『世界旅行者は初体験の女子大生に優しく教えると決断する』@ダカール/セネガル/西アフリカ

【ダカール郵便局前にて(2001)】
そういえばすっかり忘れていたが、成田で預けた僕のバックパックは、どうなったのだろう。
悪い噂ばかりのモスクワを経由して無事に出てくるだろうか?
NGOの女性の話だと、彼女も以前モスクワで荷物の中身を荒らされたことがあるとか。
テーブルの上に飛行機からの荷物が降ろされてゆっくり近づいて来る。
僕の緑色の汚いバックパックが見えるが、それにはナント鮮やかな黄色のテープが巻き付けてある!
しまった…!きっとバックパックを切られるか、ファスナーを壊されるかして中身を抜かれたんだよ。
それでテープが巻いてあるんだ…、とあっさり諦らめる。
しかしバックパックを手に取ってみると、全く傷がなく大丈夫なようだ。
いろいろ心配するほど、世の中は悪いことばかり起こるものじゃないんだよね。
と、またすぐに気分を変える。
ところで、無事に荷物を手にした時点で、僕の心は女子大生さんといっしょに町へ行くことに決まっていた。
というのは、NGOのみなさんに頼るのは安全でいいが、それでは「空港から町まで個人で行った」という話が出来ない。
やはり失敗してもボラれても迷っても、自分でやらないとつまらない。
それと女子大生さんが入国書類を書くのに手間取っていたのを見た。
そうすると、やはり最初の海外旅行の若い女の子を一人で町へやるのは危ない、いっしょに行かなければならない、と世界旅行者としての責任を感じたのだ。
女子大生さんに「いっしょに行こうよ!」と声を掛けて入国エリアから外に出る。
とたんに外気に触れる。
外には黒人がうじゃうじゃいる。
アドレナリンがどっと血管に流れ、緊張感と、戦闘意欲が沸くのを感じる。
矢でも鉄砲でも持ってこい!やったるで〜!うおー(と叫ぶ)!
さて、始めての国に到着した時、まずやることは現地通貨を入手すること。
お金さえ手に入れば、何とでもなる。
そしてお金は持っている。
ただそれがフランスフランとアメリカドルというだけだが。
つまり、まずは、両替をしなければならない。
次には、タクシーを捕まえる。
タクシーの本質は、土地不案内な旅行者を騙して、あぶく銭を手に入れること。
そのタクシーをうまく使って、ダカールの町まで無事にたどりつくのが難題だ。
さらには、今夜の宿を見つけなければならない。
その次は、食事を取ること。海外個人旅行とは、ただこういうことの繰り返しだよ。
僕は、ここで西アフリカ最初のこれらの経験を詳細に紹介してみたい。
そして、海外個人旅行を考える読者の皆さんのお役に立ちたいと思う。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090306#p2