『世界旅行者が、海外旅行の奥義「海外旅行=麻雀の法則」を解き明かす』@西アフリカ旅行


【ファンタおばさんと世界旅行者みどりのくつした@バマコ/マリ】

さて、西アフリカ旅行というのは、いったいなんだろう??
なぜ人は、面白くもおかしくもない、西アフリカなんかに行くんだろう?

これは、アフリカ地図を広げると、すぐにわかる。
アフリカの西の端っこにベルデ岬がある。

ここから南にかけて、海岸線が徐々に東へ回り込み、また南へ下り始めるまでの海岸沿いに、小さな国がたくさん固まっている。
ここがいわゆる西アフリカなんだよね。

そこで、「西アフリカへ行けば、簡単にたくさんの国を旅行できて、しかもアフリカの旅行国数が増えて、旅行自慢するのにいいじゃないか!」ってことを、思うらしいんだよね。
実際に、それが目的で旅行している人にも出会っうんだから、ビックリだけどさ。

僕が西アフリカへ行くのは、フランス語の試験で口が滑って西アフリカ行きを宣言してしまった、と説明してきた。
これはもちろん大嘘で(笑)、本当はもっとずっと深い理由がある(おいおい…)。

海外旅行を積み重ねて来たホンモノの世界旅行者だけに、アンデス山中で天狗から手渡される巻き物に、それは書いてある。
キミも、どこかで名前だけは聞いたことがあるかもしれない、「海外旅行=麻雀の法則」だ。

実は、みんなは知らないだろうが、海外旅行には目的があって、それは、「上がる」ということだ。
上がるといえば、麻雀だね。

麻雀は3つづつの組(面子)を4つ、それと、ペアになった二つの牌の「アタマ」を組み合わせることによって成立する。
海外旅行も、根本的にはこの仕組みになっていることを知らないと、恥をかくので注意して欲しい。

例えば、世界三大滝といえば、北米のナイアガラ、南米のイグアス、アフリカのビクトリアの三つのことだ。
これを揃えれば、一面子が出来て、上がりに一歩近づく。

僕はこの世界三大滝に、調子に乗って、もう一つ、ベネズエラのエンゼルフォールズを加えてしまった。
しかし、これはちょっとヤリスギだったようで、エンゼルフォールズは見たものの、ベネズエラで散々虐められて、ちっとも気分が良くなかった。

やはり、3つに留めておいた方が良かったみたいだ。

ところで、この世界旅行の面子(メンツ)にはいろいろあるが、「名前が面白い町」という面子があるのを、知らない人も多いだろう。
それは、「マチュピチュ」「サマルカンド」そして、「トンブクトゥ」だ。

マチュピチュは、ペルーにある、インカの古代空中都市。
サマルカンドは、ウズベキスタンにある、中央アジアの宝石と呼ばれるシルクロードの都市。

そして、トンブクトゥはサハラ砂漠とブラックアフリカを結ぶ、塩と金を交換した、西アフリカ内陸の交易都市だ。
この3つは、名前の響きが面白いので、3つを揃えると、一面子が出来て、上がりに一歩大きく近づくことになる。

これは聞いたことがない人もいると思うが、それは、無理もない。
僕が言い出したのだからね。

僕はこのうち、2つはすでに訪問している。
マチュピチュは、世界一周旅行の途中、LAから中南米へと下って、ペルーの古都クスコから列車で訪れた。

サマルカンドは、ツアーに参加して、大型観光バスで、ちゃっちゃっとお気楽に行った。
そしてこの、トンブクトゥにどうしても行かなければならないってわけなんだ。

トンブクトゥへ行くのがこんなに遅くなった原因は、実は交通手段にある。
昔は、トンブクトゥに行くには、ニジェール川を何日もかけて、船で行かなければならなかったんだよ。

