《世界旅行者は三回目の世界一周旅行を計画する》 [home/list/next]


【バマコ駅にて】

「本格的な旅の三原則」によると、本格的な旅では、もちろん「たった一人で」、当然「旅行期間を定めないで」、さらには「片道切符で」旅に出なければならない。
聞いたことがない人がいるかもしれないが、世界旅行者の僕が決めたのだから、この三原則は信用していい。

つまり、本格的な旅とは、一人ぼっちで、出たとこ勝負でうろつく、ってことだね。
しかし、原則は原則で、やはり、全く出たとこ勝負というわけにはいかないよ。

だって、服装や、持ち物が、行き先によってがらっと変わったりするものだし。
そこで、大まかな旅行計画を立てることにした。

今度の旅は、トンブクトゥへ行くのが第一の目標だ。
しかし、トンブクトゥへ行くのが最終目標だと定めてしまうと、トンブクトゥへ行けないかもしれないよ。

だって、人生では、百を望んでも、得られるものはほんのわずかだなのだから。

例えば、僕は本を一冊出しさえすれば、すぐに100万部を越えるベストセラーになって、人気爆発し、あとは女の子に不自由せずに、ラクーに行きられるものと確信していた。
しかし実際は、ベストセラーにはなったものの、100万部までは届かず、二冊目も、三冊目も書かないといけなくなったし、やはり相変わらず女の子には不自由している。

だから、あることを達成しようと思うなら、計画目標は、それよりもぐっと高く設定しておかないといけないわけだ。

どうせ西アフリカを旅するなら、モロッコから砂漠を渡って南下して、モーリタニア経由でセネガルに入ってもいい。
また、マリから東へ、ニジェール、チャド、スーダン、エチオピアと、アフリカ横断を考えてもいい。

しかしこれでは、あまりにアフリカにとらわれすぎてるね。
たいして好きでもないアフリカに義理を立てていては、本当に自由な旅ではない。

そこで、僕は、この旅行を三度目の世界一周旅行にしてしまおうと考えた。
西アフリカでトンブクトゥへ行った後、パリへ入り、パリから南米の仏領ギアナへ飛ぶ。

このパリから仏領ギアナへのフライトは、フランス国内線なので、ヨーロッパと南米を結ぶ路線としては、話のネタになるところなんだよ。
また、ここから、陸路でスリナム(旧オランダ領ギアナ)、ガイアナ(旧英領ギアナ)へと渡り、トリニダードトバゴへ飛んで、カリブ海経由で、LAへ入る。
LAからは、ハワイへ飛び、ハワイからミクロネシアをアイランドホップして、グアム、サイパンを寄って、日本へ帰りつく。

まあ、これで、三回目の世界一周旅行が達成されるわけだ。
これは、僕が考えていた、西アフリカ旅行、ガイアナ三国旅行、ミクロネシアアイランドホップの3つの旅行を一度にやっちゃおうという、面倒くさがり屋の僕らしい、安易な計画だね。

これを一応、頭に置く。
すると、西アフリカなんか、まだまだ旅の入り口ってことになるよね。

すると、結構気楽に行けるというものだ。
とすると、世界一周の最初だから、成田からダカールまでの片道切符でいいわけだ。

しかし、この時期、往復切符の方が片道切符よりも値段が安かったこともあり、往復切符にした。
それと、ダカールから帰ってくる可能性もないわけではないしね。

世界中から、日本への切符は、だいたい10万円程度の値段だと考えておけばいい。
だから、一応帰りの切符を持っているのは、用心としても必要なことなんだよ。

それで、僕はアエロフロートで、成田からモスクワへ飛び、そこのトランジットホテルで一泊し、翌日、モスクワからダカールへ飛び、またダカールから日本へモスクワ経由で帰ってくるという往復切符を買った。
2001年3月初めで、この往復切符の値段が9万円。それにホテル代がシングル一泊で1万円。
合計たったの10万円だ。

元気のいい若者なら、ホテルに泊らずにモスクワのシェレメチボU空港に寝て、1万円を節約するることも、もちろん出来るよ。
でも僕は、前にも書いたように、できるだけ楽に旅行するつもりだ。

ただ、楽に旅行するつもりでも、ちっとも楽に出来ないこともあるよね。
それが人生だもの。

そして、僕の西アフリカ旅行も、その例に漏れず、とんでもないことが、起きてしまったんだ。
ま、だから、旅行なんだけどさ。

ほんと、勘弁して欲しいよね(とほほ…)。

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