

そうして、だらだらと大韓航空での往復(LAでは大韓航空が一番安いので)を続けていた。
僕の場合は、LAに毎年通う理由があるし、アメリカの観光ビザもあるので、これを続けることは特に問題がなかったのだ。

 

1998年始めごろに、20年ぶりに、九州の実家に里帰りをしようと考えた。
ところが、東京からLAに行くよりも、九州へ帰る方が航空運賃が高い。
しかも、久しぶりに帰省すると、飛行機代のほかに、お土産代もかかる。
だからこそ、何十年間も、実家に帰るよりもLAへ飛ぶ方を選んでいたのだ。

しかし、不義理も20年も30年も続けることは出来ない。
たまには実家へ戻らなければならない。
そうしないと、家屋敷、山林、荘園、等々、莫大な財産がいつのまにか人手に渡る恐れもあるのだから。

ここで僕が考えたのが、LA経由で九州に里帰りするという大胆な計画だった。

東京〜九州の航空運賃は高い(羽田〜福岡で片道2万7千円程度)が、LAから九州へ飛べば、少なくとも、この片道分は安くなるはずだ。
そこで、LAで調べて、「LA〜ソウル〜福岡」と「成田〜LA」を組み合わせた、オープンジョーの往復切符を600ドル程度で入手して、無事に里帰りを済ませた。

こういう風に、頭を使って切符を買うと、自然と「そうそう、あのスカイパスはどうなっているのだろう?」という疑問も湧くよね。
そこで、帰国後、東京のスカイパスオフィスに問い合わせしてみて、やっとマイレージの登録方法が分かった。

マイレージのカードをチェックイン時に提示すれば、その場でマイレージが加算されるらしい。
なーんだ、簡単だったんだね。
恐がることはなかったんだよ。

しかも、、登録しそこなったマイレージも、一年以内なら、ボーディングパスの半券をオフィスに送れば、登録してくれる(注)
また、わざわざ送らなくても、(一年以内なら)チェックイン時に、過去のマイレージを登録することも出来る。

ここではじめて、僕はマイレージを考え始めた。
調べてみると、スカイパスのマイレージは無期限に有効とのこと。
すると、何か使えるかもしれない。

エコノミークラスで大韓航空に乗ると、LA〜成田のマイルが片道で「5451」マイルもらえる。
このLA〜成田の往復航空券をマイレージで入手するためには、「55000」マイル必要とのこと。
ということは、6回往復しなければ、往復航空券はもらえない。
毎年通っても、6年間か。
行かない年もあるだろうから、約十年。

僕も歳を取ってきたので、10年後に生きているという可能性は少なく、また、大韓航空が存在しているかどうかも不確かだ。
さらには、朝鮮半島でも、北朝鮮が南進して、武力統一を達成するかもしれない。
そのとき、スカイパスのマイレージが、北朝鮮の高麗航空のマイレージプログラムに統合されるかどうかも心配だね。

これだけ不確定要素があれば、中途半端にマイレージなんか考えないで、その時々の安い航空会社を自由に使った方がいい。

しかし、僕はものすごく頭がいいので、一度考え始めると、止まらない。

片道航空券ならば、その半分でもらえるのではないか?
つまり、「27500」マイル。
これは、片道を5回飛ぶと(5451×5=27255マイル)、245マイル足りないから、6回(3回往復で)飛ばなくてはならない。

ところが、僕が20年ぶりに里帰りしたマイルが効いてきた。
僕は、ソウル経由で福岡へ帰ったので、この時「500」マイル余分にゲットしていたのだ。
親孝行はするものだね。

この500マイルがあるので、僕は2000年の1月11日までに、手許にある成田〜LAの切符を使えば、獲得マイル数が、27755マイルとなる。
27500マイルで片道切符がもらえる。
余分なのは、たったの255マイル!
つまり、ぎりぎりのマイルで、LAから成田へ戻ってこれるのだ。

LAで片道の無料航空券をゲットして成田へ戻ってくることで、LA〜成田を永久に往復する「悪魔の連鎖」を断ち切ることが出来るのだ。

これが可能だということは、東京でスカイパスオフィスに問い合わせして確認した。

何の問題もない。
そのはずだ。

しかし、世界旅行者が何か行動を起こす時、変わった話、面白い話、とんでもない出来事が生じないことはない。
不思議なことに、僕がなにか行動するときは、必ず話のネタが出来るのだ。

ま、だからこそ、僕は、ベストセラーを書くことが出来るんだよね。

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i went back to kyushu island via la,
which must have enabled me to get one way free ticket
but the worldtraveller always encounters something special
that commoners would never have experienced

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