《旅では、飛行機の中から出会いがいっぱい!》 [ home / list / next ]

 

SU576便は、出発が3時間遅れるというので、そのお詫びに空港内レストランのクーポン券を1500円もらった。
うれしいな♪ 人間いくつになっても、もらうものはうれしいよねー。
しかも、飛行機が遅れても、飛びさえすれば、問題はない。
だって、モスクワでは、ただトランジットホテルに泊るだけで、何もすることがないのだから。

ウェイティングラウンジの売店で、文庫本と、文藝春秋を購入した。
ちょっとウンチクを書いておくが、出国ゲートをくぐってしまったあとでは、日本国ではないので、消費税は取られない。
つまり、文庫本は、現在の5パーセントの消費税の分安く買えるわけだ。
ただこれをメモっておいて、30回目のお見合いでやっと見つけた女の子と新婚旅行に出るとき、「ここで買うと消費税分安いんだよ!」と自慢した場合、新妻から「けちくさ〜!」と軽蔑されて、出発前に成田離婚になる可能性もあるので、注意しておいた方がいいだろう。

3時間半遅れて、搭乗開始、機内へと入る。
僕のシートは、左窓側二列の通路側、26Cだ。
26Bはなくて、窓側が26Aになっている。
僕の隣の窓側のシートに、どんな人が座るか、これが問題だね。

旅の大きな楽しみの一つは、「人との出会い」だと、よく言われる。
しかし、「人との出会い」を楽しみにしている人に限って、人と出会うことが下手なものだ。
つまり、旅での出会いを求めている人は、もともと日本国内でも友達ができない、性格の悪い、人付き合いが下手な人たちが多い。

海外では、ホテルやレストランや観光地で、とても親切にされる。
でもそれは、お金を払っているお客様なのだから、当たり前なんだよ。
また、旅先では、ニコニコして人のよさそうな顔をして近づいて来る、詐欺師、泥棒、女たらし、に出会ってしまうので、それを「出会い」だと誤解してしまうこともある。
言っておくが、「出会いとは、お金を払って求めるものじゃない」んだよ。
できるなら、お金をもらって出会いたい、それが僕の考えだ。

また、会話が少なくて、なかなかお互いを理解できなくても、海外だと、それを語学力の不足だからと、自然に受け止めてもらえる。
実は、話題が乏しくて、頭が悪い、ついでに性格も悪い、ということがバレるのに、言葉を使えないせいで、時間がかかるってことなんだよね。
でも、これでは、出会っても、意味ないんじゃないかな。
言葉が通じるようになれば、いずれバレてしまって、日本と同じになるんだからさ。

それはそれとして、世界旅行者としての僕は、もうすでに、旅行業界では名前が売れに売れまくっている。
旅行業界に少しでも関係している人は、僕の名前が夢にまで出てくるという話だ。
僕の存在に、ビビッている人たちも多いとか(笑)。

もちろん、成田空港の小さな書店には、僕の第二弾「これが正しい海外個人旅行」が、三冊も置いてあった。
第一弾「間違いだらけの海外個人旅行」はとっくに売り切れているようだ。

成田空港の人も、ほとんどの人は、僕を知っているようで、次々に挨拶してきた。
機内に乗り込むときも、スチワーデスが、僕にお辞儀をしたくらいだ。

僕は、実名で本を書いているので、航空会社のコンピューターには、僕の予約が入ると、名前が金色で点滅表示するとか。
そこで、航空会社は、僕に失礼のないように、気を配ってくれる。
ということは、僕の隣の席には、特別に美人乗客を手配していると予想できる。

と、その予想通り、すらりと背の高い、20代後半の白人超美女が僕の隣に座った。
すぐに「飛行機が遅れましたね。乗り継ぎは大丈夫ですか?」と、僕は英語で軽く話し掛ける。
話を続けると、彼女は何と、モスクワ大学卒の研究者で、日本の先端研究所での留学生活を終えて、これからモスクワ大学で博士号を取りに帰るのだと言う。
やるな、アエロフロート!
美人だけでは、僕を満足させられないと、ものすごい頭のいい女を、隣席へと送り込んだか!
うーむ。
確かに僕は、頭のいい美人というのが、大好きなのだ。
恐るべし、KGBの情報網!
彼女は、日本文学にも通じているようで、安部公房の「砂の女」がロシア語に翻訳された話などで盛り上がった。

しばらくして、僕は、席を離れ、後部のトイレへと歩いた。
知的な会話が続いて、ちょっと僕の脳がオーバーヒートしたので、トイレついでに、頭を休ませようとしたのだ。

すると、突然、「気流の悪いところを通過しますので、座席へお戻りになり、シートベルトをお締め下さい」と機内放送が流れる。
僕は、あわてて、機内後部の空いた席に座る。
すると横に、今度は、かわいい感じの白人女性を見つけた。
ニコッと笑って軽く会釈をすると、今度は、この美女は日本語で「こんにちわ〜!」と、話しかけて来た。
彼女とは英語が通じず、片言の日本語で話をする。
この女の子は、ウクライナ出身で、年齢が20歳、日本の岩国で、他のロシア人の女の子といっしょにダンサーをしていたのだと言う。
ほっぺたが赤くて、まだまだ純情に見えるが、僕が「おはよう(ドーブラヤウートラ)」とただ一つ覚えているロシア語をしゃべると、「スケベ♪」と、日本語で答えた。
多分、ダンサーのついでに、お客とのキモチイイお付き合いもしたのだろう。

いやー、モスクワ大学の知的美女の次は、若いウクライナ人ダンサーまで、用意しておいてくれたのか。
参りました、KGBのみなさん。
ロシアの悪口は書きませんから、これからもよろしくねっ。

機体の揺れが収まって、トイレに行くと、トイレの前で、こんどは、30歳前後の美しい日本女性に会った。
美女の三連発で、調子に乗った僕は、彼女を指差して、「ねー、キミ、ひょっとしたら、アフリカ行き?」と、気軽に声を掛ける。
すると、「そうです」との答えだ。
僕は続けて「でも、一人じゃないよね」と話す。
今まで数多くの海外旅行体験によると、この美女のようなタイプの女の子は、ひとりでアフリカへ行く感じではないのだ。
きっと、別のアフリカ大好きな不細工な女の子といっしょなのではないか、と思ったんだよ。
この女性は、「ええ、他の人といっしょですけど」と答えて、なぜか僕を避けるように、足早に去っていった。

僕はトイレに入って、おしっこをしながら、考えた。

じょんじょろりん、じょんじょろりん、じょんじょろりん、ぷるぷるっ(これはポコチンを振る音)。

知的ロシア美女、ウクライナ美女ダンサー、彼女らとは、残念ながら、モスクワで別れることになる。
しかし、あの日本人美女がアフリカに行くなら、モスクワで同じトランジットホテルに泊るだろうさ。

それなら、いくら逃げても、無駄だぜ。
僕から逃げられるものなら、逃げてみたらいいよ(うっふっふ)。

こうして、世界旅行者と三人の美女との出会いを乗せて、アエロフロートSU576便は、無事、モスクワシェレメチボ2空港へと、到着した。

そして世界旅行者と日本人旅行者集団は、この空港の中で、長い放浪の旅をすることになるのだが、それは次回のお楽しみにね。

dakar3(2001/10/17)


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