マリ航空は世界旅行者に切符を売るのを拒絶する

【写真】砂漠からトンブクトゥを見る
翌日ハガキを書いて、郵便局へと歩いていく。
昨日とは別の少年が走ってやってきて、またガイドをすると話しかけてくる。

さらにブクトゥの前を通ると、見知らぬ若者から「飛行機は今日出ちゃったよー!」と声がかかる。
おいおい僕が何を考えて何をやろうとしているのか、全部バレバレになってるみたいだよ。

郵便局でハガキを出して、飛行機の状況を聞きに、マリ航空のオフィスに行く。
マリ航空のオフィスで、スーツ姿の恰幅のいい男性が、名刺をくれて説明した。

この時期、トンブクトゥとバマコの間には週二便が飛んでいる。
やはり僕が乗ってきた火曜日の飛行機は今日水曜日に飛んでしまい、トンブクトゥを出る次のフライトは土曜日だそうだ。

すると、あと、水、木、金と三日もここにいなければならないのか…。
土曜日のフライトはがらがらだということを確かめたので、予約は入れなかった。

でもまあこんなところで三日も過ごせないよ。
だってトンブクトゥには何にもないんだから。

ただちょっと気になったのが、このオフィスのおじさんの名刺には「トバサン」と名前が書いてあったのだ。
トバサン?

この旅行記の流れとしては、ひょっとして「お前なんか飛行機で飛ばさん」なのかな??
まさかそこまでベタな話はいくらなんでもないだろうが…。

市場の横の広場へ行くと、そこから4WDがバマコへ走っているという。
聞くと、毎日午後3時に出て、夜中一杯走って翌朝にバマコへ着くとか。

でも道のない砂漠を一晩走り続けるとしたら、とても眠れるものではないだろう。
こんなことは体力も気力もある若者しかできないよ。

これはとても僕には無理だ。
もちろんニジェール川を行く船があるのは知っているが、それは、最低2日、小さいピローグならもっとかかるだろう。

そんなかったるいことは、僕にはできない。
そのあと、町をぐるぐる歩いたが、何にもないところだと再確認する。

結局土曜日のフライトで戻るしかないというのが、一晩考えに考えた僕の結論だった。
次の日になって、僕はマリ航空のオフィスへ歩いた。

ホテルを出るとまた別の男の子が走って寄ってきて「ガイドをつけないとダメだよ」と脅すように言う。
マリ航空に行ってオフィスで土曜日のフライトの予約を申し込む。

すると「満員だ」との答えが戻る。
そんな馬鹿なはずはないと、昨日会ったトバサン氏に話をする。

彼はニヤニヤしながら「今朝、全部埋まった」と返事がある。
僕はそうかと思った。

実は心の底で何かこんなようなことが起こりそうな気がしていたのだ(名前も「トバサン」だったしね)。
僕が感じたのは、絶対に席がないというはずがないこと。

おそらくは、僕がガイドを雇わずに一人でうろうろしているから、トンブクトゥの全員に嫌われてしまったのだ。
トンブクトゥの町から脱出したいと思いながら脱出できない。

これは昔見た、伝説のテレビドラマ「プリズナーNO6」みたいだね。
しかしある意味ではすっきりしたよ。

正直な話、トンブクトゥが余りにつまらないところなので、「これだけでは全く面白くない、何か話のネタになるようなことが起きるだろう」と予期していたのだ。
急にアドレナリンがドドッと血液に流れ、世界旅行者は、戦闘モードに突入した。

【写真】砂漠からトンブクトゥを見る
【旅行哲学】世の中には、わけのわからないことが起きるものだ。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20070125