日本人の若者たちと、カジュラホの寺院の像を見たあと、一人でカジュラホ村へ歩くと、犬に取り囲まれて、本当にビビル。@バラナシ/インド
バラナシからサトナへ鉄道、サトナからカジュラホへバス.。
そこでわかったことは、「一等車に乗ったら、つまらない」、「ローカルバスで、バックパッカー仲間とワイワイしていた方が楽しい」ってことでした。
この時は、僕にとって、インドの列車に乗る実験みたいなものだった。
一等車が理解できたので、それ以降、一等車に乗ることはありませんでした。
ただ、海外個人旅行とすれば、「インドの一等車に乗る」という経験は、貴重なものだったといえる。
これで僕は、インドの一等車について、権威を持って語れるからね(笑)。
列車とバスを乗り継いで、カジュラホへ着いたのは、夕暮れ時だった。
朝から夕方まで鉄道とバスで移動したので、カジュラホ観光をするのは、翌日になる。
本格的な長期旅行では、ある町に着いたとき、「そこからどこへ移動するのか、いつ移動するのか」を考えておくのが重要だ。
カジュラホは、おそらく一日あれば、見てまわれるだろう。
だとしたら、次の目的地、アグラへの移動が問題になる。
宿の主人にアグラへの行き方を聞くと、朝早くバスがあるそうだ。
即座に、これで決定。
もちろんローカルバスなので、予約も必要ないし、切符はバスで買えばいいだけ。
宿の外に出ると、昨日一緒のバスでやってきた、オーストラリア人2人がいたので、声を掛けて、適当に話をする。
アグラへのバスのことを教えてあげたら、同じバスで、一緒に行くとのこと。
旅の同行者ができたのはよかった。
実は、このオーストラリア人には、バスで助けられることになるからね。
カジュラホには飛行場もあるようだ。
また、いまは、カジュラホにも鉄道駅ができたという。
そういういまの情報は、自分で調べてください。
ただ、言っておくが、「旅ではいろんな行き方」を知っても意味がない。
自分が旅をするときは、一つのやり方を使うだけなのだから。
何かの偶然で、ある移動方法を知ったら、それが自分がとる「運命のルート」なんだよ。
昨日から一緒だった、日本人の若者たちと出会ったので、3人で一緒に遺跡を見てまわることにする。
この時期のカジュラホは、本当にただの田舎町。
道は舗装されてないし、カジュラホの宿も、ほとんどが小汚い安宿だった。
若者の一人が「インドは遅れてますねー」と言う。
ただ僕は、彼より10歳ほど年上だった。
九州で育っているので、僕が小学生だったころの日本も似たようなものだった…と思う。
舗装道路なんか、近所になかったからね。
小学校へ通う道は、土がむき出しで、冬は霜柱が立っていたものだ。
日本の川の水は、ゴミと汚水で濁っていた。
日本が清潔な国になったのは、ほんの最近のことだ。
例えば、僕が世界一周旅行に出る前の新橋は、小汚い飲み屋が並んでいた。
世界一周旅行から戻ったら、安いチェーン店の居酒屋まで、変にきれいに、上品になってたので、居心地が悪かった。
それが理由になって、「僕は日本には住めない!」と、またロサンゼルスに半年、逃げ出したんだけどね。
このインド旅行は、僕が2年8か月の世界一周旅行に出る前の話だ。
確かに、寺院の壁をびっしり埋め尽くす、「ミトナ像」は、見事だったね。
かなり時代がたっているはずだが、崩れもせずに、キレイなまま残っている。
ただ、「なるほどなるほど」という感想しか、後に残らない。
ミトナ像見学もすぐに飽きた。
さてどこに行こうと考えたとき、カジュラホ村の方にある、別の寺院に足が向かった。
特に行く理由もなかったのだが、遺跡がありそうだったし、退屈だったので。
人の通らない田舎道を、のんびりと歩くのはキモチイイ。
ただ、人はいなかったんだが、犬が出てきた…。
僕は日本でも、犬は苦手なんだ。
その次に苦手なのは、騒がしい子供だけどね(笑)。
犬に石を投げてもよかったが、インドの犬がどう反応するのか、見当がつかない。
海外旅行で犬に噛み付かれたら、狂犬病の恐れも出てくるし。
結局、静かにあとずさりをして、ホテルの方へ戻りました。
ボンベイ(ムンバイ)の犬だったら、変にのんびりしてるんだけどね。
僕にとっては、カジュラホはこれで十分だ。
明日のバスの出発が、確か、午前7時くらいだったと思う。
早く寝て、バスに乗り遅れないようにします。
だって、カジュラホにあと一日いたって、時間の無駄だと思うしね。