砂漠でごろ寝した後、バンバラモードで車を乗り換えて、モプティへ到着@マリ/西アフリカ

【写真】バンバラモードに到着した4WD
トンブクトゥを出た4WDが砂漠の中で壊れた。
向こうから来た車がこちらを見つけて停止し、なにやら運転手が話をした。
その車も数分後、多分トンブクトゥへ行ってしまった。
車が動かなければこのまま寝るのかと思っていたらそうではなく、再び乗客がぞろぞろと乗り込む。
車は動くようだがどうやら四輪駆動が壊れたらしい。
それでもしばらく進み、突然開けたところに出る。
と思ったら、そこは村の広場のようで、まわりに広場を囲んで丸い家がいくつか星の明かりで判別できた。
時計を見ると午後9時。
運転手はなにやら大声で叫んだ。乗客が降りるので僕もわからないままそのとおりに動く。
すると丸めたゴザをサーッと地面に敷いた。
ここで星空の下、このまま寝るようだ。
他の人は食料を持ってきている人もいるが、食べないかと誘う人もいない。
ラテンアメリカなら絶対に笑い声とともに仲良く食料を分け合うものだが、西アフリカではそういうことはない。
僕はニジェール川を渡ってから、4時間も胃の痛くなる思いをしていたので、食欲は全くない。
神経がぼろぼろ、ずたずただ。
持ってきたミネラルウォーターを飲んで、アーミージャケットを着たまま、そのままゴザの上に横になった。
ま、こういうときこそアーミージャケットを持って来てよかった、と思う。
翌日朝が白み始めるころ目が覚めて、まず近くのブッシュの陰でウンコをする。
再度、車に乗り込み午前6時、車はまた走り始める。
車はこの朝もさらに2回砂に埋もれて、乗客が協力して押した。
午前7時半、なにやら土壁の家の並ぶほこりっぽい小さな町へと入った。
町の名前を聞くと「バンバラモード」というらしい。
一緒の車に乗っていたアタッシェケースを持った黒人が、僕に声をかけてきた。
一緒に朝食をとろうというのだ。
着いていくと、ものすごく不潔なテーブルの小屋に入る。
僕は甘いパン2個食べて、汚れがこびりついたコップでカフェオレを3杯も飲んだ。
子供たちが僕を取り囲んで「ビック、ビック」とうるさいが、これはボールペンをほしがっているのだ。
ぼーっと待っていると、幌のついたピックアップトラックがやってきた。
これが昨日すれ違った車に頼んだ乗り換え用の車らしい。
結局この町で2時間ほど休みを取って、新しく来たピックアップに乗り換え、再度走り始める。
これからあとは砂の量が減ったので、タイヤが砂にうずまることもなく、でこぼこ道を可能な限りのスピードで走り続ける。
地面から砂が途切れると、そこは何かわからないがちゃんと植物が整然と植えられていて耕作地になっている。
前日走ったところでも、車が停止すると、牛や山羊がいてどこからか人が出てきたものだ。
つまりこの地域は、人がいないようでいて、実はそれなりに耕作され開発され尽くされているんだろうね。
そのまま走り続けて午前11時半、もっと大きな町オゴマへ着いた。
広場を囲む屋台で昼食を取る。
一時間休んでまた走り始めたら、すぐに今度はきれいな舗装道路へ出る。
これがどうやらマリ東部の大きな町ガオとモプティ、バマコを結ぶマリを横断する大幹線道路らしい。
さらに休息を取って、あとは舗装道路の上を走って、すぐに止まってどこかを修理することを繰り返す。
やっと午後5時にモプティのバスターミナルに到着した。
結局、前日の午後4時にトンブクトゥを出て、午後5時にモプティに到着、つまり25時間かかったわけだよ。
あー、でも、命があってよかった…。
モプティは、さすがに大きい町で、「Lonely Planet」に書いてあったCAMPEMENTというホテルへ行く。
が、ちょっと汚すぎた。
案内するという黒人に連れられて「HOTEL BAFALO」へ。
エアコンつきのシングルルーム(15000フラン)へとへチェックインする。
やっと落ち着いて庭のレストランでビール(もちろんCASTELの大ビン、ここでは1000フラン)を飲んで、ゆっくりする。
100セーファーフランが17円と考えているので、ビールの大瓶は170円。
するとホテルの門から、黒人2人を引き連れた、ショートパンツにサファリシャツ姿の東洋人の美女が出現したではないか。
僕は、すぐに声をかけた。「おーい、そこのにほんじーん♪」ってね。
【写真】バンバラモードに到着した4WD
【旅行哲学】世の中いろんなことが起きるものだ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070116