『世界旅行者の西アフリカ旅行計画が次々と挫折した原因は』@西アフリカ

最初に西アフリカのことが具体的に思い浮かんだのは、僕がモロッコ、アルジェリア、チュニジアを横断した1988年春のことだった。
アルジェリアの反政府暴動が起きるのが1988年10月で、それ以降、政府とイスラム原理主義者による内戦状態が続いている。

現在はアルジェリア旅行は非常に難しいが、その直前だったので、これが自由に旅が出来た最後の時期だった。
このころ、サハラ砂漠の町タマンラセットまで行くのが、ちょっと気の利いた観光客のやることだった。

僕も一応考えては見たが、現地で調べたらバスも飛行機も満席で、行くことは不可能と判断した。
タマンラセットからニジェールのアガデスへ抜けるのが、この時期のサハラ縦断ルート。

タマンラセットまで行っていれば、僕は調子に乗ってそのままニジェールへ、さらには西アフリカへと足を伸ばしたかもしれない。
でも、この時は、チュニジアへ行くのが目的でもあった。

だから、バスで砂漠の町エルウッドへ行き、そこから国境を歩いて越えて、チュニジアのトズールへ抜けた。
おなじ1988年の夏、僕はアテネから、エジプト経由で、ナイロビに入った。

そしてナイロビで、そのころの東アフリカ旅行の定番、ウガンダ、ルワンダ、ブルンジ、タンザニアを旅するつもりだった。
さらには、ザイール(現在のコンゴ民主共和国)と回るつもりで、ビザを集めまくっていた。

しかし、ヒルトンホテルのプールで泳いでサウナに入り、そのころ有名だった安宿リバーハウスで日本食を食べ日本人旅行者諸君とビールを飲む怠惰な日常。
援助団体の人と親しくなって彼の4WDでナショナルパークを見に行ったり、というナイロビの優雅な生活に慣れきってしまった。

集めたビザは使うことなく、ケニアの海岸地帯へ行った
モンバサ、マリンディ、ラム、ワタムなどを旅し、マリンディの海岸で泳いだり、ウィンドサーフィンをしたりと、のんびりしてしまった。

1996年にケニアから南アまで陸路で縦断し、さらにナミビアへと旅をした。
このときも、ザイール川を下った日本人3人と出会って、ザイール川をリバーボートで下ろうかと、気持ちが大きく動いたこともある。

現在は、ザイール(コンゴ)は内乱状態で旅行が出来ない。
この有名なザイール川のリバーボートに乗っておけばよかったと後悔している。

もしザイール川を下って首都キンシャサにたどり着いていれば、当然、対岸のコンゴ共和国へ行くだろう。
そうなればヨーロッパまで北上する途中で、西アフリカを通過したことだろう。

また、南ア、ケープタウンから北上するときに、西アフリカへ行くこともできないわけではなかった。
しかし、このときは、南アまで下るだけですっかり疲れてしまった。

ロンドンはベルグラーブ通りにある、馴染みのB&B「セントジョージホテル」に行って、ノエミおばさんの顔を見たくなる。
南アからナミビアにちょっと寄ったが、そこからイギリスまで飛んでしまった。

1998年からは、毎年、西アフリカ旅行を考えた。
それもエチオピアからセネガルまでのアフリカ大陸横断を計画して、エチオピアやスーダン、マリなど、ビザもあれこれ取得したこともある。

1999年には、ナイジェリアに入り、そこから西アフリカ諸国を北上してセネガルへ行こうと考えた。
さらにはモロッコからヨーロッパへ抜ける計画を立て、ナイジェリアのビザを取りに行ったこともある。

2000年の始めには、今度こそどうしても西アフリカへ行くと決意していた。
が、美人大学院生に会うために、西アフリカよりも文化的なニューヨークへと飛んでしまった。

そのあと、春になるころ、西アフリカへ行く用意をして、決死の覚悟をして、身辺を整理して、そしてやっと西アフリカへ行く寸前になった。
ところ、出版社から本を出す話が持ち込まれ、そのまま本を書いていたので、とうとう西アフリカへは行けずじまいになったのだ。

それが、伝説のベストセラー、「間違いだらけの海外個人旅行」だったんだけどね。

と、このように、僕の西アフリカ旅行計画は、次々に破綻して来た。
でも、僕が西アフリカへ行けなかった本当の理由は、もちろん、僕にはわかっていた。

西アフリカなんかに、行きたくなかったんだよ〜!

アフリカ旅行の定番Lonely Planetの「西アフリカ」の旧版には、わざわざ「西アフリカには特に見るもはなく、人との出会いが楽しい」とあった。
しかし、僕は知っているが、旧フランス植民地諸国というものは、変にプライドが高く、東洋人差別が激しいものなのだ。

これは、同じく旧フランス領のアルジェリアで、ホテルを次々と断られたことでも経験している。
それに、僕は、多くの人と出会いたくないから、海外旅行に出るわけなんだ。

人が多いところは気が進まないんだね。
さらに、西アフリカには、近頃、日本人旅行者が増えているらしい。

西アフリカに行く日本人旅行者には、フランス語が出来る人は多くないだろう。
もちろん、フランス留学中の日本人が、休暇で西アフリカに遊びに来るという場合は違うだろうが。

まあ、フランス語も出来て、自己主張の強いフランス語圏で、堂々と旅をするような人は多くないと思う。
つまり、西アフリカを旅行している日本人は、フランス語が出来ないので、結構騙されているのではないか。

そいういう日本人が西アフリカを旅したあとは、日本人を狙う詐欺師や泥棒がウジャウジャ発生していることが予想できる。
いろいろ考えると、正直、西アフリカになんか行きたくないんだ。

行きたくないが、ここまできたら、行かないでは済まされない。
だって人は、永遠には生きられないのだから。。。。

http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20100223