そんな疲れる話、僕は考えるだけで、うんざりする。
しかも、ニジェール川は、雨期と乾季に大きく水量が変化し、乾季になると大型の定期船が運行を止めてしまう。

そうなると、ピローグという小型の船に乗せてもらうことになる。
これも、なんか、面倒くさくて、嫌だね。

ところが、最近の情報では、マリの首都バマコや、モプティからトンブクトゥへマリ航空が定期便を運行しているらしい。
でも、それなら大丈夫、気楽にさっさと飛べばいいだけだ、と思うようでは、まだまだ甘いんだよ。

こういう国の航空会社というのは、ものすごくいいかげんなのが普通だ。
飛ぶ予定でも、客がいなければ運休するのが当たり前。

ということは、ある程度客のいる、観光シーズンに行かなければならない。
しかし、観光客が多すぎたら、当然、予約で何週間先まで満員ということも、十分考えられるだろう。

また、故障で飛ばないことも、飛んでたら落ちてしまうことも、十分な可能性がある。
でもまあ、一応、飛行機があるのだから、飛ぶ飛ばない、乗れる乗れないは別にして、楽に行ける可能性はあるわけだよ。

だったら、当然、トンブクトゥへ行くことになる。
ところで、トンブクトゥはマリにある。

ならば、なぜ、マリに直接飛ばずに、セネガルの首都ダカールへ行くかというと、ここにも世界旅行者のコダワリがあるんだよ。
僕はかなり前から、西アフリカについて考えつづけ、ツアーのパンフレットもチェックして来た。

昔の西アフリカツアーでは、必ず、ダカールからバマコの国際列車に乗っていったのだ。
できたら、この列車に乗って、セネガルからマリへの国境を越えたい。

海外での国際列車の旅というのは、これは、なかなか話のネタになるんだよ。
まあ、国際列車とはいっても、西ヨーロッパを中心にユーレイルパスで走り回る程度だと、そんなには面白くない。

これだと、せっかく国境を越えるのに、パスポートのチェックもなかったりして、国境を越えるドキドキ感がないんだ。
寝台車で国境を越えると、夜中にガタンゴトンという列車の響きが終って停車する。

眠い目をこすって起きると、国境の町でパスポートチェックがある。
無事にパスポートに出国印、入国印を押されるというのは、本当に国境を越えたぞ!って、チョー感動的だよ。

昔は、東欧の国境を越えるときなんか、列車のコンパートメントを全部ひっくり返すような、厳しい調べ方をしたものだ。
いまは、東欧諸国が自由化されて、旅が楽になってしまったので、面白味がぐんと減ってしまった。

それでも、例えば、ブルガリアの首都ソフィアからイスタンブールへの寝台列車に乗ったとき、国境でたたき起こされた。
国境の入国管理事務所までみんなで走っていって、パスポートにスタンプを押してもらったりするから、やってみると楽しいよ。

だから西アフリカ旅行の大原則は、まずセネガルへ入って、国際鉄道でマリに入る。
そこから、トンブクトゥへ行くのが旅の基本だ。

そのあとは、まあ、飽きなくて、時間に余裕があれば、ブルキナファソ、コートジボワール、ガーナ、トーゴ、ベナン、と続けて下っていく。
このままさらにナイジェリアまで入るかどうかが問題(アフリカ内ででビザが取り難いのと、治安が悪いので)だ。

そこを更に下って、カメルーン。
現在は、行ってもカメルーンまでで、ここから東アフリカのナイロビへ飛び、さらに陸路で南下して、南アのケープタウンまで行く人も多いようだ。

とこういうのが、普通の日本人旅行者のルートなんだよ。
手っ取り早く理解できたでしょ。

ところで、なぜ、セネガルに最初に入るかというとだね、日本人は、セネガル入国にビザが必要ないから。
それと、ダカールは、西アフリカの中心都市で、ちょうど、東アフリカの中心、ナイロビのようなところなんだね。

アエロフロートが、西アフリカの中心都市ダカールに、飛んでいるが、一つ問題なのは、どこから帰ってくるかってことなんだよ。
しかし僕は、セネガルの往復切符を購入した。

次は、その理由を説明してみたい。

http://d.hatena.ne.jp/worldtraveller/20100214