スキンヘッドのオーストラリア人2人と仲良くなって、カジュラホからバスに乗り、アグラへ突入したところで別れる(バスで11時間)@アグラ/インド
バラナシから鉄道とバスを乗り継いで、カジュラホへ着き、翌日、カジュラホを見学した。
カジュラホは、ミトナ像で有名で、確かに特徴的な寺院もある。
ただ、僕としては、特に興味を持って、寺院群を見に来たのではない。
バラナシからアグラへ行く中間にカジュラホがあったからという方が、正確かな。
バラナシからカジュラホ、カジュラホからアグラ、そしてアグラからデリーと旅程を分割できるのが、魅力的だった。
これだと、昼間の移動で、身体に無理をかけないで済むからね。
最初のインド旅行だから、とにかく安全第一に考えている。
バラナシの宿は、観光案内所もある、政府系のツーリストバンガローに泊まった
バラナシからカジュラホは、昼間の移動にした。
バラナシ駅(VARANASI JUNCTION)からサトナへは、わざわざ一等車に乗った
昨日見た、カジュラホの寺院群のことは、すでに過去の話。
僕は、今朝、カジュラホからアグラへのバスに乗る。
昨日、カジュラホからアグラへのバスがあることは、調べてあって、それに乗れば、明るいうちにアグラへつけるという。
このバスに乗るのを決めて、昨日会った、スキンヘッドのオーストラリア人2人組に教えてあげた。
出発はちょうど、夜が明けるころだった。
夜明け前にバス乗り場へ行くと、オーストラリア人2人と僕以外は、全部インド人。
バスに乗り込んで、あたりが明るくなるころにバスは動き出したと思う。
とにかくこのバスに乗っていさえすれば、夕方にはアグラへ着く(はずだ)。
僕が乗ったこのバスの情報は、旅行者の間でも、あんまり知られていなかったようだ。
カジュラホからアグラまでは、他にも、鉄道を乗り継いでもいけたと思う。
僕としては、バス一本で、カジュラホからアグラへ、昼間の時間だけで行けるというのだから、十分満足。
バスは本当にオンボロの、インドのローカルバスだったけどね。
一人だけでローカルバスに乗るのは、正直、避けたいもの。
でも、僕には、スキンヘッドのオーストラリア人の同行者がいる。
2人とも、身体ががっしりしていて、頼りになりそうだ。
バスに乗ってると、何もすることがないので、適当にいろいろ話をする。
このときは、まだ僕はオーストラリアに行ったことがなかったし、彼らも日本は未経験。
だから、3人で、日本はどうだ、オーストラリアはこうだと話をするだけで、結構盛り上がった。
オーストラリア人は、話し相手としても面白かったし、またボディガードにもなる。
前の席のインド人の若者が、僕に話しかけてきたが、いかにも信用できなさそうなタイプだった。
「僕はジャーナリストだ」と言うが、ミエミエの嘘だとわかった。
ただ、日本人は、「ウソをつくな!」なんてゼッタイ言えないので、適当に話を合わせる(というか、聞かなかったことにする)。
別のインド人が、わざわざ「嘘を言ってるから、注意しろ」と教えてくれる。
僕もそのつもりだが、インド人は、しつこく話を続けて、絡んでくる。
一人だと僕は、かなり困る状況だ。
バスの中というのは、逃げられないしね。
僕はネットでも、酒場でも、絡んでくる人をかわすのが苦手。
しかしこのときは、スキンヘッドの、体格のいい、20歳代のオーストラリア人と一緒だ。
年上の方が、僕が困っているのを見て、インド人との間に割り込んでくれた。
インド人と睨み合い(メンチの切り合い)をして、僕を助けてくれたよ。
ローカルバスだけど、長距離バスだったせいか、バスは途中の休息もあって、トイレの心配もなかった。
軽い食事も取れて、3人は、ますます仲良くなり、適当な話を続ける。
しかし、アグラが近づくころになると、ぐったりと疲れて、口数も少なくなる。
ちょうど日が暮れかかるころ、アグラの町へ入った。
アグラの中に入っても、バスはゆっくりだらだら走るので、真っ暗になってしまう。
暗くなると、宿を探すのが問題だ。
僕はもちろん、宿をどこにするのか、決めてないわけだが…。
ガイドブックを見て、バスがどこを走っているのか、確認してみる。
バスは乗客を降ろしながら、街を走る。
インドの長距離バスは、バスがある町に着いてからが、いちいち客をおろすので時間がかかるんだよなー。
バスターミナルに直行しないんだ。
僕はガイドブックでアグラの安宿をチェックして、よさそうなところをいくつか、ピックアップしてみる。
すると、暗闇の中に、ガイドブックにあった宿の名前の看板が電気に照らされて見えた。
ここで降りれば、宿を探さなくてすむ。
僕は、バスの運転手に声をかけて、バスを止める。
オーストラリア人には、「僕はこのホテルに泊まる。キミたちはどうするの?」と聞く。
彼らはどうやら、泊まるところを決めている雰囲気で、引き続きバスに乗っているようだ。
「明日朝、タージマハルで会おう!」と声をかけてバスを降りる。
彼らはオーストラリア人だったから、ガイドブックはバックパッカーの定番「Lonely Planet」を使ってたんだと思う。
僕は日本人旅行者定番の「地球の歩き方」を使っていた。
正直、僕はこの最初のインド旅行をするまで、「Lonely Planet」の存在を知らなかった。
南インドに行くまでに「Lonely Planet」を知って、スリランカのロンプラを、買ったけどね。
だから、僕が泊まると決めた宿は、「地球の歩き方」には載ってたが、「Lonely Planet」には載ってなかったんじゃないかな。
彼らは、それで別の宿に泊まることにしたのだろうと思うけどね。
ホテルに部屋を決めて、バックパックを部屋に置く。
ホテルのおじさんに近くの食堂の場所を聞いて、夕食を取りに出た。
オーストラリア人には、お礼も言えないまま別れてしまったよ。
夕食を一緒にして、明日も一緒の行動をしてもよかったんだけどさ。
でもまあ、また会えるものなら会えるでしょう。
会えないとしても、それは神の定め。
このバスに乗ったのが夜明け前の午前7時ごろ、バスを降りたのが、日が暮れた後の6時ごろ。
つまり、約11時間のバス旅です。