上海〜バンコク旅行記(2002)より、第64話 ハノイ駅でトイレを発見する。

【ハンベー(Hang Be)通り:ホアンキエム湖の北の安宿街】
朝4時にハノイ駅へ到着。
同じ列車に乗っていた欧米人旅行者やもちろんベトナム人は、あっという間にどこかに消えてしまった。

残されたのは、金髪くん、亜瀬尾くんと僕の日本人3人だ。
待合室に居場所を確保する。

バックパックを見てくれるように頼んで、トイレを探しに駅を歩く。
だって朝の4時に駅の待合室で眠れるわけもないからね。

眠る人もいるかもしれない。
が、常に危険を意識している僕は、どんなところでもまず待合室で寝ることはない。

暇つぶしも兼ねて、トイレを見つけようと考えたわけだ。
トイレがどのくらいの数あるか、わからないからね。

ひょっとして待合室の乗客が同じ時間に一斉にトイレへいくかもしれない。
すると、長い列ができる可能性がある。

読者の中には、「世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)は、変にトイレにこだわるなー」と感じる人もいるかもしれない。
でもね、僕の考えは、すべて具体的な経験に基づいているんだよ。

「駅でトイレに長い列」というキーワードで、僕の旅行記憶をサーッと検索かけてみる。
すると、トップには2つの体験が出てきた。

一つは、2005年にインド旅行をしたとき、ハイデラバードからブバネーシュワル駅に着いたとき。
このときは朝の6時ごろだった。

駅でトイレを探したがなかなか見つからない。
やっと見つけたら、ちょうど朝の混みあう時間で、インド人の長い列ができていた。

平気な顔をして列に並び、30分は待ったと思う。
トイレでしゃがんだ時は、本当に顔色真っ青だったよ(涙)。

また、2007年に夜行寝台バスでアウランガバードからムンバイに着いたとき。
このときはムンバイに着いた時に、すでにもれそうだった。

そこで、タクシーに乗ってチャーチゲート駅へ行ったんだけどね。
チャーチゲート駅にはトイレが一つしかなくて、「大」の方は5つだけ。

そこにも長い列があったんだよ…(涙)。
だからとにかく僕の頭には、「朝の時間のトイレの長い列」という恐怖感が植えつけられている。

僕は世界中の鉄道駅を見てきたわけだから、当然、駅の構造は予想がつく。
そして歩き回ったが、なんとハノイ駅にはトイレがないことを発見した(後にトイレを発見しました)。

まだ外は暗い。
ということは、周囲が明るくなる前に、暗いうちに駅の建物の陰でウンコをした方が賢いかも。

そう考えた僕は、駅正面を出る。
駅の真ん前でするのもちょっと大胆すぎると、駅を背にして左にある建物に進んだ。

ジッパーを下げて、ジーンズを下ろし、パンツに手をかけた。
すると、ちょっと横の建物が気になった。

だって、警察署だったら大変なことになるからね。
また、ベトナムは社会主義国家で、実質的にはベトナム共産党の一党独裁だ。

そして首都のハノイ駅は、日本の東京駅のような重要な場所。
すると、ハノイ駅の正面横に、ベトナム共産党や、ベトナム秘密警察の建物があっても、ちっともおかしくない。

そんな重要な建物の前でウンコをしたら、こりゃ逮捕投獄は間違いない。
念のために、ウンコをしようと考えた建物がなんなのか、確認することにした。

細長い建物だったが、何とか表札が読めた。
そこには、驚いたことに「toilet」と書いてある!

おいおい、僕は便所の前でウンコをしようとしていたのか(汗)。
中に入ろうとすると、おじさんがいて料金を取る。

つまり、この建物は有料トイレだった。
料金が2千ベトナムドンという。

この時期、1ドル(120円)が1万5千ドンの計算。
だから、2千ドンは16円くらいです。

ちょっと高いような気がする。
千ドンなら納得するけどね。

多分旅行者だということで吹っかけられたんじゃないかな。
でもとにかく、ハノイ駅のトイレは駅を背にして左側の建物です。

結構役に立つでしょ。
これは2002年8月の夜明け前に世界旅行者が調べたことです。

いまは、ひょっとしたら駅にトイレがあるのかもしれません。
でも文句は言わないように。

世界旅行者の書くことは、「旅行情報」ではありません。
どう旅をしたらいいかという「旅行哲学」なんですから。

【旅行哲学】建物の陰でしようとする前に、建物が何かを確認する。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20080310