シェムリアップからプノンペンへ戻り、ベトナムのビザと航空券を無事に入手する(8月28日)

[2回目に来た時/Angkor Watにて(2002)]
1994年8月28日は260(チェンラ)の1号室で、午前5時に目が覚めた。

その理由というのが、僕の部屋の前で、宿泊者のフランス人の若者が、チェンラの子供と朝早くから話をしていたから。
夜明けを見たかったのかもしれないが、結構声が響いて、迷惑な話だった。

でも旅先では、なんでもかんでもいいほうに考えることが出来る。
というのは旅先の出来事はその場限りで、あとを引くことがないからね。

目が覚めたのをいい機会として、「バンコクの熱い季節(秦辰也)」をベッドの中で読み終えた。
これは日本の青年がタイの民主活動家の女性と恋に落ちて、民主化のうねりに巻き込まれるというもの。
そのあと昨日見つけた、6号線の屋台でヌードルスープを食べる(千リエル)。
パンとコーヒーの朝食も取った。

昨日は、アンコール遺跡群のそれぞれを歩き回った。
身体を使って、疲れて、ビールを飲んでパタンと寝たので、寝覚めはいい。

プノンペンへのフライトは午前9時だし、結構時間はある。
こういうときは、日本人宿にお決まりの「情報ノート」に書き込むことにする。

6号線沿いの屋台の朝のヌードルスープがおいしいという話。
あと、アンコールワットで祈るときに使う、線香の値段や、祈る場所についても書いたよ。

今では、アンコールワットの中央塔で祈るためのお線香は売ってないみたいだね。
また、中央塔まで上れないという噂も聞いた。

その意味でも、世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)が、1994年にアンコールワットへ行ったのが神の導きだったとわかるだろう。
実際僕は、このときのアンコールワットを、大事に心の中に残している。

僕は2002年と2005年にもシェムリアップへ行った。
でも、アンコール遺跡群を再訪しようとは思わなかった。

人も多くなり、すっかり変わっていることがわかっていたから。
1994年に、ほとんど人のいない遺跡を見て回ったら、その想い出を大切にした方がいい。

僕はアンコールワットを3回訪れているが、最初の時の記憶を大切にしている。
あとの2回は、アンコールワットに入らないようにしているんだ。

上の写真は2002年に上海からバンコクへ陸路移動した時のもの。
このときも、アンコールワットに日暮れ前に無料でやってきただけ。

旅先で出会った旅行者の皆さんと一緒に写真を撮った。
それ以上は遺跡へ進まなかった。

空港へ向かおうとしたら、フランス人の若者が一緒に車に乗りたいという。
1994年は、空港まで車でも1人千リエル(40円)というのが普通だった。

ところがハッキリくんが昨日の運転手と話をつけていて、それが1人当たり1ドルだった。
どうもハッキリくんは、プノンペンのバイタクの件でもわかるように、現地で知り合った人にいい顔をしようとする傾向があるようだ。

それを自分ひとりでやるならかまわないが、他の人間まで巻き込むのはおかしい。
僕はかなりイラッと来た。

ただ、現在は、シェムリアップの空港と町の間をタクシーで移動すると5ドルらしいけどね。
[これは森下千里の「世界!弾丸トラベラー」の情報。]

空港ではやはり空港税として4ドル取られた。
また、なぜか、乗り込むときの荷物のチェックがとても厳しかったよ。

プノンペンへの航空機は「Tupolev Tu-134A-3, XU-102, Kampuchea Airlines」という機体。
低翼式のツインジェットだ。

午前9時のフライトは、9時35分に離陸した。
しかし、さすがジェット旅客機で、10時5分にはプノンペンへ到着。

空港を出たら、またタクシーとの料金交渉が待っていた。
ただ、これは国内線なので、タクシーの運転手も最初から3ドルと声をかけてくる。

3ドルが標準料金らしいので、これで決めて、とっとと旅行代理店へ行けばいい。
ところがここで、ハッキリくんは運転手を集めて2ドルへの交渉を始めた。

僕はこの時、ハッキリくんを見切ったね。
だって、いま大切なのは、ベトナムビザと航空券を取りに旅行代理店へ行くことなんだから。

こんなところで、3人のタクシー料金を1ドル下げても全く意味がない。
僕は3ドルで決めて、そのままモニボン通り246番地の「ツーリズムグループ」へと突入した。

渡されたものをじっくりと確認する。
まず、ベトナムのトランジットビザ(40ドル)。

これは8月27日発行で、有効期間は3週間。
有効期間内に入国して、滞在期間は4日間だ。

次に航空券。
プノンペンからサイゴンへ、8月29日午前8時半発、ベトナム航空810便。

サイゴンからバンコクへ、9月1日発午前11時半発、ベトナム航空851便。
切符はノーマルで、通しの料金が175ドル。

それに旅行代理店のコミッションが10ドルで、合計185ドル。
この航空券はノーマルなので、当然フライトの変更が可能だ。

旅行代理店でビザと航空券を確認して、表で待たせていたタクシーでキャピタルホテルへ。
こんどは215号室(シャワートイレつきダブルベッド)を5ドルで取る。

レストランへ降りて、5ドル札を12500リエルへと両替する。
ビーフ焼き飯(3千リエル)に、アンコールビール(3千リエル)を昼食にする。

いやはや、旅に出るとお腹がすくね。
それは旅では悩みがないから。

朝起きて、その日にやるべきことをやる、そこには迷いがない。
迷いがあったとしても、それは時と共に解決されてしまう。

それが日常生活と違うところだ。
日常生活では、出来事はいつまでもそこに存在して、毎日解決を要求する。

それがウザッタイ。
さて、明日のフライトは午前8時半。

だとしたら、今日中にプノンペンで見るところを見てしまおう。
とすれば、まず、博物館へ行って、王宮かな。

とにかく、自転車に乗って出かけましょう。
動きながら考えればいいだけだ。

【旅行哲学】旅先には悩みはない。あるとすれば、いつか帰国しなければならないこと。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080423