モプティからセグーへのバス@マリ

【写真】モプティからセグーへのバス@途中の休息で
僕はモプティから次の町セグーへ行くバスを調べに、ニジェール川の川岸に歩いていく。
すると黒人の自称ガイドがしつこく引っ付いて離れない。

バスのオフィスの場所を探している言うと、ガイドが人を引っ張ってきて「彼がバス会社の社長だ。バマコまでバスで5万フランだ」と言う。
5万フランといえば8千円以上だ。
そんな馬鹿な値段はないよ。
完全に無視してあげた。
ガイドを振り切って自分で道に並ぶ適当なバス会社のオフィス(といっても掘っ立て小屋)に入る。
バス会社では、セグーまでの切符は5000フラン、つまり800円だ。

切符にもちゃんと値段が印刷してあるからボラれてはいない。
出発までの時間があるので、ホテルに戻り荷物をまとめて、また庭でビールを飲んでいる。
すると、白人女性がちょっと疲れた様子で通りかかった。
暇つぶしに話しかけてみた。
彼女は一緒に旅をしている夫がマラリアで熱を出し、昨夜一晩寝ずに看病していたとのこと。
これからまだ陸路でガーナまで行くそうだ。
旅の話を交換して、互いの無事を祈って別れる。
バスは予定通りの午前10時に出発する。
このバスは大型で窓も大きく近代的だが、一つ大きな問題があった。
それは冷房が効かない上に窓が開かないこと。
天井の換気口からの空気が唯一頼りだ。
しかし途中で休息もあったので暑さで死ぬほどではなく、少々気分が悪くなる程度で収まった。
6時間後にはなんとかセグーに到着。

バスターミナルからタクシーに乗って、川のそばのホテル「L'AUBERGE(ロベルジュ)」の別館に宿泊する。
一泊24000フラン(4千円)。

部屋はエアコンつき、CNNの見れる衛星テレビ付きで、とても快適だ。
庭にはきれいな芝生のレストランとプールまである。

マネージャーは「ジアド」というなかなか人当たりのいいレバノン人。
ホテルのレセプションの壁には世界各地の自動車クラブのステッカーがたくさん貼ってある。
僕のカエルマークが描いてある「みどくつ名刺」を渡したので、ひょっとしたらフロントの壁に貼ってあるかもしれない。

別館は駐車場を囲むように部屋があり、ここはモータリストの泊まる宿だとわかる。
つまり欧米人は西アフリカを自動車で旅行するのが普通みたいだね。

道に並ぶ民芸品屋を冷やかして歩いていると、急に4WDが停車して、「ハーイ♪」と声がかかる。
見ると白人女性で隣に白人男性が座っている。

僕は人の顔を覚えないので有名な世界旅行者だ。
会った人の顔をすぐに忘れている。

最近会った白人女性といえば、今朝モプティで話をした女性しか記憶に浮かばない。
それで横にいた男性をマラリアにかかっている彼女の夫と思い込んで、肩を抱きながら「元気になりましたか?」と愛想よく(英語で)話をした。

適当に世間話をした後、ニジェール川へ歩くと、ここでもガイドが寄ってきてボートに乗らないかと誘われる。
ガイドもモプティに比べると、おとなしくて誠実な感じがする。

ただ金がかかりそうなのと、部屋でごろごろしていた方が気持ちがいいのでボートに乗るのは止めた。
ロベルジュの庭でビールを飲んでいると先ほどの男女ともう一人の男性の3人がやって来て、僕に挨拶する。

そこで話をしていて、どうも今朝のマラリアカップルとは違うようだ、と途中で気がついた。
実は、彼女たちはトンブクトゥのアザライホテルで、僕以外に泊まっていた男性二人(スイス人、ドイツ人)、女性一人(アメリカ人)のグループだったのだ。

なにしろあのホテルに泊まっていたのが、僕以外はこの3人だけだった。
大きなレストランで、一緒の時間に食事をしていたのだから、向うは僕のことを知っていた。
ただ僕は本を読みながら食事をしていたので、彼らには全く注意を払っていなかった、というわけだね。

ロベルジュのプール横のテーブルで英語で冗談を言っていたら、特に女性が僕に興味を持ったようだった。
ただ僕は白人グループと話を続けるのは疲れた。

適当に切り上げて、別のホテルのレストランへ行く。
野菜スープとステーキ、ビールを飲んで、ミネラルウォーターをもらって5700フラン。

食事をしていると川辺で話しかけてきたガイドが寄ってきたので、話すだけ話をして時間を潰した。
彼は英語を勉強しているそうで、話し相手になってあげたよ。

明日は、セグーを発って、バマコへと戻る。
マリからセネガルへ戻るのか、それとも、ブルキナファソへ行くのか、それとも…。
でも、それはいま考えることではない。

これからのことは、明日、そこで考えよう。
一日のことはその一日だけ考えればいいのだから。

【写真】モプティからセグーへのバス@途中の休息で
【旅行哲学】白人の顔って、みんな似てるから区別が付かないよねー。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070117#p3