ローカルバスで、サルナートへ行く。ブッダガヤへ行かないのには、理由があった。最後にガンガへ行って、道に迷う。@バラナシ/インド
ポカラから、バラナシへのバスで一緒だった日本人カップルは、バラナシからデリー方面への夜行寝台列車に乗った。
僕は、まだバラナシに残り、軽くバラナシ近くの適当な町を見ようと考える。
メインの観光地に、ちょっとトッピングを付け加えるってことね。
ずばり言うが、海外個人旅行をするという目的は、ただ一つ、「旅行自慢をするため」だ。
例えば、バラナシにきても、ガンガで沐浴してなければ、話にならない。
これを、「ガンジス川の水は汚いから」と言い訳して、ガンジス川に入らなければ、一生「負け犬の人生」になる。
もちろん僕は、躊躇なくガンガに飛び込んだ。
これで、ガンガで水には入れなかった人間と、絶対的な差をつけたわけね(笑)。
でも、バラナシへ行って、ガンガに浸かった人間は、山ほどいる。
バタフライだってした女の子もいるが、僕は、平泳ぎとクロールだけでした(バタフライができないので)。

だから、バラナシへ来て、ガンガで泳げば、たいしたもの。
しかも僕は、ネパールからの陸路で、ポカラから2日かけてバラナシへやってきた。
いまは、インドも飛行機で旅行するような、サラリーマン旅行者もいるようだ。
まあ、サラリーマンが一週間でインド北部を旅しても、何も得られない。
サイパンで、ビーチ遊びでもしていた方が、楽しいし、安全だと思うよ。
その意味で、ポカラから1泊2日のバス旅で、バラナシへ来たのは、ぐっとポイントが高い。
旅行自慢で完全勝利するためには、バラナシ近辺で、もう一つ行っておけば完璧だね。
バラナシ近くの仏教ゆかりの地へ行っていれば、まず旅行自慢では勝てるわけだ。
世界的に有名なバラナシ近くには、まだまだ話のネタになるような場所がたくさんある。
注意しておくが、たくさんあるからといって、誰も知らないところへ行っても、誰も知らないのだから、旅行自慢するためには、全く意味がない。
誰でも、ある程度聞いたことがあるところへ行かないと、自慢するつもりが、かえって馬鹿にされるだけだ。
バラナシの付近で、名前が知られているといえば、まず、「ブッダガヤ(Buddha Gaya」だね。
ただ、僕はブッダガヤには行かない。
というのは、僕が行った1984年以前から、ブッダガヤの悪評は轟いていたんだ。
まず、日本語ぺらぺらのインド人が、日本人を食い物にしているという噂。
もちろん日本女性がインド人と付き合っている話も、ある。
嘘か本当かわからないが、日本女性の本性をよく知っている僕だから、十二分にあることだと思う。
単純に言うと、ブッダガヤとは、頭の弱い日本人が、インド人に食い物にされる場所。
日本人の集まる観光地で、日本人相手の商売が成り立っている。
すると、ウザったいインド人がしつこく話しかけてくるのは、カンタンに予想できる。
僕もインド旅行は確かに初めてだが、海外旅行自体は、この時までも、たくさんしてきた。
ウザッタイインド人と、さらに、インド人と親しくなって、旅行通だと勘違いしている日本人の存在が、カンタンに予想できた。
いままで書いてきたことでわかるかもしれない。
僕は、「インド旅行してウンチクをたれる馬鹿日本人」というのが、大嫌いだったんだよ(笑)。
実際、ブッダガヤから鉄道駅のが屋へ行くオートリキシャーに乗った日本女性が、集団で強姦された事件もあった。
日本人は、海外でトラブルがあっても泣き寝入りするものだから、表に出てない事件は、他にもたくさんあるだろう。
ブッダガヤには、日本語ぺらぺらの、日本人を食い物にする、不良インド人がたくさんいる。
また、不良インド人と付き合って、勘違いしている日本人もいるわけだ。
僕はそんなところへは行きたくないね。
僕はブッダガヤには行かない!
そこで決めたのが、「サルナート(SARNATH)」だ。
ブッダガヤは、仏陀が悟りをひらいた場所だが、サルナートは、仏陀がはじめて悟りを語ったところ。
一番いいのは、サルナートは、バラナシから、バスで1時間程度。
バラナシ駅近くから、ローカルバスが出ていたような気がする。
それとも、ツーリストバンガローから、ツアーバスでも出ていたのだろうか。
ここの記憶は、スポット抜け落ちている。
ただ、サルナートへ行った記憶は、はっきりしている。
特徴的な「ダメークストゥーパ(Dhamekh Stupa)」を見上げて、その横を歩いたのを、覚えているからね。
また、サルナートの「考古学博物館(Archaeological Museum)」へも行った。
博物館を入ったところに、「ライオンの像」があったのを記憶している。
博物館で、この像の絵葉書を買って、自分に送った。
午後の早い時間に、バラナシへ戻る。
僕は、バラナシへポカラからのバスで入って、ガンガモーニングツアーに参加した。
ガンガのダシャーシュワメードガートで、平泳ぎとクロールをした。
そして、サルナートへ行った。
ツーリストバンガローへ戻り、明日、バラナシを出る準備をする。
これで、バラナシ旅行とすれば、完璧なはずだ。
しかし、まだまだ日は高い。
僕は、なぜか、「もう一度ガンガを見なければ!」という強い衝動を感じる。
オートリキシャーに飛び乗って、ガンガへ行く。
ダシャーシュワメードガート横の細い道からガンガを見る。
僕は知っている。
もう二度と、ここに戻ってくることはない。
なぜなら、「理由」がないからね。
細い道を。本能のまま、次々と曲がっていく。
すると、本当に迷ってしまった…(汗)。
そのとき僕は思った。
道に迷っている状態が、人が生きるということなのだ…と。