『情報ノートにあったフエの名物【1万ドンステーキ】を2つ食べて、翌日移動を心に決める』@フエ/ベトナム

【ビンジュオンホテルのマネージャー「ショウさん」と(2002)】
2002年8月9日の、お昼ごろ。
僕はフエの日本人宿「ビンジュオンホテル」を出て、とことこ歩いて、フエの王宮を見に行った。

フエに来たら、フエの王宮を見ないと話にならないわけだ。
これは、姫路に行ったら、姫路城を見ないといけないみたいなことかな。

しかし姫路には、姫路城以外には何もない。
姫路は姫路城に来る観光客で持っているような町だ。

フエも、僕が知っている限りでは、フエの王宮以外に見るところはない。
実際には、そのほかにもこまごました遺跡があり、いろんなアクティビティもあるらしい。

でもそれは、どうしてもフエでなければならないようなものではない。
だって、翌朝に漏れ聞いたところでは、ビンジュオンホテルの宿泊者連中は、一緒に釣りに行くらしかったからね。

釣りは別に、フエでしなければならないものではない。
どこでも出来るし。

世界遺産も「フエの建造物群」となっているが、一応その中心の王宮だけを見ればいい。
というわけで、僕は王宮を見たあと、また歩いて、ビンジュオンホテルへ戻ってきた。

もちろん、同じ道だと面白くない。
さっきの「チャンティエンブリッジ(Trang Tien Bridge)」の一つ南にある「Phu Xian Bridge」を渡ってきたわけだ。

これが午後3時ごろだったかな。
ホテルに戻ると、さすがにこの時間には、いくらぐうたらな日本人旅行者とはいっても、ロビーには誰もいなかった。

僕の予想では、部屋で寝ているんだと思う。
何かをしに外出しているとしたら、ちょっと外が暑すぎるからね。

からかえるような日本人旅行者が宿にいないとき、何をしたらいいか?
それは、日本人宿には必ずある「情報ノート」を読むことだよ。

ビンジュアンホテルにも情報ノートがあった。
僕は世界中の日本人宿や日本人の集まるレストランに必ずある「情報ノート」を見てきた。

が、正直言うと、ほとんどは何の役にも立たなかった。
というのが、誰もが同じことを書いているだけなんだから(涙)。

ホント、日本人宿の情報ノートを読めば、ガッカリするだけだ。
日本人は本当に独創性も、個性もないってことが、こういう具体的なところからも、見えるのが恐ろしいよ。

例えば、1994年にカンボジアのプノンペン、有名なキャピタルレストランにあった情報ノートでは、「ベトナムのミポリン(中山美穂)」の話と「アンコールワットへ入場料を払わないで入るルート」だけしか書いてなかった。

それも、全く別の人間が、同じことを繰り返し繰り返し書いていたんだから(涙)。
だから、「情報ノート」とはいっても、ほとんどは実際の役には立たないわけだ。
本当に役に立つ情報が、交通手段とか、料金とかについて、こまごまと書いてあることもたまにはある。
ただ、あまり細かい情報だと、どうせ変化してしまうので、細かいから役に立つというわけでもないんだ。
でもまあ、情報ノートにどんなことが書いてあるのか、それも見るのも面白い。
情報ノートをチェックするのも、世界旅行者みどりのくつした(みどくつさん/みど先生)の役割でもあるわけだ。

一応僕がここに来たという記念に、何か一言書いておいてもいい。
例えば、この旅でも、大理の菊屋という食堂の情報ノートにいろいろ書いておいた

ビンジュオンへ戻って、情報ノートを捜すと、当然、簡単に見つかる。
それを読むと、予想していた通り、全く「情報」らしきものはない(涙)。

ただ一つの情報が、フエの「Pho Sai Gon」という店に、「1万ドンステーキ」があるという話。
この時期のレートは、1ドルが1万6千ドン程度だ。

つまり、1万ドンステーキとは「100円以下のステーキ」ということ!
別にステーキを食べたいわけではないが、こういうポイントを抑えるということは重要だ。

海外個人旅行者の話のネタというものは、ありふれた「フエで王宮を見に行った」だけでは弱い。
「フエで有名だった1万ドンステーキを食べた」方がずっと強力だからね。
1万ドンステーキの店の場所も、ノートに書いてあった。
僕はそれをメモして、ホテルを出る。
僕は、わざわざフエの昼下がりのメチャ暑い通りを歩いて行きました。
この時刻だが、おそらく午後3時ごろ。

昼食には遅すぎ、夕食には早すぎる時間。
だから、目当ての食堂「Pho Sai Gon」には客が誰もいなかった。

メニューを見て、目的の1万ドンステーキを注文する。
すると、小さなサラダ、フライドポテト、ライスつきでガーリックステーキが運ばれてきた。

僕はこういうとき、「何かヒッカケがあるのでは?」と思う。
しかし、食べ終わっても、何もヒッカケはない。

お金を払う振りをして、値段を確認しても、やはり1万ドンだ。
そこで僕は、1万ドンステーキをもう一つ注文したよ(笑)。

でもやはり、二つ目のステーキは、一つ目の時よりも感動がなかった。
メニューを見ると、他に2万ドンや3万ドンのステーキも書いてあった。

お腹が減っているならば、当然もっと量が多いはずの3万ドンステーキ(約2ドル/250円程度)のステーキを食べた方が良かったと思う。
でも「1万ドンステーキ」を確認することの方が、世界旅行者としては大事だったんだよ。

海外個人旅行で、次々と移動を繰り返しているとき、まず最も大切なのが、早起きすること。
早起きするためには、早寝をしなければならない。

すると、重い食事を取るのが、自然と午後の時間になる。
午後の3時とか4時くらいにたっぷりと食事を取る。

夜は、軽くビールでも飲む程度にする。
すると体調からしても、翌日の移動に都合がいいわけだ。

僕はこの日(2002年8月9日)、ハノイから夜行寝台列車でフエに到着した。
フエで有名だった日本人宿の「ビンジュオン」に泊まった。

フエの王宮を見て、フエ名物?の1万ドンステーキを食べた。
あとは何もすることがない。

でも、僕は衛星テレビとエアコン付きの部屋に泊まっている。
ここは身体を休めましょう。

NHKでは田中前外相の議員辞職のニュースをやっていた。
日本のテレビを見るのは、久しぶりだ。
BBCもあったので、あちこちチャンネルを変えてみた。
ビンジュオンホテルで6千ドン(50円程度)の「huda beer」を飲む。

夜になって、誰か話の面白そうな旅行者がいないかと、フロント前に降りてみた、
が、日本人の若者たちが会話もせずに、マンガを読んでいるだけだった。
ということは、フエはこれでいい。
明日は、ホイアンへ行きましょう。
http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20090504