《LAでバイブを買う2000》(december, 1999)

 

僕が毎年LAに来るのは、単に日本の年末年始のテレビ番組がつまらない、ということだけではない(ま、それも大きな理由だが)。

1996年の二回目の世界一周のときに、パリからLAへ片道切符で飛んできて、LAから東京へ戻るのに、LA発成田往復の切符を買ったのが、最近この時期にいつもLAにいる原因だ。

LAでは、大韓航空の航空券が普通、一番安い。
2000年1月の料金を例に取ると、LAから成田の一年オープンが、税金込みで440ドル、片道が371ドル(HIS小東京支店による)だ。
これだけの違いなら、帰るだけでよくても、値段に差がないので、ついつい往復切符を買ってしまう。

往復切符を買って、日本のピーク時期に帰りの便を予約すれば、チョー安く旅行できる。
ただ、僕には、混雑するピーク時にわざわざ旅行するつもりがない。
だから、ゴールデンウィークや年末ぎりぎりなどに、面白がって予約を入れたことはあるが、使ったことはない。

この切符があるので、僕はいつでも、電話一本で予約をして、LAに飛ぶことが出来る。
僕にはB−1,B−2という観光及び短期商用ビザがあるので、片道切符で入国が出来るんだ。
(ビザがない人もこの手を使うことができるが、そのテクニックは別の機会に書きたい。今発表するともったいないからね)

今回は、12月半ばに予約を入れたが、25日に席があったので、通路側の席を指定して、飛んできたってわけだ。

 

LAに来るのは、日本のお馬鹿なテレビや雑誌から逃れるということもあるのだが、もっと実用的な意味もある。
僕は日常に必要な衣類や靴、などを一年分すべてLAで揃えるのだ。

だから、LAに着いて、その夜の歓迎パーティ翌日には、二日酔いと時差ぼけでボーッとしたままの頭を抱えて、BMWを友人に運転させて、街に乗り出した。

ルートは決まっている。
定番のBEVERY CENTER、MELROSE AV.、RODEO DRIVEという三個所責め。

僕のファッション(こんなものをファッションと言えるかどうかは横において)は、Tシャツにジーンズにスニーカー、寒くなれば、スウェットシャツ、その上にアーミージャケットと、情けないほど定番化している。
だから、まずTシャツを買うために、ベバリーセンターへ直行し、そこのBanana Republic, Gap, Guess?の店へ行く。

そこで、昔あった、各ショップ定番のロゴ入りTシャツというものが存在しないのに気がついた。
アメリカの景気がいいせいか、どの店も、ふわふわとした、上品な、バブリーな雰囲気に変わっていて、アーミージャケットでは入りにくい雰囲気さえする。

それと、以前は、日本人観光客、特に若い女の子たちが目に付いたものだが、ほとんど見かけなくなった。
これも、アメリカと日本の経済環境の違いをはっきりと示しているね。

それでも、Gapでストラップが一本しかない、日本ではまだ珍しいディバッグを見つけて購入。
半額割り引きだというので、バナナリパブリックの雪の模様の入ったトランクスも買った。

僕はいつも、LAの問屋街で売っている、3枚4ドルという、ビキニブリーフなのだが、バナナリパブリックのトランクスは、女性とムフフの事態が生じたときのための「勝負パンツ」だ(でも、そうなったら、そんなものはさっさと脱いでしまいたいものだよね)。

次に、メルローズへ向かう。
メルローズといえば、僕の行くところは決まっていて、セックスショップのDRAKE’Sだよね。
店に入ると、アメリカ人のお上りさんらしい若者たちが、コンドームをみてキャッキャッ喜んでいた。
こんども、日本へ持ち込んでも問題のないバイブをチェックする。

値段的にはそれほど変わっていないが、バイブの種類が増えていた。
また、逆に、前回来たときは置いてあった、日本製の高性能バイブが消えている。
日本製のバイブは、高性能だが、値段が高く、あまりに動きが細かくて、不必要にこだわりがあるので、アメリカ人には向かないのではないか。

これをみても、日本とアメリカの文化の違いが分かるね。
バイブを見ても、文化の違いに想いを致す、これが旅行哲学者である僕が、旅好きの凡庸なおじさんたち、頭の悪い自称旅行通諸君とは完全に、徹底的に、違うところなんだよ。

