『ホテルで夜まで過ごし、バイクに乗ってハノイ駅へ行ったら、「Lonely Planet」を置き忘れていた』


【ハンベー(Hang Be)通り@ハノイ(2002)】

2002年8月8日。
本当は、ハロン湾へ行った昨日の夜、フエへの列車でハノイを離れるつもりだった。

ところが切符が取れず、今日の23時、つまり午後11時にハノイ駅を出る「E1」列車に乗ることになった。
この意味は、午後11時まで(実際は午後10時くらいまで)、時間をつぶさなければならないってこと。

ところで、世界中の安宿では、普通はチェックアウトが正午になっている。
そうして、午後6時までは、1泊分の半額で部屋を使えるのが普通だ。

ただそれ以降になれば、1泊分を払うということになっている。
列車の出発が午後11時だから、午後10時までは部屋を使った方がいい。

というのは、シングルルームがあるということはとても楽だからね。
ホットシャワーも使えるし、トイレも十分に使える。

ちょっと疲れたら、ベッドでごろごろしていてもいい。
もちろん、寝てしまってはまずいわけだが(笑)。

もちろん若くて、体力があれば、バックパッカーストリートのネットカフェでだらだら粘っていれば、夜の11時まで粘れるだろう。
友達と一緒ならば、外のカフェで話をしていれば、すぐに時は過ぎる。

しかし僕はもう歳が歳で、体力を温存することを最も大切に考えている。
僕が泊まっていた「ESPECEN HOTEL(22 Hang Be/ Ha Noi/ Viet Nam)」は、一泊が7ドル半だから、思い切って、夜まで部屋を使うことにした。

だって昨夜は、豪華に食べ過ぎて、夜食だけで6ドルも使っているしね。
ベッドでごろごろと本を読んで過ごす。

午後9時ごろになって、チェックアウトして、駅へ向かうことにした。
ホテルのフロント頼んで、ハノイ駅までバイクで送ってもらうことにする。

駅までバイクで2万ドン、無事に到着した時に、チップも含めて3万ドン払った。
バックパックを背負ったまま、バイクを運転しているベトナム人の若者の腰に手を回していたら、筋肉がカッチカチだったよ。

さて、少し早めにハノイ駅に到着して、ゆっくりとこれから向かうフエの情報を得よう考える。
デイパックに入っているはずの「Lonely Planet」を捜したら、見つからない。
そのとき気がついたのだが、僕はホテルでごろごろしながら、「Lonely Planet」を読んでいた。
きっとベッドに置いてあった、「Lonely Planet」にシーツがかぶっていて、持ってくるのを忘れたんだろう。
それとも、最後にトイレを済ませたときに、ちょっと横に置いたままにしたのか。
でも僕は、(ホテルへ戻る時間は十分にあったが)取りに戻ろうとは思わなかった。

というのは、ラオカイ、ハノイ、でベトナムの状況がわかったからだ。
つまり、ベトナム旅行にガイドブックは必要ない。

ベトナムを出れば、カンボジア、タイと旅をする予定だ。
そのどちらも、僕はすでに旅をしているので、特に「Lonely Planet」の情報が必要だとも思わない。

こういう風に正当化したのは、「ホテルに戻っても、おそらくホテルの人間が部屋を調べて、置き忘れたものは、すでに自分のものにしているだろう」と考えたからだ。
旅では、置き忘れたものは、まず戻ってこない。

だから、置き忘れた方が悪いんだよ。
十分に時間があったのだから、自分でちゃんとチェックすべきだった。

旅では、物を置き忘れた方が悪いし、ウソを信じた方が間抜けだ。
そう考えて、自分の甘さを責めて、「Lonely Planet」のことは、あっさりと諦める。

改めてハノイ駅を探検してみると、駅の中にトイレがあった。
それが大ひとつ、男性用の小便器が3つだけ。

それでおばさんが、使用するたびに500ドン取るようだ。
もちろん僕がラオカイから到着した時に発見したトイレが、駅舎を出たところにあるわけだが。

午後11時出発の列車だと、ただ寝るだけ。
念のために、小さなミネラルウォーターを買うと、これが4000ドンした。

「E1列車」が到着して、さっそく乗り込む。
僕の切符は「客車番号3、コンパートメント2番、ベッドは11番、最上段」。

コンパートメント2番の番号は、7番から12番。
そのうち、11番と12番が最上段になっていた。

僕はすぐに最上段のベッドに乗り込んで、横になる。
この列車は夜の11時に出て、フエに午前10時13分に到着予定。
前回に乗ったラオカイからハノイの列車は、エアコンが効いてなかったが、この列車はきちんとエアコンが働いてて快適だ。
寝具もちゃんとついていているし、最上段のベッドだから、ジーンズを脱いで貴重品は枕の下に入れる。
駅でトイレも済ましているので、そのまま眠る準備は整っている。
寝入る前に、ちょっと部屋の様子をベッドから眺めたり、声を聞いたりしていた。

このコンパートメントに入ったのは、ドイツ人の若者が1人、フランス人の中年グループが3人(女性2人、男性1人)、それから日本人の僕の外国人が5人。
列車が出発したあとで、最後にベトナム人のおじさんが入ってきた。

このベトナム人のおじさんが、変に英語がペラペラで、外国人との話を盛り上げている。
そこで僕は、ハハーンとわかったことがあったよ。

それはなぜか、次の回のお楽しみにね。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090425