友人と、バイブをチェックしながら、その違いと使用法に関して、ああでもない、こうでもない、と議論を重ねる。
また、SMコーナーへ行くと、SMプレイの種類、サディズムとマゾヒズムの理解について、奥深い講義をしてあげる。

アメリカでは、日本のような建前と本音が裏表になっているところとは違って、セックスを楽しむのは、全く恥ずかしいことではない。

だから、キャリアウーマンは、みんな小型のバイブをハンドバッグの中に入れて、ビジネスの合間に、ちょっと性欲が昂進したときなど、いつでも性欲を簡単に処理するように準備をしている。
発情していては、アメリカの厳しい仕事は出来ないのだから。
だから、エリートの女性になるほど、バイブの所有数が多いというレポートもある。

日本という国は、問題点を正面から見つめようとせずに、その場その場のごまかしでやってきたから、将来はない。
せめて、お得意なセックス国家として、世界の中に地位を占めればいいのにと、国家のマネージメントも考える。

男性二人で、店のなかを、バイブやアナルバイブを手に取り、議論し、ビデオをチェックして、比較批評して、長い時間を過ごしていると、店の人の僕らを見る目つきが優しくなる。
ホモセクシャルだと思われているようだ。

バレてしまったのかしらん…。

 

バイブを見るのがあまりに楽しかったので、ついつい時間を過ごし、ロデオドライブへ行く時間がなくなってきたので、ちょっとだけメルローズを歩いてみた。

昔あったGapの店がなくなっているようだ。
古着の流行も去ったのか、日本語で看板を出し、客引きをしていた古着屋も見えない。

アメリカで驚くのは、本当に、店が突然出現して、あっという間に消滅するところ。
つまり、ビジネスが、本当に活発なんだね。
だから、日本のように、何百年も前から同じ場所で同じ店をやっています、というのがウリになるような社会は、このインターネット時代に、アメリカと勝負して勝てるはずがないのだ。

歩いていて、 なんと、Condomaniaを発見した!
僕は、CondomaniaがDrakesに名前を変えたと考えていたのだが、それは違うのかもしれない(ただ、現在、DRAKESがある場所が、昔Condomaniaの店だったという記憶は確かだが)。

このCondomaniaは、名前の通り、コンドーム専門の店だ。
各種各様のコンドームが売られているが、壁にコンドームの箱が陳列してある。

左側に"Japanese"のプレートの下に、日本製のおなじみのコンドームの箱がある。
しかし、その右側にはずらりとアメリカ製のコンドームが並んでいて、"Larger"と書いてある。
これは、日本人のポコチンが小さいという世界の常識を元に、からかって(馬鹿にして)いるんだ。

ムカッとして、思わず、ファスナーを開けて、自分のフトチンを出して見せてあげようかと思ったが、まわりに女の子もいたので、遠慮した。
このように、僕は結構まわりに気をつかうんだよね。

夕暮れのLAをBMWは快調に飛ばし、VONSというスーパーマーケットに寄って、millennium仕様のbudweiserを大量に買いこんで、ホテルへ帰った。

すると、また、僕のためのパーティが始まった。
しなければならないことが、たくさんあるのに…。

でも、LAではだらーん、と過ごすのが、LAらしい。

いいさ。
しばらくは、そういう気分に浸っていよう。

(注意)
ところで、僕がバイブのことばかり書くので、実際のセックスのときにもバイブを使うのかしらと御心配されている、僕のファンの女性の方々へ。
僕は(ちょっと恥ずかしいですが)、今まで本当に、バイブを使ったことがありません。
ポコチンだけで、大丈夫です。
でも、ご要望があれば、バイブを使うことも可。

このバイブは、僕と直接会った女性の方たちへの、お土産ですから、欲しい人は、ご連絡下さい。

 

また、1997年のエッセイLAでバイブを買うも参照して下さい。

addresses
"DRAKES" 7566 Melrose Av. between Sierra Bonita Av. and Curson Av.
"Condomania" 7306 Melrose Av.

(最新バイブ情報)


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